
年末の土曜日に、脳こうそくで入院中の先輩を訪ねた。
右半身が不随だったが、会話は普通にできた。
「回復しないわ」
と何気に語った彼の言葉を聞くのがつらかった。
他人事ではない。
自分も結構いい加減な生活を送っているので、身につまされる。
「頑張ってリハビリしないとね」
そんな言葉しか言えない自分が情けなかった。
そう言えば、長年付き合っている京都の散髪屋Oさんも最近脳内出血で入院した。
彼の場合は軽度で後遺症がないので、すぐに仕事に復帰できそうだ。
病院で見た姿は元気だが、爆弾を抱えているようなもので緊張する日々が続くことになる。
「もう酒はやめるよ」
Oさんの言葉も、実感がこもっている。
私がブログを書くのも、頭の働きを正常に保つトレーニングになっている。
雑誌やマスコミからの原稿依頼もなるべく断らないようにしている。
年を取ると、どこかの機能が不全になる。
少しずつだが、衰えを緩和する努力が必要だ。
それもストイックな努力だ。
一方で、酒を断てない自分もいる。
自儘に生きながら、もうしばらくは頑張って人の役に立ちたいと思っている。
そう言えば、私が参加しているNPO法人「びわ湖トラスト」の理事も高齢者が多い。
理事長は80歳を越えているが、とても元気だ。
できる範囲で社会的であろうとすることは、老化を防ぐ働きがあるのかもしれない。
老人の社会復帰を促す意味で、こうしたNPOの存在も重要になってきている。
若い人も、年老いた人も、共通にもてる夢を作りたいと思っている。
できれば世代間で語り継げる生産性のある夢がいい。
強者を励まし、弱者に優しい、平和的なコミュニティの建設が望ましい。
そのためには社会を支える基盤が必要だ。
NPO活動の中で、こんなことも実現したらよいのだが。