急に涼しくなって、そして9月になって、あっという間に夏が終わる。
京都の実家へ帰った以外はどこへも行かなかった今年の夏。
父の初盆と言うこともあり、いつもより少し長く実家へ戻っていた。
そこには可愛い盛りの姪がいて、ずっと遊んでいた。公園、お絵かき、白玉団子作り、花の水やり、買い物、花火。これらを毎日、きれいにくり返す。
雨が降っても彼女が花火をやりたいと言えば買いに行き、お花にお水をあげたいというと雨でも水をまく。
全ての要求に応えていたら、彼女の父である私の兄が私を呼ぶのを真似て、「さち」と呼び捨てされるようになった。
この時はさすがに複雑な思いがした。
お盆の頃、ちょうど悩み事があったので、日に日に言葉数が増える姪に「悩んでるけどどうしたらいいかなぁ」などと相談した。彼女は、「そかあ」と言って考えてから一間おき、「じゃあワタシが手伝ってあげる」と言ってくれた。優しさと成長ぶりに心を打たれ、「ありがとう、がんばる」と気付けば答えていた。
私が人から何か相談されたときなど、あれやこれやアドバイスをして、いつの間にか説教くさくなるけれど、「そばにいるから」って伝えてあげることが何より大切なのだと、小さな女の子に教えて貰った。あの時の言葉が、今の私の心の支えだ。
そして、送り火を見て東京へ戻ってきた。
今は10月からのbarでの短編台本を書きつつ稽古をしている。
「気楽に楽しくできれば」などと言いつつ、友人の山本麻貴さんと企画した機会だけど、気楽に楽しく芝居が作れたことなど一度もないことを、いつも書き始めてから思い出す。
いろいろ挑戦の場にしたいと思っていて、今回は初めてのSFでバカバカしい話。
だけど出演の深水さんや山本さんのセリフの説得力を聞いていると、この人達ならどんなセリフを書いてもなんとかしてもらえると思えるのです。
ステキな俳優さん達と、楽しんで作っています。