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映画「チルソクの夏」は永遠です♪

NHK『ラストデイズ』

2010-12-22 23:36:58 | 最近みたテレビドラマ
香川照之さんがナビゲーターとして故松田優作さんの足跡を訪ねるという番組でした。

優作さんのお話ももちろん「そうだったんだ」と思うことばかりだったのですが、それに照らし合わせて語られる香川さんご自身のお話も「そうだったんだ」と初めて知ることも多かったです。

優作さんの生家を訪ねたとき。そこで読書をして静かに過ごしていた優作さんの姿を想像し、大人になっても心の中にあった負い目のようなものに対しての思いをめぐらし。

香川さん自身も暗くて、友達も誰もいなくて、ずっと本当の自分を隠していたと告白されていました。

以前、「ぼくらの時代」というトーク番組で、やはり香川さんは「勉強さえしていれば大人は何も言わないから、ずっと勉強ばかりしていた」と、まるで東大に行ったことが『負』のことのように語られていました。

「お前はオレになる」と優作さんが香川さんに言われたのは、その『負』を感じられたからかもしれません。

優作さんの番組でしたが、私は香川さんの25歳のときに父親に会いにいったときにエピソードが一番心に残りました。

2歳のとき両親が離婚し、それ以来一度も父親に会ったことがなったこと。
でも25歳のとき、やっぱり会いに行こうと訪ねていったときのこと。
「2歳でお前と分かれてから、私は全く別の人生を歩いている」と言われ、父親の人生の中に、自分という子ともが「無い」ということを思い知らされたこと。
本当は梨園に生まれた男の子どもとして、歌舞伎を継承していかなければならない立場であったのに、それができないとう負い目。
自分の子どもに「どうして歌舞伎をやらないの?」と聞かれたとき、「おじいちゃんとおばあちゃんが離婚したから」とかそういう大人の理由を言ってもそれは理由にはならないということ。

優作さんも香川さんも、自分の理由ではなく、大人の理由で父親のいない子どもであったということ。

経済的理由などは違ったかもしれませんが、この二人は本当は同じなのかもしれない。

同じ天才の役者に違いない。

きっとこの番組を見た方は、私と同じ気持ちになられたのではないでしょうか?