広瀬すず主演のアイドル映画です。
映画の系列でいえば、「スウィングガール」や「フラガール」の流れをくむものですが、出来は遠く及びません。
映画のストーリーそのものよりも、広瀬すずをいかに魅力的に見せるかに主眼が置かれているようです。
チアダンス部のメンバーや顧問の教師(天海祐季が演じています)それぞれに、チアダンス部に関わる動機のようものを与えているのですが、描き方が非常に表面的で浅く、「フラガール」の登場人物たちのような内的必然性はまるで感じられません。
また、メンバーたちが上達していく過程の描き方も、「スウィングガール」や「ウォーターボーイズ」のようなユーモアや工夫がまるでなく、なんで彼女たちがそんなにうまくなったのかまるでわかりません。
一応ダンス映画なので、本来ならばダンスシーンが迫力を持って描かれなければいけないのですが、国内大会は、初出場のまるで駄目だった時を除くと、出演前の掛け声(「元気に素直に美しく」で、明らかに宝塚の「清く正しく美しく」のパクリです)のシーンと結果発表のみで、踊るシーンはまったく省かれていて、ラストの全米大会だけはさすがに省けないので主要メンバー以外に踊れる人たちを入れて、なんとか描いていました。
勘ぐるに、低予算短期間撮影の映画なので、主要登場メンバーのダンスのトレーニングに時間を十分に取れない(特に主役の広瀬すずは非常に多忙なので、この映画のためにそんなに時間はさけないでしょう)ために、ボロが出ないようにうまくごまかしたのでしょう。
小説 チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話 (角川つばさ文庫) | |
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