自分が楽なことばかりだと、どうも人間は心から満足できないようです。人間は、ちょっと悲しいことや、不便なことが本当は好きです。物を与えられたり、決められた簡単なことだけをするより、自分で苦労して物を作ったり、迷ったりする方が断然喜びが大きいのです。
旅をすれば、そのことが本当によくわかります。自分とまったく異なる価値観の世界に入っていくのですから、何事も思うようにはいきません。やりきれないこともたくさんあります。でも、そうした経験をしたからという理由で、もう二度と旅に出ないと思う人はあまりいないのではないでしょうか。
旅先では多くの人や風景に出会いますが、その瞬間ごとに本当に出会っているのはもう一人の自分なのです。
狭い日本に閉じこもって、狭い部屋に閉じこもって、狭い自分の心に閉じこもって、自分とは何か、自分は何のために生きているのか、などと自問するばかりだと、いつまでも何もわからないし、何も見つかりません。
外の世界を見ずして、自分は見えてこない。だから自分に行き詰まったら、旅こそが最良の薬なのです。
(ユーラシア旅行社の宣伝コピーより抜粋)
写真は、アラスカ鉄道の車窓から。
壮大かつ美しいアラスカの秋です。