同じ著者の「はじめての認知療法」の記事でも紹介しましたが、うつや不安に対する療法として、薬物療法と同等以上の効果があり、薬物療法と併用することによってさらに効果が得られる「認知療法(認知行動療法)」を、医療機関やカウンセリング施設にかからずに、自分でマスターできる自習帳です。
現在では、認知療法は日本でも広く知られるようになり、同種の本もいろいろと出版されていますが、この本はそれ以前(2003年刊行)に出版された初めての自習帳です。
この本の各モジュール、ストレスに気づこう(ストレスチェック)、問題をはっきりさせよう(問題リスト)、バランスのよい考え方をしよう(コラム法)、問題を解決しよう(問題解決技法)、人間関係を改善しよう(アサーション)、スキーマに挑戦しよう(スキーマの改善)を順に自習してマスターできれば、読者の生活はかなり改善されます。
特に、コラム法と問題解決技法は、「うつや不安」に悩んでいない人にも有益で、仕事、家庭生活、勉強などに幅広く応用できます。
私自身も、これらの方法をマスターすることにより、問題解決能力を高められましたし、こうした問題を抱えた人の状況の改善を手助けすることもできました。
ただし、この分野は日進月歩なので、新しい本(同じ著者ならば「はじめての認知療法」(その記事を参照してください)など)も合わせて読むことをお勧めします。
特に、コラム法のシートは、問題解決技法と結びつけるために改善されています。