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ニワトコ・3~花外蜜腺

 ガマズミ科(←スイカズラ科)ニワトコ属の「ニワトコ(接骨木・庭常)」。本州以南の山野に生育する落葉小高木で春に直径3~5ミリの小さな花を多数咲かせる。中国では葉や根を骨折治療に用いる薬としたために“接骨木”と表記している。西洋では魔法使いが使うという樹でありハリーポッターが持つ杖もニワトコだった。
 ニワトコには葉柄の基部に“花外蜜腺”と呼ばれる器官がある。ここから蜜を出しアリを呼び寄せる戦略。『ニワトコの微細構造に関する研究(平田瑞絵 指導教官幸島司郎助教授)』では、ニワトコにはそれぞれ形状や分布の異なる3種類の花外蜜腺(小葉蜜腺、茎蜜腺、葉軸蜜腺)と3種類の毛状微細構造(柄付き腺点、毛状構造、針状構造)が存在することが初めて明らかになったと示されている。写真で基部から棒状のものが2本出ているのが蜜腺だろう。ここにアリが来るのを見てみたい。
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アズマイチゲ・3~早春

 キンポウゲ科イチリンソウ属の「アズマイチゲ(東一華)」。早春に高さ15~20センチの花茎の先端に直径3~4センチの白い花をひとつ付ける。花弁のように見えるのは萼片で花弁は無い。同属のキクザキイチゲに良く似ているが茎の中ほどにある3裂した特徴的な葉がポイント。これは中山地区の農家の畑の横に生えているものだが、近くを重機が通った跡が有り以前より株数が減っているように思える。
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カイノキ・1~葉痕

 ウルシ科カイノキ属の「カイノキ(楷樹)」。中国や東南アジア原産の落葉高木で孔子の墓に弟子の子貢がこのカイノキを植えたという。その後、中国では科挙(隋~清時代に行われた官僚登用試験)に合格した者にカイノキから作った笏(しゃく=正装の際に右手に持つ細長い板)を授けたことから、カイノキは“学問の木”とされている。徳川綱吉によって建てられた孔子廟“湯島聖堂”は、後に幕府直轄の学問所となり『日本の学校教育発祥の地』となったがそこにはカイノキが植えられている。
 ここは下柚木の“大学セミナーハウス”だが、このような教育関連や孔子に関連する施設にカイノキが植栽されることが多い。ちなみに文字の書体の“楷書”はカイノキの葉が対生で綺麗に揃っていること(偶数羽状複葉)に因んでいる。
 写真はカイノキの葉痕で維管束痕が点在し明確に顔のようには見えないが、しばらく見つめていると笑顔に見えてきた。
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