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リジョインダーへの回答

2006年02月09日 22時17分04秒 | 経済関連
ちょっと用事が重なり、「どこか遠くに行きたい」(古!)ではありませんが、本当に遠くに逝っていましたので、書けませんでした。お詫び申し上げます。コメントに「ヘタレ経済学徒」さんから詳しく御説明を頂き、bewaad さんからもお返事を頂いたので記事に書いてみようと思います。

反論再び


まずは、このような不躾な噛み付き(笑)に対して、真摯にリジョインダーを頂いたことに御礼を申し上げます。昨年の人権擁護法案もの以来ですね。これは置いといて、元は素人なりの疑問ということに端を発しています。それは「円安になったら、輸入品の価格が上昇するのか」ということです。デフレに突入していく97年頃以降では、「必ずしも上昇していない」ということを私は支持しており、その理由は記事に書いています。


「円安になったら=輸入品の価格上昇」ということが言えないと、そもそも円安になったからと言ってデフレが解消出来るはず、というような推測には繋がらないのではなかろうか、と思いました。「2割も円安になればたちまち日本の物価が跳ね上がってもよさそうに思うんですが」という指摘は、違うのではないのか?と思ったのですね。


デフレという現象、状態を今は留保して、単に物価変動というもので考えてみます。一応CPI を指標として用いており、これで一般物価水準がとりあえずきちんと代表されていると考えるものとしましょう。90年以降四半期ごとで見ると(それ以前は調べておりませんので不明です)、ご指摘のあった円高期間と目されている期間では、92年以降は下降トレンドで(約4%超→約1%)、94年第3四半期からは1%を切り、95年の円高頃ではマイナスとなって、97年第1四半期までは一度も1%を超えていません。デフレ状態というのとは異なりますが、物価下落ということで見ればご指摘の期間には当てはまるように思います。これが円高の影響かどうかは不明ですが、少なくともドル円の最高値をつけた95年4月前後では「CPI はマイナスの期間があった」ということです。連続でマイナスにはなっていませんけれども。あと、上方バイアスの問題があると考える場合には、これもある意味「デフレ」と考える方もおられるかもしれません(その水準には色々と議論はあるかと思います)が。

デフレ期待は何故形成されたのか・2
(この記事中のリンク先グラフに90年以降のCPIが出ています)


為替変動の影響によって、これが物価に即反映されてるかどうかも不明ですけれども、一応92~97年初め頃までは為替の動きとやや似ています。物価の下落インパクトがどれくらいあったのか不明ですけれども。輸入品に関して一般企業の意見としてよく聞きがちなのは、「円高になれば消費者の価格値下げ圧力(期待)は強まる」(特に出典は示しませんが、一般によく聞くと思います)ということですね。これは価格設定側である企業の考え・立場を表していると思います。逆に円安局面では値上げするのが普通と(少なくとも上昇分を転嫁するのが経済学的な考え方?であれば一般的かと)思いますが、何故か「消費者に値上げを受け入れてもらうのが中々難しい」という風に考えるのだろう、と思います。これがいつ頃からそういう傾向になってきたのか、ということは不明ですが。これは為替変動ばかりではなく、商品相場の影響での価格変動などもちょっと似ていて、その上昇分は消費者物価に反映されているかと言うと、必ずしもそうではないと考えています。


他の国のデフレ要因というものに、どういう意味があるのかよくわかりません。詳しくご回答下さっていますが、私には難し過ぎるので(笑)。ただ、米国や他の国々の話というのは、日本でも同じように考えられるものなのだろうか、と疑問に思います。デフレ要因は必ずしも同じではないのではと私は考えたので、(仮にAという要因で)「日本がデフレになるなら、米国でもなるはず」と言うことは出来ないのではないかな、と思いました。「米国がデフレになってないじゃないか」という理由を述べるウラにはどういった理屈があるのかな?と。(Aという要因で)「日本ではデフレになってしまったが、米国はならなかった」、ということがあっても不思議でも何でもないようには思えますが。

米国での輸入物価の影響度というのは知らないですが、もしも米国の輸入品以外の財が値下がりしているのであれば、それは何故なのかな、と不思議です。安い輸入品以外の国産品もたくさんあるはずでしょうし、そういう他の財価格が上昇すれば財全体での下落というのはないはずではないかな、と。「輸入品以外の物価が上昇するから~云々」ということであれば、輸入競合品以外の財が値下がりする経済学的意味がわかりません。そういう意図で書きました。日本とCPI のとり方も異なっているから、一概には比較出来ないのかもしれませんけれど。


輸入品価格の低下が「デフレ」の決定的な要因とは私も考えていません。しかし、「米国ではデフレにならなかった」=「日本のデフレはAという要因は違う」と考える理由というものが、結局よく判らないのです。