いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

選挙と政治4

2005年08月22日 19時36分53秒 | 社会全般
政治には、人々を幸せにする責任があると思う。そういう心積もりがなければ、昔のような一部の利益優先のオカシナ政治だけが続けられる。それを排除するのは、誰かがその異常さを見つけ出し、警告を発することであり、それに対して国民の審判を与えることである。また、多くの研究者達や学界の知恵のある人々が沢山いるのですから、実社会にそうした成果を活かせるように常に考えて欲しい。政府の委員とか審議会の委員とか、そういった所だけではなく他の専門家だってごまんといる訳で(例えば経済学者ですね、笑)、理論的に正しいかどうかをいつも考えて欲しいと思う。そうした叡智を集めなければ、いい解決方法なんて思い浮かばない。それに御用学者が都合のいい答えを用意していても、それを一般国民が看破するのは容易ではないですし。


農業だって、離農者が多くなっているし、かつての名人達の知識も経験も受け継がれないまま、それが廃れてしまうならば、非常に残念です。自民も民主も、農業についてのマニフェストが出ていますが、昔のような立派な農道や用水路をバカ高い金額で作ったりするのではなくて、もっと人々が幸せになれるような政策を考えていったらどうでしょうか。


私が農家の人だったら、精魂込めて農作物を生産して、それが豊作の為に値崩れしてしまい、出荷出来ない、などという事態が一番悲しいと思う。キャベツやレタスだって、畑のままブルドーザーで全部潰したりするのって、どんな気持ちか考えると胸が痛くなる。画廊に出品する為に一生懸命描いた絵が、「既に置くスペースが埋まってしまったので、悪いけど」と言われて、キャンバスをズタズタに裂かれ絵の価値を全て失うとしたら、私は次の絵を描くことを恐れるし、意欲も失うかもしれない。でも、農家の人達は耐えて、次の年もまた作物を作る。これは本当に大変なことなんです。これは無駄だからとか、経済原理がどうだの、価格調整がどうだの、とかいう生易しいものではないと思っています。


こういう現実があるのならば、世界には多くの貧しく飢餓で死んでいく人々がいるのですから、ただ基盤整備などといいながらも企業利益とか現地役人の不正とかにODAの金を流し込んだりせずに、工夫をすればよいではないですか。そのための科学であり、もの作り日本の技術じゃないですか。

仮にキャベツが出来すぎたら、価格調整の為に一定量の一括買い上げ(当然市場価格よりも安い値段であるが、全損よりはいい)にして、災害時緊急用食糧とか飢餓状態の国への援助とすればいいのではないかと思う。ナマ野菜はそのままでは保存できないのでしょうから、フリーズドライみたいな形で粉末状にするとか(インスタント味噌汁みたいな具の形のある状態にしてもいいけれど、コスト高になるかも)、そういう状態にするなら野菜スープの代わりになるのでは?貧乏な国は、小麦粉を水に溶かして飲む程度のところもあるのですから、野菜粉末のスープだって十分なごちそうです。大切な栄養源ではないですか。他の野菜とか、魚とかも工夫すれば、いくらでも粉末状やソーセージみたいな練り物状とか、出来るはずです。味なんか気にしないですから。向こうは生きるか死ぬかなんですから。そういう努力や工夫することなんて、多分難しくはないはずです。日本のインスタント食品の加工技術は優れているし、コンパクトにまとめることも、調理器具とかがない地域でも食べられるようにすることは、必ず出来るはずです。さんまが取れすぎたり、レタスや玉ねぎが豊作だったら、それらを全て使えるような方法を考えるべきです。


こういうのをやれば、農家や漁師さん達は、「取れすぎて棄てる」ということから開放されます。仕事の労力が全くの無駄になってしまうことを防げます。それに、加工する食品工場なども必要になる、運搬する物流の仕事も増える、海外へ輸送する船の仕事も増やせる、援助を受けた国には食糧がもたらされる、というふうに、皆が喜ぶじゃないですか。買い上げ費用は税金が必要ですが、従来変な農水補助金とかに回していた分と、ODA予算からとで賄える額とすればいいんですよ。食品工場にしたって、稼働率が保てる方向になるのですから、他の製品よりも安い金額で請け負ったとしても、大きく文句を言わないだろうと思う。採算割れとかになったりしなければ、きっと協力してくれるはずですよ。食糧を捨てるより、はるかにいいと思う。こういう政策こそ、内需拡大に繋がるし、多くの人に喜ばれるし、雇用も増やせる事業なのではないかな、と思う。輸送費用がそれでもかなり高くついてしまい、金を直接あげた方がいいと言われるのかな。でも、金を渡しても貧困国は食糧を買うところもないのではないかな。現物の食べられるものの形であげた方がいいと思うが。


また、企業は通常インセンティブが働けば、そういう風に努力してきます。なので、そういう企業努力を促進させる方向性をいくつか考えてみます。コンビニでは弁当やサンドイッチなど、時間切れになるとすぐさま捨てる部分が出てきます。破棄されるということは、過剰に生産し無駄が多く、ゴミを増やします。つまり環境にとっては悪い訳ですから、これに罰則的税を課すルールを作ります。また例で考えてみましょう。

仮に、あるコンビニ会社での年間破棄トン数が100トンとしましょう。「50トンを超えたらトン当たり1万円の税を課す」というルールをまずつくります。このままであれば、税が50万円ですね。そして、次に削減ボーナスとして、一定範囲の地域内食糧品(野菜や魚、その他食材等)で調達している場合には、域内調達量の半分のトン数を先の破棄トン数から引くことが出来る、というルールを与えます。すると、レタスやさんまやそば粉などを域内で60トン調達してるならば、オーバー分50トンから30トンを引いて20トンに対して税が課せられます。つまり先の50万円より安い20万円となります。この時に、税を払う方が企業にとって得であれば(域内調達価格がそれをはるかに超える不利な場合)50万円払いますが、域内調達で税を小さくしておけば有利となるなら、きっと税を逃れようと域内調達をある一定額まで買うことになります。こうして、①破棄されるゴミの量が減らせる、②地域の農水産品の消費が促進される、という効果が得られます。税収は増えるかどうかは判りませんが、こういうルールを作ることによって、わざわざ農業補助金を増額したりしなくとも、企業努力によって一定額までの買入促進が行われます。地域内に農水産品があまりないような(魚はあるね、多分)、例えば東京のような大都市は不利かもしれませんが、これはある意味地域コストということで環境に悪い地域としてそのコストを税として払って頂き、そうでない地域にそれを再配分するということになりますかね。


例示したのが、なぜ弁当やサンドイッチなどかというと、破棄すればパッケージなどにかかったエネルギーが無駄でかつ製造過程でCO2の排出量が多分増えているからです(環境にはマイナス)。ゴミ増加によっても処理コストが増加します。また、域内農水産品を削減ボーナスとするのは、材料となる食材を遠くから運搬してくるよりもトラックのガソリン消費や排出されるCO2が減らせるからです(環境にプラス)。ということで、マイナス面とプラス面の相殺をしながら、ある一定の税を賦課して、企業努力によって国内農水産品の消費拡大を図ってもらおうとするものです。このような方法ならば、海外製品を排除するような関税をかける必要もなく、国内産業保護的な公的資金投入も必要ないので、影響が少ないと思えるからです。上の数字はあくまで仮定ですから、本格的に導入を考慮するならば、こういう専門家達によく検討してもらって、環境にもよく、かつ国内農家や漁業の人々が人件費の安い海外品ともある程度競合可能な状態を考えてくべきです。


同じように輸入量が多い、規模の大きな外食産業やスーパー業界などにも食品破棄トン数に併せて処理コストの一部を税として課して、削減ボーナスとして国産品割合が多ければ破棄トン数から一部控除する形にしても、似たような効果が期待できます。中国産野菜ばかりとか輸入牛ばかりではなくて、国内産品を使うと一定の課税負担軽減となるならば、多分そういう方向へと進むだろうと思います。個人に課税することばかり考えるのではなく、皆が課税を逃れてしまい税収が全く入ってこないとしても、環境や国内一次産業へのプラス効果の方がはるかに期待できるのですから、このような課税強化=企業努力・インセンティブ期待型(そんな言葉が経営学的にあるのかどうか知りませんけれども、思いつかないので)も考えていくべきと思います。


「規制緩和」の意義については、官業として非効率に行われる部分は当然改められる必要がありますし、民間へ移行させるのは当然ですけれども、こうした「ルールを作る」ことは規制強化ですから、時代的には逆行していると思われるかもしれません。しかし、国のお金を沢山使わずとも、ルール制定で内需拡大が促進されることは、経済的にも政策的にも、必要だと思います。こういう工夫が、行政府には足りないし、経済産業界からも知恵を(金も・・・?)出さない。出来るだけ多くの人達が良い知恵を出し合って、皆ができるだけ暮らしやすくなるように努力するべきです。


カリスマ菓子作り元官僚今議員夫人とかを候補者に立てて、「食育を是非やってもらいたい」と小泉さんが言えば、「料理と政治は全く一緒。お茶でも飲みながら・・・」だと。こういう人が人々を救ってくれるのか?果たして子供達が食べ物を大切にしたりするように出来るのか?料理が得意な食に一家言ある人なら、農家や漁師を救ってくれるのか?

はっきり言って「お茶でも飲みながら」なんて状況じゃない人達から見れば、反吐が出る気分だろうな。でも、仕方がない、カリスマ主婦なんだそうだから。人気ある人には、敵わないんだから。かなりひがみが入ってきたな、最近(笑)。

私の方が、きっと色んなアイディアがあるんじゃないかと確信している。これってやっぱり自己満足に過ぎないんだよなー。現実世界で結果を出さないと。



ホリエモンに政策はあるか

2005年08月22日 14時02分23秒 | 社会全般
前の記事で、メディアは「政策などにインタビューしない」とかって書いてしまったのですが(言い訳ですが、昨日書いた部分でしたので)、今朝のフジ系の番組(何だったかな?ド忘れ。ごめん。小倉さんが司会の)に、ホリエモンと亀井さんが出ていました。亀井さんは、さすがにちょっと可哀想になってきましたね。テレビで言うことが全然説得的ではなくて、映像的にはどうしたって憎まれ役にしかなれない感じ。ですが、これも自ら蒔いた種ですから、止むを得ないでしょう。もっと話の論点を研究して、違った印象となるように戦術を考える方がましでしょうね。

ホリエモンの方は、ネット上の議論よろしく、「郵便局はなくなりませんよ」とか亀井さんに反論していて、まあ普通の答え。彼は少なくとも「郵政民営化」の仕組みについては、多少知恵をつけているんだろうと思った(ネット上でしか情報を拾っていないかも)。その後、単独でスタジオ側から質問されたのですが、彼が大きく動揺した感じを見せたのは、政治理念とか実現したい政策、取り組みたいことや出馬動機などについて聞かれた時だった。


観ていて感じたのは、やはりホリエモンには政治的な理想とか信念とかはない、ということだった。ブーム便乗の候補者に過ぎず、今回も売名行為に乗って自分の利益しか考えていないからだろうと思った。利用する方もする方だが、彼が万が一政治家になってしまうならば、私は日本の政治に対してなお一層の失望を感じると思います。スタジオ側は、いつになくいい問いかけをしましたね。ナイス!(死語?)


結構ぐちゃぐちゃ話していましたが、大まかに問答をまとめると、次の通り。

「どうして立候補しようと思ったのか」:これには「権力闘争に終始してしまうなら、嫌だなと」
「政治は誰の何の為にあると思いますか」:これには「人のためにある、人がうまく生活していけるように」
「郵政以外では、どんな政策を実現したいと思うか」:これには「お金の使い方を教育する」
「権力闘争は、今までのビジネスと同じではないか」:これには「全然違います、権力じゃないでしょ、下らない質問で答えたくない」


まず最初のつまずきは、どんな政策を実現したいと考えているかへの答え。ホリエモンは、元々特別な政治的関心もなかったし、理念など端から持ち合わせていない。彼が望んできたことは、自分がいかに成功し、大きなビジネスチャンスを創造し、時代の寵児となれるか、だけだ。うっかり「多くの国民が、株に投資してくれるようにしたい」と言いそうになったが、「色々な投資にお金を回して、豊かになっていけるように」とか言った。だが、彼の心の奥底のウソが見透かされたようで、スタジオ側にいて聞いていたコメンテーター達は、一気に引いたと思う。
「日本人は異常に貯蓄率が多くて、外国に比べても貯金と保険に半分以上使うという民族なので、そういうのも改めていってですね、国民のお金の使われ方が、年金にしたって自分の運用して欲しい方法がとれないし、社会保険庁のようなのとか、グリーンピアみたいなのとか、そういう使い方は良くないですし。きちんと国民を教育して、使い方を変えればよくなる」とか、支離滅裂なことを言っていた。


そんな年金運用の話は、去年の選挙前の話で、既に解決策はとられている訳だし、経済教育についても内閣府を中心にやることが決まっていて、ホリエモンが実現を頑張らなくてもいいことで、そういうことも知らないし、何も考えていない。彼は、単に「株式投資に回る国民の金を増やしたい、そして、自社株を買って欲しい、そして、株取引によって自社がより一層儲けたい」という個人的野心があるだけで、コメントの言葉の間から滲み出ていた。


おすぎだか、ピーコだか(どっちだったか忘れた)にさえ、「あなたのことを信用できなくなる」と言われて、かなりカチンときたことだろう。


ホリエモンが使う貯蓄率という言葉は、経済学用語として用いたのか、それとも単に「銀行や郵便局の預貯金」という意味で用いたのか、それは判らないが、おそらく経済学用語ではないだろう。彼は最初から政策など考えていないので、そんなことも当然知らない。確かに個人金融資産は多いでしょう。そして、株式や投資信託へ回されるリスクのある投資には外国に比べても比率は少ないのですが、家計の貯蓄率は低下しているのであり、これは高齢化要因によっても当然そうなる(仕事を引退して、年金や預貯金取り崩しによって生活する人の割合が増える)だろうし、収入減少によって家計の余裕が無くなればラチェット効果により貯蓄率減少要因となる(参考記事:長期停滞の先にあるもの)。従って、経済財政白書でも触れられていたように、家計の貯蓄率が減少し、このままのペースで進めば貯蓄率がマイナスとなる可能性さえ指摘されているのだ。そういうことも彼は考えたことはない。自分のネット証券会社の利益を生み出す個人投資家が「バンバン増えて、投資をしてくれればいい」(そして自社の証券会社を利用しろ)というレベルでしか、考えていないのであろう。そんな人物が掲げる、最も実現したい政策が「投資教育」というのも、どう見ても信用なんかできない。おすぎ(or ピーコ?)が言うのは尤もだと思った。さすが、だてに年をとっていないな(笑)。人間の言葉の奥にある、ウソとか取り繕いは、案外とバレるものだ。


そして、トドメの一撃が、「権力闘争~云々」に対して、自分の意見の矛盾を衝かれたと感じたホリエモンは、「あんまり下らない質問は止めてくださいよー、そんなの違うじゃないですか、答えたくないですね」と、その前に言われた自分への批判に加えて、もっと頭に来たようで、質問者に不満をぶつけていた。そこで、「ハイ、時間ですので。」
きっと、スタジオ側に打ち切り指示が出たのだろう。まあ、ホリエモンが大して何も考えず、「郵政民営化は賛成なんです」という一個の意見しかなく、それ以外は何も政策とか考えてないんだな、ということが明らかになったでしょう。この選挙区は、本当に色んな意味で大変だと思います。有権者は、誰かを選ばなければならないのですから。


選挙と政治3

2005年08月22日 11時56分41秒 | 社会全般
各議員達は、政治的目標を掲げてそれを政党のマニフェストに入れられるような準備をしておく必要があるだろう。ところが、全く何の政策目標も持たない連中を闇雲に増やすというのは、単なる人気投票に過ぎない。「カリスマ~」とか、「エリート~」とか、そういう枕詞が重要で、実際の政策の中身については誰もインタビューしたりしない。本当に実現しようと思う政策や政治理念があるならば、具体的に聞いてみることも必要なのではないか。国民の興味が薄い部分にこそ、多くの説明時間を割き、きちんとした判断材料として提示するのがメディアではないか。郵政民営化法案審議中には、郵政民営化の中身についての国民理解を得るような報道が殆どなかったのに、解散になってから自民党案がどうの、民主党案がどうのって、言ったって遅いんじゃないのかな。法案審議中から、本来検討すべきであったのに。


これから改革路線を止めることは有り得ないし、霞ヶ関が自民にも民主にもニュートラルになりつつあり、仮にどっちが政権担当となったとしても「官」がバッシングの象徴として攻め立てられることは間違いない。これも、今までの政官関係を清算する時を迎えたのだと思えば、私の所期の目的は達せられたと言えるだろう。ただ、とばっちりを受けるのは、まともな官僚たちとなってしまうだろう。怨嗟の対象としては、世間的に見れば「勝ち組」の代表格のような「エリート官僚」ですから、格好のはけ口とされるであろうことも予想できる。これはこれで可哀想って言うか、昨年の社保庁の如く、節分の「豆をぶつけられる鬼」役を、これからは「公務員」というだけで引き受けさせられてしまうのである。まあ、その原因を作ったのは自分達でありますから、ある意味自業自得ではありますけれども。こうなる前に、自ら変わろうとしなかったことが、このような種を蒔いたのかもしれません。


メディアは、先の「経済財政白書」に示された「大きな政府」「小さな政府」の内容については、中身に殆ど触れずに報道した。そもそも、国民の中に「大きな政府」「小さな政府」について、ある程度の理解が得られているとは考えられない。私もブログがなければ、全く考えた事もなかったし。だが、選挙戦略によって、キーワードとしては「郵政民営化」「小さな政府」「役人天国」「公務員改革」などが国民の目に(或いは耳に)飛び込むように設定されており、これで誤った理解をさせることも可能となっている。誘導方向を設定した、省庁の(若しくは竹中さんの?)「主張したいことだけ」を報道してしまったのでしょう。多分、あの中身について、通読したメディアの記者たちは殆どいなかったのではないのかな、と思いますね。


今まで実は私が書いてきた記事にも、似た部分が多いのだが。「政官業癒着構造」とか「政官業スクラム」とか、そういう表現で非難してきた結果(なのか判りませんけれども)、自民党も民主党もそれらをメインに据えてしまった。自分達への批判をかわせるしね。憎悪対象を自分達にさえしなければよい、という戦略でもあります。このような状況となったのは、私にも一部責任があったと言えるのでしょうか。私が書いた為でしょうか?違いますよね。それほど重大な影響を与えるとは思えないのですけれども。


民主党のように国家公務員給与2割カットを実行したら、省庁に人は残るでしょうか?官僚諸氏にとっては、非常に嫌な選択となってしまうでしょうけれども、どちらかと言えば自民案の方がまだ穏やかですかね。きっと、麻生親分がそうとう頑張ったんでしょうよ。「数値目標は入れるな、絶対に実行できない」って。確かに本省から2割も減らされたら、地獄だろう。官僚の頭数を減らすことがいいことなのだと、既に誤った認識が正当化されてしまった感があるからね・・・一端定着した先入観を覆すにはかなりの労力がいるしね・・・


財政再建策を考えるとして、大枠だけで借金総額を考えてみよう。国が約660兆円(財政融資資金特別会計国債約120兆円を借入金総額約780兆円から除いて)、政府債務保証約60兆円、地方が約200兆円、問題の財投先が約270兆円(資金総額では353兆円程度だが、うち現金3兆円・国債等債券80兆円くらいあるのでこれを除いて)。合計1190兆円。多少の誤差もあるから(きっと地方分はもっと増えているだろう)、だいたい1200兆円だ。通説で「国が1千兆円、地方が200兆円」というのは、概ね正しいのではないかな。


公務員人件費で考えると、国5:地方25:政府系機関10というのが大まかな配分だろう。なので、本省職員からいくら削ってみても大した効果はない。記事にも何度か書いてきたが、むしろ昨年の防衛大綱で陸自定員2万人削減とかの方がはるかに効果的。大体、放っておいたって、若い精強な男子の数が年々減っていくんだから(団塊ジュニア世代の半分近くに減る)、隊員数の定員確保の方がより大変になるに決まっている。29万人の自衛官のうち、陸自中心に2万人減ったとしてもそれほど急に困らないだろう。国民の多くは賛成するだろう。こういう削減プランに抵抗し続けた結果が、強硬な人件費削減圧力をもたらしたとも言えるかもしれない。国5のうちから10%減らすよりも、政府系5%減らす方が容易であり、地方2%削減の方がさらに容易であろう。つまりは、一律5%削減案を出した国の方から一律2割に従い更に減らすよりも、割合の大きな部分から段階的に削減し、トータルで実効性のある削減とする方が有利に決まっている。また、一律カットとかではなく、政府系機関の理事職等の無駄な高給取りから大きく削減し、平均給与の少ない平職員はカットを少なくするのも当然である(基本的には、業務内容を細かく検証して、必要なものだけ残して、残りは民間へ移行させるとか組織統廃合を進めて順次整理・清算していくことが必要だが)。


仮に、2千万円級の人員が100人いる(ポストが欲しいだけならば、名前は残せばよい。給与がべら棒に高い必要はない)なら、これを半分に減らせば10億円の削減が出来る。効果絶大。500万円の人々200人減らすよりも、雇用にとっても望ましい。それが受け入れられないなら、2千万円級の給与制度を止めて、理事職100人全員を1千万円とかそれ以下にすればよいだけである。これだけでも、500万円のヒラ公務員を200人増員できる効果があるのだぞ?人員削減で「大変だ、大変だ」と苦しみ、深夜残業の常態化を招くくらいならば、無駄に給料を食む連中を整理縮小するべきなのである。それが、公務員の一般職の人々を救済する道でもある。本省OBの為に残りの現役世代がみな苦しむくらいならば、この際悪因を断ち切って、本当に自分達の為になる公務員改革を考えるべきだ。単純に人数の問題ではない。同じ人件費10億円でも、その使われ方に問題が多すぎたのだ。何度も言うが、独立行政法人の理事職などの天下り先に、正体を隠したまま資金供給を続けた結果なのだから、現役職員の自分達が苦しむか天下った少数の連中の利益を削るのか、よく考えてみたまえ。

少なくとも直ちに実行できそうなのは、地方6%、政府系15%(高給取りが多いことが知られている、ラスパレイス指数も高い)カットで各1.5兆円、計3兆円が捻出できる。これを他へ回す。国家公務員は、郵政民営化と陸自定員減少で、自動的に削減される。


単に借金返済原資だけに回したとしても、とてつもない額の借金を返せる当てなどない。基本的には、1200兆円はほぼ返済不能だ。個人ならば、破産してるよ、間違いなく。だって、元金を毎年10兆円づつ返しても、120年もかかるんですよ!!(当然利払いは続けるが)長短借入の平均利払いが2%として(判りやすくするために簡単にすると)、毎年利払いだけで24兆円かかる(借金を減らすには、更に元金10兆円上乗せ、という規模で返済しなければならない。気が遠くなる・・・)。現状では、まず無理。利息を払いきれなければ、当然借入総額は増え続ける。民主党議員などが馬鹿なのは、「小泉さんになってから借入総額が増えた」ということを、鬼の首をとったように言うのだが、景気後退で税収が落ち、既に減税実施が決まっていたのだし、利払い予定は就任前から決定付けられている。この利払い予定を上回る収入増がなければ、当然総額は増えることが判っていたのだ。この状況に陥る前から、この時が来る事は既に予想出来ていた。98年くらいから「国家破綻」などが囁かれ始めていて、国の借金が500兆円を超えてこのままでは危険だ、とか、色々言われてたもんね。でも、GDP比ではまだ余裕があるから大丈夫さ、ということも言われていて、その後利払い出来ない為に雪だるま式に増えた。まさに多重債務者の陥る罠と同じ原理(笑)。返せないから、他から借りて返済する。でも元金は一向に減らないばかりか、金利負担ばかりが増大していく、というお決まり路線だな。大蔵も日銀も、政治家たちも無能であることを完璧に証明して見せた、ということだな。


年収400~450万円程度の人が、借金1億2千万円背負っていて、利払いが毎年240万円あればそりゃ苦しいわな。これをどうにかしてくれ、とか言ったって、まず、無理だろ。返せないだろ。自己破産しちゃって下さい、だろ、普通は。それか債権放棄してくれ、だろう。借金棒引き、無かった事にして下さい、って。よく大企業の再建策で、借金1千億円チャラ、とかあるでしょ。個人なら、そういう訳にはいかないけれど。国の借金も、適当にチャラにしてもらうしかないんじゃないのか、ってな具合です。


なので、確かに普通の返済プランをいくら考えても、元金1200兆円を返済していくというのは、まず無理だな。プライマリーバランスをゼロにするにしても、利払い費分だけ丸々収入増か、丸々支出削減だよ?今の国の歳出を半分近くまで落とせるか?命懸けで削減しても、財務省と他省庁が戦争なみに争っても、到底20兆円なんて削減出来ないだろう。それか、歳出を10兆円削減しながら、税収を14兆円増加させなければならない。今後歳出増大の見込みばかりだから、実質的には削減幅プラス増加分の合計額を削減するということになるので、もっと大変。特に医療費等の伸び率の大きい社会保障分を削るのは相当大変ですよ。

はっきり言って、日銀総裁とかの頭が良くて、賢く経済学についても精通している人に、「どうやって返済するんですか」って率直に聞いてみたい。

借金を返済することを考える前に、もっと別な政策を実行しない限り無理だ。例えば、「日本21世紀ビジョン」(参考記事:日本の将来像~人口減少社会(追記あり))が一部記述に盛り込んだ「インフレーション・ターゲティング政策」を実行してみる、とかですね。インフレ率を年率平均3%に設定するなら、だいたい25年後には借金の相対的価値が半分に減る。4%なら18年後くらいには半分に減る。借金のGDP比は自動的に半分に減ってくれるので、見かけ上はよくなる(笑)。マイルドに変化するように考えるならば、2~3%程度で3、40年かけて相対価値を半減させるしかないだろうと思う。


長くなってごめんなさい。一気に書かずに、中断しながら書き足してしまって・・・