現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ザ・ピーナッツバター・ファルコン

2021-03-10 15:18:13 | 映画

 2019年公開のアメリカ映画です。

 老人の養護施設になぜか収容されているダウン症の青年が、脱走してプロレスの養成学校を目指します。

 彼の面倒を見ていた看護師の女性が、彼を探して追跡します。

 一方で、しっかり者の兄を自分が原因の事故で亡くした漁師は、自暴自棄になって同業者の蟹籠を燃やして逃亡します。

 ダウン症の青年と漁師が出会い、一緒にプロレス養成学校を目指します。

 二人に追いついた看護師も、彼らに共鳴して旅に合流します。

 典型的なロードムービーで、気ままな旅も魅力的ですし、三人の人間関係の描き方も悪くありません。

 しかし、ラストの部分が、リアルなのかファンタジーなのかわからないような描き方(ダウン症の青年は、手作りのリングに上がり、巨漢の元プロレスラーを持ち上げてリングの外へ投げ捨てます。漁師は、そのリングサイドで追っ手の男にバールで頭を殴られます。その後、病院のシーンを挟んで、三人が車でフロリダを目指すところで終わります)なので、観客は曖昧な印象のまま、現実世界へ放り出されてしまいます。

 なお、ザ・ピーナッツバター・ファルコンという風変わりなタイトルは、ダウン症の青年のリング・ネームです。

 

 

 

 

 

 

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