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コメントへの回答とか…

2007年10月09日 20時23分10秒 | 社会全般
議論の最中に割り込むようで恐縮ですけれども、管理人の考えを書いておきます。

ななしさんのご意見はこれまでにも似たようなものがありましたので、判らないではありません。しかし、それに同意する必要性は全く感じられませんけれども。他の記事にもコメントを書いておられますが、まとめてここに書いておきますのでご了承下さい。

・団信について

本文中の参考記事に書いているように、住宅ローンの団信について誰も止めろとは反対していないわけで、なぜ貸金業界の団信だけがこれほど大問題とされてしまうのか?それは、実態として問題があるから、ということになってしまうでしょう。貸し手がみな健全であり、住宅ローンの団信くらいの話であれば、誰も反対なぞしないのですよ。

貸金の借り手は十分多い人数であると言えるでしょう。名寄せした正確な数というのは未だに不明ですが、少なくとも1000万人規模はいるでしょう。同じく住宅ローンの利用者も数十万人とか数百万人規模で存在しているでしょう。どちらにも団信はありましたね。この2つの集団で比較した場合に、死亡するリスクというのがどうなっているだろうか、ということを考えます。保険という制度を考えると、保険料>支払分となっていなければ保険は成り立ちません。私は保険には詳しくないので、正確ではない部分があると思いますが、普通に考えられる程度に書いてみます。

①貸金利用者の方が20~30代の割合が高いので、住宅ローン債務者(但し貸金併用者を除く、以下同じ)の方が平均年齢は高いだろう。よって、両集団の年齢層の違いによる死亡リスクは住宅ローン債務者の方が高い層であることが予想される(日本全体で見れば年齢階層に応じて死亡リスクは上がっていくので)。

②一人平均債務額を比べると、住宅ローン債務者の方が債務額は大きく、貸金利用者の債務額は住宅ローンに比べると少ないだろう。基本的に保険料は債務額に比例していると考えられるので、一人平均保険料は住宅ローンの方が多分大きいであろう。

③残るは同じ年齢階層で比較した場合の死亡するリスクがどうなるか、ということがある。職業属性のような違いというのが有り得るかもしれない。けれども、集団の規模が数百万人とか1千万人を超えるのであれば、その影響というのは多分小さくなるであろう。すると、同じ年齢階層の人の死亡する割合がほぼ同じであれば、例えば40代1万人を住宅ローン債務者と貸金利用者の集団から抽出してくると、ほぼ同じ人数だけ死亡しているということになる。であれば、若年層の割合がかなり多い貸金利用者という集団の死亡する割合は、住宅ローン債務者よりも少なくなるだろう。

以上から、貸金利用者において「日本全体の平均的死亡リスクと同程度」の死亡リスクであるなら、保険料率は住宅ローンの団信よりも低く設定可能であると思われる。それは若年層割合が高い分だけ死亡するリスクが小さいので、支払われる保険金が少ないはずだからである。すると、保険料率は住宅ローンの団信よりも小さくできるはずで、逆に保険料率が高いとすれば、保険会社が儲けすぎているか、死亡するリスクが高い(=支払保険金が多い)かであろう。
報道や金融庁資料などからの推定しかできないのであるが、恐らく保険料率は住宅ローンの団信よりも高く設定されているだろう。本来的には年齢層の違いで死亡リスクの小さい集団であれば、同じ債務額1万円当たりで比較しても保険料率は低くなってもいいはずだ。しかし、そうはなっていない。これはどういうことかといえば、住宅ローン債務者に比し貸金利用者は同じ年齢層であっても死亡するリスクが高い、ということを意味するだろう。数百万人規模の集団の比較で、何故そのようなことが起こってしまうのか?

追い込まれて自殺したりするから、だろうと思う。

更に、大手5社とそれ以外の貸金業者の保険金受取の比較をする(例えば1万口座当たりで)と、大手以外が多い。大手以外の利用者100万人と大手利用者100万人で死亡リスクが異なる集団である、という理由は何があるのであろうか?大手よりも大手以外に多重債務者の割合が高く、自殺者の出ている割合も高いであろう、と私は推測している。保険は実質的に回収の一つの手段になっているのであり、保有財産が殆どなく死亡するのであれば相続財産などないので貸倒になるだけだが、保険があることによって取立てで追い込んで死亡したとしても、貸し手には保険金が手に入ることになるので、取立てを緩和するインセンティブにはならない。貸し倒れるくらいなら、保険金を受取る方が有利だからだ。だが死亡時の不利益が貸し手に及ぶとなれば(貸倒になることが多いので)、取立て行為の抑制効果をもたらすかもしれない。

相続人の為などという意見は見せ掛けだけに過ぎないことが多く、多重債務者の殆どは相続財産など持っていない。そんなものがあれば、返済に回されている。それに、これまでの払込保険料よりも死亡時貸倒額が少なければ貸し手の得になるのだから、悪い話とばかりは言えまい。団信を止めると言い出したのは大手貸金だ。それは保険料を払ってまで回収しても、大してメリットなどないからだろう。

住宅ローンの団信は債務者が負担し、貸金の団信は業者が保険料を負担している、というのも、ただの言い方の違いだけだ。貸金業者が負担しているというのは、そのコストは貸出金利に確実に上乗せされているのであり、業者が善意で自分の懐から金を出しているわけではない。単に、利用者全体で払っているだけ。借入額の少ない人は、多重債務者の保険料も一緒に負担してあげている、ということになっているかもしれない。貸金で借りられなければ、新たな事業さえも取り組むチャンスがない、などという理屈も通用しないでしょう。新たな事業であればこそ、軌道に乗るまでの収入が厳しい可能性があるのだから、初期の資金調達とそのコストに関しては、できるだけ低く抑えておくのは当たり前。他に調達手段が一切ないのであるとすれば、それは杜撰な事業計画という可能性の方が高い。早晩破綻する確率の高いプロジェクトに過ぎない、ということ。売上増が高い確率で見込める事業でなければ、貸金から初期資金を調達して取り組む必要性などない。大体、そんなウマイ商売があるのであれば、キャッシュリッチな企業や投資家などがたくさん存在するので、即座にその事業に参入してくるでしょう。そこで競争力があるとすれば、相当優位性のある事業しかない。

資金需要者のことを思って上限金利規制に反対する、というのも、殆どは該当しないだろう。資金需要者のことを本当に思うのであれば、はじめから貸金なんぞに借入せず、公的融資制度を利用するべき。所得の低い人ほど、低金利で調達するのが望ましい。借りたい人がいるから貸せばよい、という議論は、前提そのものがおかしい。行動に問題があれば、金利には無関係に貸すことが解決にはならない。


・最高裁判決について

たった一つの事案で「みなし弁済」が認められなくなったから、それが水戸黄門の印籠になったと?
一体何を言っているのかと思います。法的判断はあなたが判断することにはなってないのですよ。最高裁判決というのは、それだけの意味を持つものです。みなし弁済は法的要件を満たしている場合に”のみ”有効なのであって、あなたが「みなし弁済」と呼ぶものと最高裁が「みなし弁済」と認めるものには開きがある、ということでしょうね。法的判断を最高裁よりもあなた方の判断を重視するという社会であった場合、どうなるか考えてみればよいでしょう。社会秩序は保てないでしょう。
いくらあなたが合法だった、と強弁してみたところで、社会のルールはそうはなっていない。最高裁の判断は、最高裁であるがゆえの正統性がある。けれども、貸金業者たちや業者の顧問弁護士あたりがいくらこれまでは合法だった、などと言ってみたところで、正統性など認められるわけないでしょう。

一般道で時速80kmで走行して、「みんな80kmで走っている、これまではいつも80kmで走ってこれたのだから合法だ」など言ってみたところで、そんな理屈は通用しないでしょう。制限速度が60kmなら、当然違法と判断されるのです。みなし弁済の法的要件を満たしている場合にのみ、利息制限法の上限を超えても出資法に反しなければ違法ではない、ということは昔から同じです。貸金業者の認可は利息制限法を超えても違法としない、などというお墨付きを与えるものではありません。どこの誰がそんなことを言いました?

最高裁判決は、昔から利息制限法を超える金利が(出資法以下なら)合法だなどと言ってないし、利息制限法に関する判決をいくつも出しているんですよ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3%E9%87%91%E5%88%A9

あなたがたった一つの事案で印籠となった、などという評価を下してみたところで、法的判断には何らの効力も有しないでしょう。大体、あなたが言うように都銀地銀等が相手にもしてくれないような借入先に困っている債務者が、「自由な意思で、任意に」利息制限法の上限を超えてまで、あなた方にわざわざ贈与する為に利息を払うなんてことがありますか?(笑)そんな人は実在せんのですよ。1円でも惜しい、苦しいという人たちが、あえて上限を超過してまで払う意味なんてないんですよ。
つまりは、実質的に潜脱が継続されてきたのであって、それは借金という法支配の及び難い領域であったが故でしょう。昔は、必要悪とされていた部分もあったのかもしれません。しかし、貸し手は一部上場企業となり、合法マーケットとなってきたにも関わらず、上場企業が軒並み潜脱をいつまでも継続し、「破産者」を大量に生み出しているというのを「必要悪だから」などと言って許されると思いますか?自主的に改めよう、ということが自分たちで出来てこなかったのだから、厳しい法規制が及ぶのもやむを得ないのですよ。大企業の貸し手ですらそうだったのですからね。それを最高裁に文句を言うのは筋違いというものです。速度違反で切符を切られた人の月並みな言い分みたいなものです。

出資法上限でなければ誰も貸し手なんていない、業としてやる意味がない、というような貸し手はマーケットから出ていけばいいんですよ。誰も「貸し手になってくれ」なんて頼んでもいませんし(笑)。40.004%から今の上限に引き下げられた時にも、借りたい人が借りられなくなる、貸し手はいなくなる、業としてやる意味がない、ということだったのでは?まあ、貸し手は未だに多数存在しておりますので、いくらか消えても別にいいでしょうね。ああ、日経新聞なんかに昨年出ていたと思いますけれども、外資系の資金を引き揚げるぞ、ファンド資金の流れも変えてやる、とか、貸金なんてやってられないから日本から撤退する、とか、言ってた。ええ、どうぞ、日本から出て行って頂いて結構ですけど>外資系貸金。
私からのアドバイスとしては、法規制の厳しい日本でなんてわざわざ営業せんでも、上限のない貸金天国のイギリス(笑)にでも参入すればいいんですよ(裁判所に暴利的と認定されて再契約締結か?)。どうぞ、どうぞ、ご自由に。上限のない市場があるのに、何で日本みたいな上限規制の厳しい国に来て、つべこべ文句を並べてまで営業するの?頭が悪いね、はっきり言って。隣の韓国だって、上限は日本よりもずっと高いのですから、韓国で営業したらいいんだよ。世界中の何処にでも、日本よりも規制の緩い国とか、上限の高い国とか、いっぱいあるんだからさ、そういうところに出て行けよ。平均的に100%以上の金利の国とか、いっぱいあるんだからさ。そういうところに出かけて行って、出店攻勢を全世界でやればいいんじゃないの?日本でやる必要なんてないんだって。外資系の連中というのは、そんな簡単なことが判らんのかね(笑)。散々文句言って日本の法律を変えさせる努力をする前に、他所で営業すればロビーも何もいらないじゃないの。頼みもしないのに日本に来て営業してるだけなのにね。

またヘンな例で申し訳ないですが、こんな話だね。
商店街に出店したいと言って新規出店していた「アメちゃん屋」という店があった。
「アメちゃん屋」の店主は言った。
この商店街にアーケードがあるのはオカシイ、他の商店街にアーケードがないところがあるってのに、どうして外さないんだ、アーケード付けたままならオレは商店街を出て行くぜ。

そうですか。
ええ、どうぞ。ご自由に。
としか言いようがない。
アーケードが嫌いなら、それがない商店街に行って営業すればいいだけの話です。
後からやって来た「アメちゃん屋」の店主に、アーケードがカッコ悪いだの、アーケード付けてるやつらはバカばっかだの、アーケード取り壊さないのはファシスト商店街だの、文句を言われてまで営業して欲しいとも思わないね。いくらでもアーケードのない場所があるんだから、そこでやれと思いますよね。

「アメちゃん屋」の店主のいう、アーケードを取り壊さねばならない理由というのが賛同を得られなかったのは自分のせいなのにね。