昨日の午後、名古屋で観た映画は「ある画家の数奇な運命」です。
現代美術界の巨匠ゲルハルト・リヒターをモデルにしているということで、
事実に基づいた物語なので観ることに。現代美術界の巨匠と言われても、
知らなかったりするんですけどね。半生を描いたのではなくモデルににしているというのは、
映画にするにあたって、本人から「映画の中で何が真実で何が創作かを明かさない」との条件を
つけられているからだ。どの部分かは本当で、どこかはフィクションという感じなのだ。
あらすじは、ドイツの激動の時代を生きた芸術家の半生を描いた人間ドラマ。ナチ党政権下のドイツ。
叔母の影響で幼い頃から芸術に親しむ日々を送っていたクルトは、終戦後に東ドイツの美術学校に進学し、
エリーと恋に落ちる。エリーの父親は、精神のバランスを崩して強制入院し、安楽死政策によって命を
奪われた叔母を死に追いやったナチ党の元高官だった。しかし、誰もそのことに気づかぬまま、2人は結婚する。
やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、エリーと⻄ドイツへ逃亡し、創作に没頭するが……。
3時間超えの長編だったが、意外にアッと言う間に終わった感じだった。色々な出来事が次々に起こるので
退屈させません。幼少期の叔母とのエピソードも強烈だった。またナチ政権下では、精神障害と判定されると
劣性遺伝を残さないように不妊手術させられるは、さらなる判定で安楽死って酷すぎる。しかし日本でも
戦争末期には口減らしで子どもや老人が殺されたりもした。けどナチの有性遺伝とかの政策は思想でも
あるので怖い。青年になった主人公が恋に落ちた相手が叔母の運命を決めた人間の娘とはね。
そんなことよりも主人公を気に入ってなかった父が娘が妊娠したことに対して、嘘の病気を伝えて
中絶手術を自らしてしまうところが信じがたい。しかしこれも彼がナチに心酔していたための劣性遺伝を
防ぐための処置なのだ。怖すぎる。娘さえ人として扱っていない所業である。また中絶すればクルトとの
恋はさめるだろうと思っいたからという身勝手にも程がある理由。こんなんが医者って怖い過ぎる。
それでもクルトとの愛は変わらなかったんだけどね。そんなクルトは東から西に移って色んなアートを
試すが教授にそれは君ではないと言われ悩む日々が来る。そして結局絵画に戻るがなかなか描けない。
あることをきっかけに一気に描き始める。幼き日の叔母との原体験が生かされるのだ。叔母が描かれた絵を
見た義父は口を出さなくなり、彼のアートは認められ、さらに子どもも授かることに。
これは、何処が本当で何処がフィクションなのかわからない。それほど話が綺麗に繋がっている。
小さなエピソードにフィクションはあるけど、話の大筋は全部本当なんじゃないのかと思ったり。
叔母の台詞で「真実から目をそらさないで」というのがあったり、主人公が写真を模写すして作品を作った
さいに「写真は真実を写すが絵画はそうではない」という趣旨の発言があったような気がする。
いったい何が真実なのか。そして真実とはいったい何なのか。考えさせらつつ、楽しめる映画。
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現代美術界の巨匠ゲルハルト・リヒターをモデルにしているということで、
事実に基づいた物語なので観ることに。現代美術界の巨匠と言われても、
知らなかったりするんですけどね。半生を描いたのではなくモデルににしているというのは、
映画にするにあたって、本人から「映画の中で何が真実で何が創作かを明かさない」との条件を
つけられているからだ。どの部分かは本当で、どこかはフィクションという感じなのだ。
あらすじは、ドイツの激動の時代を生きた芸術家の半生を描いた人間ドラマ。ナチ党政権下のドイツ。
叔母の影響で幼い頃から芸術に親しむ日々を送っていたクルトは、終戦後に東ドイツの美術学校に進学し、
エリーと恋に落ちる。エリーの父親は、精神のバランスを崩して強制入院し、安楽死政策によって命を
奪われた叔母を死に追いやったナチ党の元高官だった。しかし、誰もそのことに気づかぬまま、2人は結婚する。
やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、エリーと⻄ドイツへ逃亡し、創作に没頭するが……。
3時間超えの長編だったが、意外にアッと言う間に終わった感じだった。色々な出来事が次々に起こるので
退屈させません。幼少期の叔母とのエピソードも強烈だった。またナチ政権下では、精神障害と判定されると
劣性遺伝を残さないように不妊手術させられるは、さらなる判定で安楽死って酷すぎる。しかし日本でも
戦争末期には口減らしで子どもや老人が殺されたりもした。けどナチの有性遺伝とかの政策は思想でも
あるので怖い。青年になった主人公が恋に落ちた相手が叔母の運命を決めた人間の娘とはね。
そんなことよりも主人公を気に入ってなかった父が娘が妊娠したことに対して、嘘の病気を伝えて
中絶手術を自らしてしまうところが信じがたい。しかしこれも彼がナチに心酔していたための劣性遺伝を
防ぐための処置なのだ。怖すぎる。娘さえ人として扱っていない所業である。また中絶すればクルトとの
恋はさめるだろうと思っいたからという身勝手にも程がある理由。こんなんが医者って怖い過ぎる。
それでもクルトとの愛は変わらなかったんだけどね。そんなクルトは東から西に移って色んなアートを
試すが教授にそれは君ではないと言われ悩む日々が来る。そして結局絵画に戻るがなかなか描けない。
あることをきっかけに一気に描き始める。幼き日の叔母との原体験が生かされるのだ。叔母が描かれた絵を
見た義父は口を出さなくなり、彼のアートは認められ、さらに子どもも授かることに。
これは、何処が本当で何処がフィクションなのかわからない。それほど話が綺麗に繋がっている。
小さなエピソードにフィクションはあるけど、話の大筋は全部本当なんじゃないのかと思ったり。
叔母の台詞で「真実から目をそらさないで」というのがあったり、主人公が写真を模写すして作品を作った
さいに「写真は真実を写すが絵画はそうではない」という趣旨の発言があったような気がする。
いったい何が真実なのか。そして真実とはいったい何なのか。考えさせらつつ、楽しめる映画。
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