2019年公開のアメリカ映画です。
老人の養護施設になぜか収容されているダウン症の青年が、脱走してプロレスの養成学校を目指します。
彼の面倒を見ていた看護師の女性が、彼を探して追跡します。
一方で、しっかり者の兄を自分が原因の事故で亡くした漁師は、自暴自棄になって同業者の蟹籠を燃やして逃亡します。
ダウン症の青年と漁師が出会い、一緒にプロレス養成学校を目指します。
二人に追いついた看護師も、彼らに共鳴して旅に合流します。
典型的なロードムービーで、気ままな旅も魅力的ですし、三人の人間関係の描き方も悪くありません。
しかし、ラストの部分が、リアルなのかファンタジーなのかわからないような描き方(ダウン症の青年は、手作りのリングに上がり、巨漢の元プロレスラーを持ち上げてリングの外へ投げ捨てます。漁師は、そのリングサイドで追っ手の男にバールで頭を殴られます。その後、病院のシーンを挟んで、三人が車でフロリダを目指すところで終わります)なので、観客は曖昧な印象のまま、現実世界へ放り出されてしまいます。
なお、ザ・ピーナッツバター・ファルコンという風変わりなタイトルは、ダウン症の青年のリング・ネームです。