goo

ホルトノキ・7~陵南公園

 陵南公園に植栽されている「ホルトノキ」。ホルトノキ科ホルトノキ属の常緑高木で九州や四国など暖かい地域に分布している。その名前は“ポルトガルの樹”という意味だがポルトガル原産ではなく日本在来種。鹿児島では“モガシ(茂樫)”、沖縄では“タラシ”と呼ばれている。そもそも江戸時代末期に平賀源内が紀州湯浅でこの樹を見てポルトガルから渡来したオリーブと見間違えて名付けられた。花期は7~8月で横に穂状に伸びた花茎に直径1センチほどの花を下向きに咲かせる。
コメント ( 12 ) | Trackback ( )

ツノホコリ・1~大垂水峠

 南高尾“大垂水峠”付近の登山道で見掛けた白い物体。細いたくさんのツノが枯れ木に発生している。ツノの長さは2ミリほどで半球体のものがいくつもある。キノコ図鑑にもコケ図鑑にも見当たらず、お蔵入りかと思っていたがネット検索で偶然「ツノホコリ(角埃)」という名前を見つけた。キノコでもコケでもなくツノホコリ科ツノホコリ属で変形菌と原生粘菌の中間にあるグループとされている。
 変形菌や原生粘菌はキノコやカビなど菌類の仲間(真菌類)ではなくアメーバの仲間(アメーバ動物類)になる。生育環境や胞子を飛ばすという生態は菌類に似ているが分類学上は全くの別物で植物と動物の中間に位置している。アメーバの仲間は非常に小さく教科書に出てくるオオアメーバも大きいものでやっと1ミリでそれは顕微鏡の世界。しかし変形菌のライフサイクルで“変形体”と“子実体(しじつたい)”という2つの状態の時に肉眼で観察できる。変形体はアメーバのような姿でバクテリアなどの微生物を動き回って捕食しある程度大きくなると子実体へ姿を変えていく。子実体は胞子を飛ばすもので種によって変形体と子実体とは全く姿が異なる。
 さて変形菌は胞子が詰まった袋状の子嚢(しのう)を作るのが普通だが、写真のツノホコリの仲間は子嚢ではなく子実体の表面に短い“柄”を形成しその先に胞子を作る。こうした構造がキノコなど“担子菌類”が胞子を作る構造に似ているため、特にツノホコリの子実体については“担子体”と呼ばれる。また変形菌の子実体は通常は胞子が乾燥しているが、ツノホコリの仲間の担子体はゼラチン質で水分を含んでいる。
 ツノホコリは春から秋、特に梅雨明け頃に枯れ木などに発生するようだ。写真は急な登山道を汗をかきながら登っている途中で見掛けたのでいささかピンボケ。次の出会いの時はもっと慎重に撮ろう。
コメント ( 10 ) | Trackback ( )

タチツボスミレ・2~果実

 高尾山“4号路”で見掛けたスミレの果実。これは葉の形から「タチツボスミレ(立坪菫)」のようだ。地上茎が立ち上がり中ほどにギザギザの托葉があるので間違いない。これは春の開放花の果実ではなくその後作られる閉鎖花の果実だと思われる。タチツボスミレはスミレ科スミレ属の多年草。
コメント ( 2 ) | Trackback ( )