北緯69度20分、東経88度13分。
人口が10万人を超える都市の中では最北に位置する町、ノリリスクはロシアのほぼ中央に位置している。
北極海に近い町でもある。
エニセイ川の東、90㎞のところに位置し、世界有数のニッケル鉱山(世界シェア20%)があるほか、パラジウム(35%)、白金(25%)、ロジウム(20%)、コバルト(10%)を産する鉱山都市である。
周辺の森は、鉱山開発で完全に死んでしまった。
驚くほどの面積である。
この町で、過去10年間に大きな変化が起きている。
地球温暖化の影響で永久凍土が部分的に溶解し、全体の40%近い建物が変形してしまった。
氷が融けると、土壌体積が縮小する。
そこかしこの建物の基礎部分が浮き上がってきている。
橋の基礎部分が見えて、今にも倒れそうだ。
温度と氷の関係は、とてもはっきりしている。
水が凍ると体積が8%増える。
逆に氷が溶ければ体積は減る。
10年から40年の古い建物が危険な状態に陥っているという。
恐るべし凍土、甘く見てはいけない。
今、この町は閉鎖都市に指定されている。