作者にとっては、戦時中の唯一といってもいい友人の話です。
作者は、この友人から文学への関心のきっかけをもらい、逆に友人には無頼の暮らしを教えます。
二人は、ガリ版雑誌の発行が問題視され、首謀者とみなされた作者は無期停学に、友人も謹慎処分を受けます。
それをきっかけに、作者は無頼の道に邁進しますが、復学して大学に進んだ友人とも親しく付き合います。
卒業後に、高校教師となって北海道へ行った友人は、その後大阪の新聞社に職を見つけ、結婚して子どももできます。
無頼のまま人生を送っていた作者には、友人のそうした小市民的安定をどうしても許せませんでした。
私は、この作品中の友人が通ったのと同じ大学に四半世紀後に入学したのですが、そのころでも児童文学のサークル内には無頼を気取った先輩たちがいました。
彼らは、留年を重ねた後で大学に追い出されるようにしてしぶしぶ社会へ出て行ったのですが、その際のあからさまな小市民的変化は、はたで見ていて気分のいいものではありませんでした。
作者は、この友人から文学への関心のきっかけをもらい、逆に友人には無頼の暮らしを教えます。
二人は、ガリ版雑誌の発行が問題視され、首謀者とみなされた作者は無期停学に、友人も謹慎処分を受けます。
それをきっかけに、作者は無頼の道に邁進しますが、復学して大学に進んだ友人とも親しく付き合います。
卒業後に、高校教師となって北海道へ行った友人は、その後大阪の新聞社に職を見つけ、結婚して子どももできます。
無頼のまま人生を送っていた作者には、友人のそうした小市民的安定をどうしても許せませんでした。
私は、この作品中の友人が通ったのと同じ大学に四半世紀後に入学したのですが、そのころでも児童文学のサークル内には無頼を気取った先輩たちがいました。
彼らは、留年を重ねた後で大学に追い出されるようにしてしぶしぶ社会へ出て行ったのですが、その際のあからさまな小市民的変化は、はたで見ていて気分のいいものではありませんでした。
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