1990年代以降、児童文学には大きな変化が起きています。
作品から、文学性や社会性が失われ、女性を中心とした読者に対するエンターテインメントになっています。
しかし、そうした変化も、ゲーム(現在ではスマホゲームが中心です)やアニメやマンガ(かつてほどではありませんが)に比べれば、児童文学はごく小さなマーケットでじり貧傾向にあります。
そんな時に文学としての存在意義を考えると、再び作品に社会性を持たせることも一つの可能性だと思われます。
社会性といっても、かつてのような政治的なものではなく、もっと身近なテーマを描いてはどうでしょうか。
格差社会、少子化、高齢化、差別、ネグレクト、貧困、特殊詐欺、催眠商法、災害、感染症など、いろいろなテーマが考えられます。
それをリアリズムの手法で深刻に描かずに、ファンタジー、ミステリー、コメディといったエンターテインメントで培った手法で描けば、それらを子どもたちにも理解でき、先ほどあげたゲームなどの他のメディアとの差別化が図られるのではないでしょうか。
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