LA CAFFETTERIA DI RETROSCENA舞台裏カフェ

テノール芹澤佳通の日常系ブログ (・∀・)

とある声楽家の日常 その3

2019年07月13日 | クラシック音楽

声楽家という謎多き職種、その声帯・・・生態に迫るドキュメンタリー系ブログ!(・∀・)

 

何度かその舞台裏をお見せしてきましたが、今回もその謎に包まれた生態を明らかにしていく!!!

 

 

 

 

キーワードは・・・・D I Y




D・・・どこを目指して

I・・・いるのだろう

Y・・・よしみちくん

 

(・∀・)

 

 

 

今回ご紹介するのはこちら!

「切れないけど血が出るナイフ」

 

こちらのナイフ(小道具)は、先日のオペラ「外套」ハイライト公演のために、作製しました(`・ω・´)ゞ

以前作成した「風で火が消える燭台」(→ある声楽家の日常 その2)とは違い、加工に非常に骨が折れました(;´Д`)

 

まず用意したのはこちら↓

AUGYMERナイフ

色々とナイフを探したのですが、一番の問題は「開閉の仕様」!

ボタンを押せば刃が出る、いわゆる「飛び出しナイフ」というものは日本では規制対象で、国内への持ち込み及び販売は禁止されています。演技、演奏をしながらという状況では「なるべくシンプルな動作で使用可能」が望ましいのですが、こればっかりはどうしようもない。しかし調べていくと「フリップオープン」というタイプのナイフならスムーズかつ最小限のアクションでの刃の露出が可能という事がわかり、このタイプのナイフを購入しました(・∀・)

 

 

【開閉参考動画】

ナイフ フリップオープン CRKT ルガー R1703

 

この様に、指一本ですばやく刃が出ます!

 

本体が決まった後はギミックをどう組み込むか・・・

 

その加工・作製のために用意したのはこちちら!

 

 

これより手術を開始します・・・∩(・∀・)∩

 

 

工程①「銃刀法違反はダメ!刃を落とそう(・∀・)」

このナイフをそのまま所持して出歩くわけには行きませんし、そもそも切れるままでは小道具としては使えません(笑)

なのでその刃を落とします(`・ω・´)ゞ

まず砥石で少しずつ角度を付けながら研ぎ、鋭い刃を徐々に丸くしていきます。ある程度のところで(上の写真には載っていませんが)金槌で刃を正面から叩いて潰し、最後に鉄工用ヤスリでさらに削ることにより、最終的にティッシュすら切れない刃物(笑)が出来上がり( ´ ▽ ` )ノ

 

工程②「どうやって血糊を隠すか?さ~みんなで考えよう(・∀・)」

写真にあるこれ

 

これは何かと言うと、実験とか医療などに使用するスポイトです!

 

uxcell ピペット プラスチッククリア使い捨て0.5mL

 

ちょっと長いので、パイプの途中をカットして繋げたものがこちら

※既に血糊が入っている状態(本番後に撮影)

 

この黒いチューブは「風で火が消える燭台」を作製するときに購入した、熱収縮チューブです(・∀・)

 

 

短くカットしたスポイトの口を繋ぎ合わるのにはもってこいで、必要な長さにカットしてライターや工業用ドライヤーで煽るとキュッとなります。

ちなみに今回のために購入したどこの家庭にも1本はある「血糊」(笑)

 

工程③「血糊ボトルを本体に装着(・∀・)」

ナイフと血糊ボトルが出来たので、後はどうやって本体に装着させるか。。。

 

これも熱収縮チューブを利用

今度は熱を加えず、素の状態の特性「適度な硬さ、適度な弾力」を利用することに(・∀・)

ホットボンドで本体に接着完了

 

ボトルセット!

 

使用時の様子

 

血糊ボトルを装着している部分はステンレスであり、そのままでは血糊ボトルが目立ってしまうため黒いビニールテープで覆っています(・∀・)

 

【制作秘話】

実は最初の考えでは、もっと掌の中に血糊ボトルを設置する計画でした。(なので長いスポイトを用意してあったのです)

試作品を作り、何度か試してみたのですが「握るタイミング・強さ」を手のひらで微調整することは非常に難しく、そしてナイフを掴んだ拍子に誤って血糊が出てしまう恐れもあったため、最終的にこの様なギミックに収まりました。

しかしこのアイデア、思いついたのは本番当日の朝だったのです(笑)

前日までずーーーっと悩んでいたのですが、全然良いアイデアが浮かばず、「しょうがない・・・明日は切った振りだけして、血糊は止血帯に染み込ませるだけにしよう」と、諦めていたのですが、当日の朝、支度をしていたらふと「スポイトカットして親指で押せば良いんじゃね?」という選択肢が天から降ってきました!(おおげさ)

幸いにも会場入り時間は15時30分。家を出るまでまだ1時間あったため、急遽作業を再開し、自分で納得できる理想的な形で本番に使用することが出来ましたε-(´∀`*)ホッ

 

 

しかしながら、最大の課題は職務質問に遭遇せずに会場入りすることだったのは言うまでもない(・∀・)


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4 コメント

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Unknown (tomoko ♪)
2019-07-13 21:39:05
DIYって、そーゆー意味だったのか?(笑)

コツコツ製作した甲斐があって、当日に天から降ってきたアイデアで、見事に成功させましたね〜 (^^)v

切った動作の後に、血が滲むのをはっきりと見ましたよ ♪

次の芹澤製作所「手作りの逸品」に期待します!(笑)

あっ、公演情報にある熊猫座って何ですか?
ʕ•ᴥ•ʔ
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Re:Unknown (せりざわ)
2019-07-13 22:11:21
tomoko♪さん

DIYの新説、ここからはじまる!(笑)

うまく効果的に使用できてよかったです!
共演した羽山さんから「本当に切ったのかと思った」と言われましたw(リハーサル時に血糊は使わなかったので)

次の匠の逸品に乞うご期待!!!

熊猫座は、相山さん(熊)と斎藤さん(猫)ということらしいです(笑)僕もちょこっと歌います!というか受付スタッフとして働くのがメインで、歌は
「せっかく居るんだから歌う」程度のおまけです(笑)
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え~と (tori)
2019-07-14 10:23:12
まさにDIY…

やはり
やるかそこまで!
…という言葉しか浮かびませんでした。

そこまでやるのはこの方くらいであろう…
ほかの皆さんはどうしするのかしら、こういう時…???

という疑問しか浮かびませんでした、やはり。
返信する
Re:え~と (せりざわ)
2019-07-14 17:52:01
toriさん

やるなら徹底的に、出来るところまで妥協はしない性分なので(笑)

小道具が用意できなければ演出そのものを変更する、というのが一般的ですね。
ナイフを使用する場合は、手品用の引っ込むナイフを使用するのが主流ですが、至近距離だとバレバレなんですよね(笑)

バレバレなら使わないほうが良いし、使うならバレないのが良い!という変なこだわりです(笑)
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