
どうもまだよく理解されていない気がする。
なぜ自律型水中ロボット淡探を作ったのか。
1993年に湖中探査先端技術化計画を立ち上げたとき、ケーブルつきの水中ロボットを購入した。
これはRTVまたはROVと呼ばれるロボットに属する。
ケーブルがついているので、リアルタイムで水中の様子をモニターできる。
電気も船上から供給するので、ロボット自体の重量を軽くすることが出来る。
ただ、ケーブルつきのロボットには決定的な欠点がある。
ケーブルの長さ分しか移動できないことと、人間が操作するので客観性にかけることだ。
下手なオペレーターが操作すると、湖底の泥を巻き上げてしまう。
可能な限り湖底をかく乱しないで画像を得たい、という目的で淡探を作った。
自律型水中ロボット(AUV)は、ケーブルつき水中ロボットの進化形なのだ。
2000年に進水した淡探は、ハードもソフトもすべて一から開発を行った。
そのためどうしても高額となった。
今、市販の自律型水中ロボットは10分の1くらいの価格となっている。
それでも、淡探にしか出来ない能力がある。
湖底から一定の高さを保持して潜行しながら映像が撮れることだ。
アメリカ製の水中ロボットは、超音波探査を主体としているので映像は撮れない。
淡探のカメラはハイビジョン対応なので、解像度も高い。
中途半端な理解で間違った説明をする人がいるが、後で恥をかくから止めたほうがよいと思う。
あとで困ることになる。
ロボットというのは、対象とするミッションにあったことしか出来ないのだ。
RTVはあくまでRTVであり、AUVの代わりはできないのだ。