現代児童文学のタブー(子どもの死、離婚、家出、性など)とされていたものを描いた先駆的な作品といわれています。
1969年に出版されたのですが、その前に坪田譲治が主宰した同人誌の「びわの実学校」に連載されていたので、60年代半ばの子どもたちを描いた物と思われます。
登場する子どもの死や家出以外にも、障害者、貧困、受験競争など、子どもたちを取り巻く様々な問題点を取り上げています。
シリアスな題材なのに少しも暗くならずに力強く描いている点が、特に優れた点です。
私の読んだ本は1992年で33刷ですから、読者にも長く支持されていたのだと思います。
しかし、売れ筋作品最優先の現在の出版状況では、このような作品を出版することは困難でしょう。
教室二〇五号 (少年少女小説傑作選) | |
クリエーター情報なし | |
実業之日本社 |