主人公の小学生の女の子りんは、偶然出会った迷いインコを飼うことになります。
りんの周りには、次々に風変わりな人物が登場します。
いつも妄想を話す友だちの羊子。
出会った子どもの写真を撮りたがる自称プロの写真家の男。
アメリカからルーツを訪ねに来たと言いながら、実は洗剤を売ろうとしている日系人のおじいさんのミスター・カラキ。
インコの飼い主で学校を良くサボる守男。
迷子のインコは、物語の途中でリンに放たれて、早々に山に向かって飛んでいってしまいます。
しかし、不思議な登場人物たちは、いつまでもりんにまとわりつきます。
そう、彼らこそ、本当の「迷い鳥」なのでしょう。
最後まで、これらの「迷い鳥」たちが飛べるのかどうははっきりしないもやもやとした気分で作品は終わります。
この本が出た1994年は児童書出版のバブルがはじけたころですが、まだこんな純文学風の本が出版されていました。
迷い鳥とぶ (童話パラダイス) | |
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理論社 |