現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

劇団座敷童子「泳ぐ機関車」

2019-02-14 08:34:45 | 演劇
 1950年代の九州の炭鉱を舞台に、山主の息子である8歳の少年の目を通して、炭鉱と山主一家の興亡を描いています。
 そういった点では、児童文学の世界に近い作品だと言えます。
 手作り感満載の舞台美術、出演者と観客とが一体になった小さな閉ざされた演劇空間、大げさなせりふ回し、長い独白など、70年代の小劇場ブームの雰囲気を濃厚に残した作品でした。
 こういった本当に芝居が好きな演者と観客が作り上げる舞台は、商業演劇全盛の現代では貴重な存在でしょう。
 こうした小劇場の舞台が、今の若い世代に受け入れられているとしたら、かつての小劇場ファンとしては非常にうれしいことです。
 商業化されていない小劇場の一番いい点は、一人の美人もイケメンも出演していないことです。
 いわゆるスターシステムの裏返しで、主役も脇役も普通のルックスの役者が演じているので、それだけで一定のリアリティが保障されます。
 あとは、純粋に脚本、演出、舞台美術、演技力だけの勝負になります。

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