私の小さな庭の主役、ピエール・ド・ロンサールが散り始めてきました。
いよいよ、あの愛らしい姿も見納めかと思うと、この日まで頑張ってきた充実感とともに
寂しさを感じます。
一季咲のバラは、このあとは、殆ど葉っぱだけの状態になりますので
モチベーションをどこに持っていくか、熟練のロザリアンさんなら、既に来季の姿を見据えながら作業に励まれるのでしょうね。
神様、私にも未来を見通せる目を、お授けください。
数日前、ちょうどピークを迎えたピエールの傍に、怪しい人影を発見しました。
もしや!
レモンの木の陰から、恐る恐る近づくと・・・
初老の男性たちが、これまた立派な一眼レフで、近づく私に気が付くことなく
一心にピエールに向けてシャッターを切っているではありませんか!
いや、しかし!
花を撮っていると見せかけて、実は空き巣の下見なんてこともあると聞きますし
どのみち、このままにしてはおけないので、一声かけました。
***
結果、男性方は、カメラの愛好会(アマチュア)の方で、ちょうどそれぞれがテーマにしている
バラを探して、我が家のピエールに辿り着いたらしいです。
しかし、その経緯がというと、いつも通っている大船のフラワーセンターに行ってみるも
先日の台風による風雨で、随分とバラが傷んでしまっていたようです。
他のバラ園も同じようだったり、大丈夫でも見物客が多すぎて撮影が出来ず
途方に暮れていたところ、住まいの地域には、庭にバラを植えている家が多いという情報を得て
そして、我が家のピエールに・・・。
***
いや、良いのですけど、でも、やっぱり・・・
まあ、話してみて、そんなに悪い感じもしませんでしたし、声をかけたときも
最初にすみませんでしたと言って下さいましたし。
それでも、こういう経験はあまりないことなので、正直驚きました。
プロが持つような立派なカメラでしたし(ジェラルミン?のケースとか、久々に見ました)
コンテストだか、どこかに発表されるみたなので、もし賞でも受賞されたら、教えてもらえれば嬉しいです。
ああ、でもやっぱり先に一声掛けてもらいたかったです。
今日、横浜の友人たちと会うので、ピエールを切って持っていきました。
花の中心のピンク色は少し薄くなってきましたが、ボリュームは今が一番。
みな、喜んでくれました。
友人の一人から、
「どうしてバラを植えようと思ったの?」
と聞かれ・・・
即答はできず、どうしてなのかなと考えると、一番に思い浮かんだのは
家を建てるときによく見ていた写真集に、建てたい家の庭には、必ずバラがあったからでしょうか。
すみません、形から入る方なんです。
その中でも、つるバラが見せる景色によって、家が完成するというのでしょうか、
漠然としたものですが、家→庭→車→犬、これが揃うことで完成するような気がしたのです。
実際の我が家は、最後の犬の代わりにウサギですけれど。
(ピエールを選んだのは、ある本の中でピエールを紹介するページがあり、そこで「ときめいた」からです)
帰りの電車の中で、なぜこんなに園芸、特にバラに熱心になったのか考えていたのですが
気が付いたことは、庭が人の目にとまるからではと思いました。
今まで趣味はいくつか持っていますが、その中でも手芸は特に好きで、でも、そのほとんどが自家用です。
子供のスクールバックなども作りますが、あまり人の目に触れない、とまらないものです。
しかし庭は、道行く人の目にとまり、時には、嬉しい言葉をかけてもらうこともあります。
自己実現というのでしょうか、私は無意識にそれらを感じていたのでしょう。
達成感、満足感もそうです。
そんなこんなで写真撮影に関しては、私の中で、まだ人から、そこまで認められていると思っていなかったので
ちょっと躊躇したのもあります。