デフレというものについて、経済無学の私が「無い頭」を使ってあれこれ考えてみた(
デフレ期待は何故形成されたのか・3)のだが、肝心の経済学徒たちからは何らの反論もない。要するに、一部経済学徒たちは野口悠紀雄氏の主張する「中国からの低価格輸入品」を馬鹿にして笑ってはいたが(私は氏の元々の主張が一体何なのかは知らないが。氏は郵政民営化反対論者だったので嫌いだし、笑)、「低価格輸入品はデフレ要因とはならない」という自分達の説をまともに説明していないのではないかと思うが。彼らは他人の間違いを指摘しているのだが、自分の説の証明を試みることはない、ということなのであろうか。こりゃ楽でいいわな。人の説を笑うだけでいいのだから。
以下は、
bewaadさんの記事を引用です。
中国発デフレ説の反証
言われてみれば当たり前の話なのですが、見落としていました。
442 名前:名無しさん [2006/01/14(土) 01:01:20]
「良いデフレ」「中国発デフレ」を唱えていた野口「『超』整理」悠紀雄氏なんかは昨年末の円安をどうとらえているのでしょう?
中国からの安い輸入品が一般物価水準全体を押し下げているなら、2割も円安になればたちまち日本の物価が跳ね上がってもよさそうに思うんですが。
「■経済・経済学板ロビー■」・レス442@経済・経済学掲示板
スワップとか為替予約でまだ輸入インフレ効果が出ていないだけだ、なんてお手軽な反論があるとすぐに外れるでしょうから吉なのですが。デフレ脱却は円安効果だ、なんていうお手軽な反論でも、じゃあ構造改革が必要だの100年デフレだのと言っていたこととの矛盾が現れて、これも吉ですね。
求む、反論(笑)!
私自身にとってはよく判らないながらも、一生懸命考えられる要因について記事に書いたのだが、経済学に詳しい人々であればもっと正確に答えが判るはずだろうと思ったけど。私は彼らほどよく経済学を知らないし。
仮説:「低価格輸入品(主として中国)はデフレ要因として影響がある」
とすると、
①円安になれば物価はすぐ上昇するはずだろ
②中国からの輸入が多い米国も(日本同様)デフレになるはずだろ
③中国から輸入してる国で日本以外にデフレになってないだろ
見かけた意見はこれら①~③があったのだが、これらを全て否定的と考える為に仮説が否定され、その結果「低価格輸入品はデフレ要因でない」という結論を出しているのだろうと勝手ながら推測した。そこで、デフレ発生自体は基本的に複合要因であること、
①については、別に最近でなくとも為替が円安となっていた時期はあり、為替変動の輸入価格上昇分はULCの低下等他の要因によって吸収されたのではないか、と書いた。
②については、耐久消費財の価格下落はあったが、医療・教育等のサービス価格の下落がないために米国ではCPI のマイナスとはなっていなかった、と書いた。
③については、台湾・シンガポール等日本以外にもデフレは見られた、と書いた。
結果としては、仮説は有効なのではないかと思って、これも記事に書いたのだが、野口(悠)氏を笑っていた人々が①~③の条件設定というか、未だ「低価格輸入品」が物価下落に対して無効であるとする論拠を示さないというのは一体全体どうしたことだろう。まさか野口氏に降参したってこと?(笑)
特に、①だね。元々これが発端だし。
「円安になれば輸入品価格は上昇するので、物価が上昇するはず」
しかし、過去の円安局面で
→「CPI がプラスに上昇してない」
→「従って低価格輸入品はデフレ要因でない」
こういう流れだろうと思うけど、この正しさをちゃんと説明すればいいのに。最初の「輸入価格上昇ならば、(販売)価格が上昇する」という仮定そのものが正しい(or常に成立する?)ことを示さないと、最後まで辿り着けないんではないかと思うけれど。少なくとも私は、この仮定は常に成立するとは思えないし、今までは輸入品価格が上昇しても、その上昇分が必ずしも販売価格に転嫁されるとは限らないことを書いた積もりだ。近頃ではその上昇を吸収してきた要因も限界になりつつあるのではないか、とも書いた。
だが、彼らは人のことを笑うだけ笑っておいて、自説に反論されても後は知らん、ですか。まあ、経済学に詳しい方々ですから、「笑うだけならコストがタダ」とかってことなのかもしれないけど(笑)。
人のことを”絶滅危惧種”とまで揶揄するのであれば、せめて自説の反論を打ち消す論拠くらいは出せるはずだと思うが。