会社の夏休みを利用して九州に行ってきた。
季節外れ&平日出発&一人旅だったので、フツーに考えたらありえんくらい安上がりだった。
アニメも見ず、ネットニュースも見ず、メールも見ず、株価も見ず、為替レートも見ず、blogも上げず、仕事もせず、・・・というないない尽くしで過ごしたわけだが、案外何も気にもならならずにホッタラカシにできるのはフシギなもんだ。
[1日目]
飛行機で宮崎へ直行する。
次の日の昼に宮崎につくプランよりも前の日の夜に宮崎につく当プランのほうが、宿代のほとんどはそれで浮いてしまうほど安上がりだった。
もちろんそれで安くあげているのは言うまでもない。
飛行機に乗った瞬間に驚いた。
とにかくお客が少ない。
3人がけの座席にはわたし1人しか座っていないし、その後ろの3人がけの座席には1人も座ってもいなかった。
そりゃーJALも大赤字になるわ、こりゃ。
ところがこれは、宮崎の見せる驚愕の事実の一端を示す序章にしかすぎなかったわけであった・・・。
さて宮崎空港に着いた。
空港にJRの駅が隣接しているという、なかなかに便利な仕様になっている。
広島空港なんか超ヘンテコなド田舎にあるし、松本空港なんか慢性渋滞していて近いくせに1時間半もバスに閉じ込められるわけだが、それと比べたら宮崎空港は羨ましいかぎりである。
しかしそこは宮崎。
電車は1時間に1本しかない。
それは田舎仕様だからしかたがあるまい。
たまたまタイミングよくそんなに待つこともなかったので、試しに電車に乗ってみることに。
これがまた驚いた。
そこいらの特急よりも豪華な電車がとまっていた。
「これに乗っていいんだよな? 特急じゃねえよな??」
と確かめながら恐る恐る乗ってみた。
驚いたのはそれだけではなかった。
わたしの乗った車両にはわたししか乗っていなかったほどガラガラに空いていた。
何という貸切気分!
関東だと、群馬の山奥の過疎地域でも1人しか乗ってないなんて多分ないよ!?
しかしこの豪華な電車は、始発から終着まで乗ったところで10分しか使わないのである。
あの豪華さはいったい何だったんだろう・・・?
さて宮崎駅に到着。
宿はがんばれば歩いていけそうなところにあるので、タクシーは使わずムリヤリ歩いて宿へ行くことに。
とりあえずウロウロ歩いてみるというのは、街の雰囲気が頭に入るので旅の思い出が鮮明に残りやすい。
こういうのは悪い作戦ではない。
しかし、後々になってこれは失敗したかもしれんと後悔することになる・・・。
温泉宿だったので、とりあえずひとっ風呂あびる。
観光ガイドブックを見て宿にいちばん近い地鶏屋に直行。
地鶏うめぇぇぇ!
工場で製造しているブロイラーとは似て非なるものなのが如実にわかった。
そしてこの地鶏を食いながらビール飲むのがまたサイコーなのである。
それに値段もそんなに高くもない。
宮崎に行ったら地鶏は絶対食え!
その後、ふたっ風呂目をあびて寝る。
[2日目]
朝とりあえずひとっ風呂あびるなど、多少ゴロゴロしてから出発。
また宿から駅までムリヤリ歩いて移動する。
この日は宮崎の南のほうへ向かい気が向いたところで降りて観光するという、計画的に無計画な計画を立案し、実行にかかる。
日南線というJRの地方交通線に乗る。
これがまた、1時間に1本しかなく、単線で、電化もされていないディーゼル車で、全部で1両編成、エアコンもなく扇風機装備という、ここ久しく見たこともないようなツワモノっぷりだった。
1時間に1本というのはしかたないとしよう。
けど、あの空港でのった電車の豪華っぷりに比べたら、えらくまた大きな落差を感じる。
とりあえず最初は青島。
ここはかつての新婚旅行のメッカだったらしい。
なんでそんなところへ1人で行ったのかというツッコミはナシの方向で。
ここは世間の観光地よろしく、観光地へつらなる道の両脇に土産物屋が連なっているわけだが、何だか妙にくたびれた感じがする。
まあ観光客もたまにすれ違う程度の密度でしかなく、そんなにいもしないのだからしかたないのだろうか。
青島は鬼の洗濯板というヘンテコな海岸が有名である。
実際に自分の目で見て観察してみると、粘土の層と固い岩の層が数10cmおきに交互に体積した地層が斜めに隆起し、波の潮汐力で粘土の層だけ先に削られたからこんな地形になったようだ・・・ということはわかった。
けど、そんなことはどこにも書いてもいない。
歴史的または神話的にどうのこうのという事はけっこう詳しく書いてあるのに、自然科学的な解説はいっさいない。
解説に強い不満を感じる。
たまたま入った土産物屋で、10個くらい早生ミカンが入った袋が100円で売られているのを見て反射神経で買ってしまう。
うちの近くのスーパーだと、これの半分くらいしか入ってないのに398円とか取りやがる。
それに比べたらムチャクチャ安い。
そしてこの日の昼間、バス待ちや電車待ちのヒマな時間は、思わず買ってしまったミカンをあちこちでむさぼり食うことになる。
その後、青島から南下するバスに乗り、気が向いたところで降りて観光する。
バスから見えたからいいやというので、即決で降りるのをやめたところもあった。
バスは1時間に1本しかないので、ムチャクチャ急いで観光して何とか1時間後のバスに乗り込んだところもあった。
観光地がビックリするほどショボくて、次に来るまでヒマでヒマでしょうがないようなところもあった。
そんなかんなで油津駅というところにつく。
電車にのって出発するのを待っていた。
行きの電車より少しはマシなのか、2両編成ではあった。
あいかわらず扇風機&ディーゼル車ではあったが、もはやこれくらいでは驚かない。
しらばくしたところ、女子高生が後から入ってきた。
ヤツらは突然悲鳴を上げた。
「今日はむっちゃ混んどる! 1両に3人ものっとるわ!!」
「信じられん!」
もう大騒ぎだった。
えっ、1両に3人いると混んでるの?
ふだんどんだけ人少ないねん!
この路線ヤバいんとちゃうか!?
この後、いちかばちか宮崎神宮まで行ってみたが、すでに時遅し、閉まっていた。
観光ガイドブックにのっている近くの地鶏屋に行こうとするが、いくら探しても見つからない。
すぐ近くに住んでいるという地元の人を捕まえたのだが、その人すら知りもしなかった。
しかたがないからタクシーつかまえて地鶏屋に直行。
やっぱ地鶏うめぇぇぇ!
そして地鶏とビールがサイコーですわ。
ふだん酒飲まないのに、なんで2日連続でビール飲んでるんだろ、なにかがおかしい・・・。
こうやって、朝はグータラ寝てて、昼は海にでも行って、夕方は温泉でも入って、夜は地鶏とビール、まさに地上の楽園ですな。
いやまあ、地上の楽園っていっても北朝鮮のことじゃないからね。
実はこの地鶏屋、なかなかにフシギな店であった。
わたしは初めて入った一見客なのは当然だが、他はみんな常連ぞろいっぽい。
で、他の客の場合はは入ってきたら1言も言わないのに店長が料理を作って出す。
地鶏の焼き加減も何も言わないのに全自動で細工する。
また客が1言も言わないのに店長がビールのおかわりを持ってくる。
そして店長は代金がいくらとも言いもしないのにお客はお金を払う。
そんなんで成立する店というのも、あるいみ凄いのかも。
その後、宿に帰って温泉につかって寝る。
(づづく・・・)
季節外れ&平日出発&一人旅だったので、フツーに考えたらありえんくらい安上がりだった。
アニメも見ず、ネットニュースも見ず、メールも見ず、株価も見ず、為替レートも見ず、blogも上げず、仕事もせず、・・・というないない尽くしで過ごしたわけだが、案外何も気にもならならずにホッタラカシにできるのはフシギなもんだ。
[1日目]
飛行機で宮崎へ直行する。
次の日の昼に宮崎につくプランよりも前の日の夜に宮崎につく当プランのほうが、宿代のほとんどはそれで浮いてしまうほど安上がりだった。
もちろんそれで安くあげているのは言うまでもない。
飛行機に乗った瞬間に驚いた。
とにかくお客が少ない。
3人がけの座席にはわたし1人しか座っていないし、その後ろの3人がけの座席には1人も座ってもいなかった。
そりゃーJALも大赤字になるわ、こりゃ。
ところがこれは、宮崎の見せる驚愕の事実の一端を示す序章にしかすぎなかったわけであった・・・。
さて宮崎空港に着いた。
空港にJRの駅が隣接しているという、なかなかに便利な仕様になっている。
広島空港なんか超ヘンテコなド田舎にあるし、松本空港なんか慢性渋滞していて近いくせに1時間半もバスに閉じ込められるわけだが、それと比べたら宮崎空港は羨ましいかぎりである。
しかしそこは宮崎。
電車は1時間に1本しかない。
それは田舎仕様だからしかたがあるまい。
たまたまタイミングよくそんなに待つこともなかったので、試しに電車に乗ってみることに。
これがまた驚いた。
そこいらの特急よりも豪華な電車がとまっていた。
「これに乗っていいんだよな? 特急じゃねえよな??」
と確かめながら恐る恐る乗ってみた。
驚いたのはそれだけではなかった。
わたしの乗った車両にはわたししか乗っていなかったほどガラガラに空いていた。
何という貸切気分!
関東だと、群馬の山奥の過疎地域でも1人しか乗ってないなんて多分ないよ!?
しかしこの豪華な電車は、始発から終着まで乗ったところで10分しか使わないのである。
あの豪華さはいったい何だったんだろう・・・?
さて宮崎駅に到着。
宿はがんばれば歩いていけそうなところにあるので、タクシーは使わずムリヤリ歩いて宿へ行くことに。
とりあえずウロウロ歩いてみるというのは、街の雰囲気が頭に入るので旅の思い出が鮮明に残りやすい。
こういうのは悪い作戦ではない。
しかし、後々になってこれは失敗したかもしれんと後悔することになる・・・。
温泉宿だったので、とりあえずひとっ風呂あびる。
観光ガイドブックを見て宿にいちばん近い地鶏屋に直行。
地鶏うめぇぇぇ!
工場で製造しているブロイラーとは似て非なるものなのが如実にわかった。
そしてこの地鶏を食いながらビール飲むのがまたサイコーなのである。
それに値段もそんなに高くもない。
宮崎に行ったら地鶏は絶対食え!
その後、ふたっ風呂目をあびて寝る。
[2日目]
朝とりあえずひとっ風呂あびるなど、多少ゴロゴロしてから出発。
また宿から駅までムリヤリ歩いて移動する。
この日は宮崎の南のほうへ向かい気が向いたところで降りて観光するという、計画的に無計画な計画を立案し、実行にかかる。
日南線というJRの地方交通線に乗る。
これがまた、1時間に1本しかなく、単線で、電化もされていないディーゼル車で、全部で1両編成、エアコンもなく扇風機装備という、ここ久しく見たこともないようなツワモノっぷりだった。
1時間に1本というのはしかたないとしよう。
けど、あの空港でのった電車の豪華っぷりに比べたら、えらくまた大きな落差を感じる。
とりあえず最初は青島。
ここはかつての新婚旅行のメッカだったらしい。
なんでそんなところへ1人で行ったのかというツッコミはナシの方向で。
ここは世間の観光地よろしく、観光地へつらなる道の両脇に土産物屋が連なっているわけだが、何だか妙にくたびれた感じがする。
まあ観光客もたまにすれ違う程度の密度でしかなく、そんなにいもしないのだからしかたないのだろうか。
青島は鬼の洗濯板というヘンテコな海岸が有名である。
実際に自分の目で見て観察してみると、粘土の層と固い岩の層が数10cmおきに交互に体積した地層が斜めに隆起し、波の潮汐力で粘土の層だけ先に削られたからこんな地形になったようだ・・・ということはわかった。
けど、そんなことはどこにも書いてもいない。
歴史的または神話的にどうのこうのという事はけっこう詳しく書いてあるのに、自然科学的な解説はいっさいない。
解説に強い不満を感じる。
たまたま入った土産物屋で、10個くらい早生ミカンが入った袋が100円で売られているのを見て反射神経で買ってしまう。
うちの近くのスーパーだと、これの半分くらいしか入ってないのに398円とか取りやがる。
それに比べたらムチャクチャ安い。
そしてこの日の昼間、バス待ちや電車待ちのヒマな時間は、思わず買ってしまったミカンをあちこちでむさぼり食うことになる。
その後、青島から南下するバスに乗り、気が向いたところで降りて観光する。
バスから見えたからいいやというので、即決で降りるのをやめたところもあった。
バスは1時間に1本しかないので、ムチャクチャ急いで観光して何とか1時間後のバスに乗り込んだところもあった。
観光地がビックリするほどショボくて、次に来るまでヒマでヒマでしょうがないようなところもあった。
そんなかんなで油津駅というところにつく。
電車にのって出発するのを待っていた。
行きの電車より少しはマシなのか、2両編成ではあった。
あいかわらず扇風機&ディーゼル車ではあったが、もはやこれくらいでは驚かない。
しらばくしたところ、女子高生が後から入ってきた。
ヤツらは突然悲鳴を上げた。
「今日はむっちゃ混んどる! 1両に3人ものっとるわ!!」
「信じられん!」
もう大騒ぎだった。
えっ、1両に3人いると混んでるの?
ふだんどんだけ人少ないねん!
この路線ヤバいんとちゃうか!?
この後、いちかばちか宮崎神宮まで行ってみたが、すでに時遅し、閉まっていた。
観光ガイドブックにのっている近くの地鶏屋に行こうとするが、いくら探しても見つからない。
すぐ近くに住んでいるという地元の人を捕まえたのだが、その人すら知りもしなかった。
しかたがないからタクシーつかまえて地鶏屋に直行。
やっぱ地鶏うめぇぇぇ!
そして地鶏とビールがサイコーですわ。
ふだん酒飲まないのに、なんで2日連続でビール飲んでるんだろ、なにかがおかしい・・・。
こうやって、朝はグータラ寝てて、昼は海にでも行って、夕方は温泉でも入って、夜は地鶏とビール、まさに地上の楽園ですな。
いやまあ、地上の楽園っていっても北朝鮮のことじゃないからね。
実はこの地鶏屋、なかなかにフシギな店であった。
わたしは初めて入った一見客なのは当然だが、他はみんな常連ぞろいっぽい。
で、他の客の場合はは入ってきたら1言も言わないのに店長が料理を作って出す。
地鶏の焼き加減も何も言わないのに全自動で細工する。
また客が1言も言わないのに店長がビールのおかわりを持ってくる。
そして店長は代金がいくらとも言いもしないのにお客はお金を払う。
そんなんで成立する店というのも、あるいみ凄いのかも。
その後、宿に帰って温泉につかって寝る。
(づづく・・・)