その日は雲をみていたい……
そよそよと去ってしまうものを
見送れるだけの私がほしい
さみしいとばかりはいえない
美しい刻
『まえぶれの刻』より(詩/青木景子)
外はもう夕暮れ
今日という一日が 静かに終わろうとしている
今朝までたしかにここで生きていた存在が一つ いなくなっても……
本当に今朝までは
今日も何も変わらない一日になると 疑いもしなかったのに
こんな一日になるなんて 誰が想像しただろう
君やあの子が 私に教えてくれる
同じ一日なんて 決してないのだと
私だって 彼だって 彼女だって
明日の夜 ここにいないかもしれない
だから世界は こんなにも儚くて 愛しいのだと
あの日 そして今日
君とあの子の この世界での最後の日が
こんな気持ちのいい春らしい日で 本当によかった
それだけが 本当にただそれだけが 私の救いなのです