1969年、琵琶湖富栄養化防止条例が制定された。
いわゆる石鹸条例である。
この前文は、名文である。
知事や県庁職員に、ぜひ思い出して欲しい。
琵琶湖の大切さを忘れてはいけない。
それにしては意識のレベルが低下している気がする。
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水は、大気、土などとともに人間生存の基盤である。
この水を満々とたたえた琵琶湖は、日本最大の湖として、われわれに大きな試練を与えながらも、限りない恵みをもたらしてきた。
この琵琶湖が、近年、急激な都市化の進展などによって水質の悪化、とりわけ富栄養化の進行という異常な事態に直面している。
しかも、それは、琵琶湖自身の自然の営みによるものではなく、琵琶湖流域に住む人々の生活や生産活動によって引き起こされている。
悠久の歴史をつづりながら、さまざまな人間活動を支えてくれた琵琶湖を、今、われわれの世代によって汚すことは許されない。
水は有限の資源であり、琵琶湖はまさにその恩恵に浴する人々にとつての生命源であり、深い心のよりどころである。
われわれは、幾多の困難を克服して、この水と人間との新しい共存関係を確立していかなければならない。
いまこそ、われわれは、豊かさや便利さを追求してきた生活観に反省を加え、琵琶湖のもつ多面的な価値と人間生活のあり方に思いをめぐらし、勇気と決断をもつて、琵琶湖の環境を保全するため総合的な施策を展開することが必要である。
琵琶湖とともに生き、琵琶湖を愛し、琵琶湖の恵みに感謝する県民が環境保全の意識に目ざめ、今、ひたむきに創造的な活動を繰りひろげている。
われわれは、この自治と連帯の芽を育てながら、一体となって琵琶湖を守り、美しい琵琶湖を次代に引き継ぐことを決意し、その第一歩として、ここに琵琶湖の富栄養化を防止するための条例を制定する。