LA CAFFETTERIA DI RETROSCENA舞台裏カフェ

テノール芹澤佳通の日常系ブログ (・∀・)

ラ・フォル・ジュルネTOKYO2023振り返り

2023年05月12日 | クラシック音楽

フランス発祥のクラシック音楽のフェス、「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2023」が5月4日~6日にかけて東京国際フォーラム、丸の内エリアにて開催されました( ・∀・)

 

僕は初日の丸ビル、マルキューブでの最終公演、岸本祐有乃指揮【ベートーヴェン歌劇「フィデリオ」(ハイライト)】にフロレスタン役にて出演させて頂きました。

オーケストラ:丸の内交響楽団 合唱:丸の内フェスティバルシンガーズ

ソリスト
左から 浪川佳代、小暮沙優、岸本祐有乃(指揮)、ワタクシ、平尾啓

 

会場となった丸ビルマルキューブには大勢の方が足を止めて鑑賞してくださり、その人数はなんと約2000人(以上?)とのこと!

舞台からの眺め

 

いや~下から上までたくさんの方々!

まさにフェス(祭り)って感じでした!

レオノーレ(フィデリオ)とフロレスタンの二重唱

リハーサル時の写真(外がまだ明るい)

 

そう

リハーサルから既に見られてたのです笑

ちなみに控室(というか空間)は背景パネルの後ろだったのですが、天井が無いため上から見られ放題でした笑

控室にて(上から光が差し込んでいるのがおわかりだろうか)

 

リハーサル後に楽譜のセッティングをする白い人、の図
(撮影:Laboratorio141代表)

さて、毎度本番前に色々とドラマチックなことを仕出かすことで一部界隈で有名な芹澤。

昨年のリサイタルでは直前に新型コロナに罹患、リサイタル当日が療養期間解除日という軌跡のカムバック。その状態でクレイジーなプログラム(決めたのは自分)を歌いきったことはある意味伝説。

そして今回、ラ・フォル・ジュルネに先だって開催された代沢芸術祭(4月30日)

代沢芸術祭の様子
演目は同じく「フィデリオ」

なんとその前日に突然声が出なくなりました(;・∀・)

 

ええ、

 

本当にこんなことあるんだぁ

 

って他人事の様に思える程度に全く声が出なくなりました笑
(いや、笑ってられなかったよ実際は)

 

で、不思議なことに原因が思い当たらない。

たまたま別の症状で4月26日にかかりつけの耳鼻咽喉科を受診しており、その際に声帯を診て頂いたときは何も異常はなく「うん、使い方が上手いんだね~特に何もなく綺麗だよ」とお墨付きを頂いたのに、その3日後突然声終了のお知らせ笑

 

~経緯~

4月29日(代沢芸術祭前日)の朝から少し喉に違和感を感じていたので、「調子の悪いときは黙ってるに限る」と一切声を出さずに生活していたのだが、夕方に「これ、なんかおかしくない???」と違和感が無視できない程度に主張し始める。

個人の感覚としては、左側の声帯が動かない、もしくは動きが悪い様な感じで、16時頃ようやく少し声を出してみる(軽く発声練習)

なんだか声帯の反応が悪い&声になるのがワンテンポ遅い、そしてそもそも声が変(;・∀・)

ここでかかりつけ医に連絡を入れるも、その日は祝日で先生は伊豆に笑

電話越しで症状を伝え、とりあえず出来る限りのことを実践する・・・

 

 

翌日、声戻らず(T_T)

 

話し声がそもそも「ひゅ~ひゅ~」息が漏れてしまうし、声帯は相変わらず止まった様な感じ。

で、声が出なければ歌えない

楽器のように取り替えは効かない

あまりに突然な出来事過ぎてパニックにはならなかったのが不幸中の幸い

ちなみに前日夜にTwitterに投稿したツイート

 

とりあえずその状態で自分に出来ること、最善の解決策を探してみた。

まず当日の状態

ドからシという、歌唱時最も使用するゾーンが出ない。

 

でもそれより上の音域(中音域~高音域)は出る。

 

周囲への迷惑、損害は最小限にしなければならない。

 

これを30日の代沢芸術祭当日、万が一の事態に備え、5/4(ラ・フォル・ジュルネ)での代役を探しつつ、マエストロと合唱団団長と相談し至った結論が

「フロレスタンのアリアをカット」

 

人生初の選択でした。

しかし無理やり歌ってひどい演奏をすればそれは演奏会全体の評価を下げることになり、同じ迷惑をかけるにしてもそれはより悪質な行為となる。

 

共演者のサポートもあり、アリア以外の二重唱、フィナーレのコンチェルタート(合唱、ソリスト全員での演奏)をなんとかこなし、「あ~これはもう明日は声無くなってるな」っと思いつつ翌日起きると

 

あれ?

 

昨日より声が出る(;・∀・)

 

なんでや・・・

 

と、何故か復活し始める我が声帯笑

 

もちろん直ぐにかかりつけ医のもとに行き、診療してもらうと「うん、上の方が少し腫れてるね・・・でもこの状態から昨日の状況(低音域、中音域が出ない)はちょっと考えづらいな~」と
(低音域、中音域を出すメカニズムを阻害する要因が声帯の映像からは確認できない)

 

結局原因も謎なら復活した理由も謎で、とりあえず大事を取って吸入と筋肉注射をして頂き、5/4は無事(?)マルキューブで魂の叫びを上げることができました笑

 

で、今回学んだ教訓は「声は突然出なくなることがある」ということと、「特殊なレパートリーは代役が見つからない」ということでした笑

 

そう、結局代役は見つからなかったのです笑

 

そりゃそうだよね、ロドルフォ(ラ・ボエーム)やネモリーノ(愛の妙薬)、アルフレード(椿姫)なら多くのテノールがレパートリーにしているけど、フロレスタンとか2月に急遽代役出演したタンホイザーとか、そもそも楽譜すら持ってないって人がほとんどだよね笑

 

芹澤、強く生きていこうと思います。


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