
「人は人を救えないよ、関口君。僕は神や仏ではなく、人だ」
「しかし、神も仏も」
「そうだ。嘘っぱちだ。だから人は他人に騙されるか自分を騙すか、そうでなければ―――」
自分で自分の目で現実を見て自分の足でその場所に立つしかないんだと、私の友人はそう云った。
「傷の手当ては他人にも出来るさ。でも手当てをしたってそれで傷が治る訳じゃない。本当に傷を治すのは傷を受けた当人だ。当人の肉体だ。傷は自分で塞がるものなんだ。手当てと云うのは傷を治す手助けに過ぎないし、時に傷を受けるより痛いものだ。治るか治らないか、それは当人次第だ。そこは他人には手出しが出来ない処なんだよ。それは君が」
一番能く知っているだろう。
(京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』)
今更ですが、京極堂はいい男ですねー。。。
千鶴ちゃんは幸せものだなぁ。
でも、彼は新婚旅行先でまで本ばかり読んでいたそうですが。。。さすが世間の常識にとらわれないだけあります。
あらためて、関口君と京極堂の友人関係は本当にいいですね。
お互いがお互いをよく理解してて。一見京極堂が一方的に関口君に与えているようにみえるけど、彼も関口君からもらっているものが沢山あるのだと思います。で、そのことをお互いが分かってる。これに榎さんを加えた学生時代からの3人組のもつ空気は、すごく心地いい。
そして3人とも、世間からは変人と呼ばれているんですよね(笑)。