民主党は当時の担当者を告発すると息巻いているが、自分たちには何の責任もないと思っているようだ。
東京新聞告知と謝罪を 菅氏が薬害肝炎で舛添厚労相に政治TOKYO Web
昨日テレビで報道されていたと思うが、担当者に刑事罰を与えて問題が解決に向かうとでも思っているのか。末端職員に全ての責任を押し付けて、国会議員たちは知らぬ存ぜぬで通そうということか?
asahicom:厚労省「製薬会社が患者把握」と前から認識 薬害肝炎 - 健康
(記事より一部引用)
同社は厚労省の命令を受けて、02年に血液製剤フィブリノゲンを投与した後に肝炎を発症した例を調べ、投与時期などを記した418人のリストを厚労省に報告したが、個人情報や医療機関名は明かさなかった。厚労省も追加報告を求めたり、患者への告知を指示したりする、などの対応を取らなかった。 しかし、同省によると、同社が医療機関から副作用情報を収集した際の書類には「住所」「氏名」欄があり、個人情報を把握している可能性が高いと、当時の厚労省も認識していたという。 薬害C型肝炎訴訟の原告には、投与の事実を告知されないまま肝硬変に進行した女性もいる。 元厚相の菅直人・民主党代表代行は会合で「薬害エイズと同じで、隠していたのではないか」と厚労省を強く批判した。
◇◇◇
エイズ問題の時に、当時の菅厚生大臣が謝罪して男を上げたと思っていたが、今回の件では逆なんじゃないか?あなたに責任がないとでも言う積もりなのか?「担当者を告発すべきだ」とかぬかしてたヤツは誰だ?是非とも名乗り出てくれ。
いいですか、87年の発覚以降に国会議員さんだった方々、特に厚生労働委員とかになっていた方々は、全員名簿を公表せよ。当たり前だろ?それくらい。行政のチェックをする立場にあったのは、国会議員たちだろ。これも年金問題と似ているのだが、いつでも「知りえる立場にあった」のに、その努力義務を怠り長年に渡って問題を長引かせてきた一因は、国会議員たちの無能・怠慢だ。
問題となっているC型肝炎訴訟の原因薬剤というのは、「フィブリノゲン製剤」と「血液凝固因子製剤」の両方だ。この調査なんてはるか昔から行われてきたんじゃないか。
参考までに歴代厚生(労働)大臣を書いておく。
・87年以降~自民党下野まで
藤本孝雄―小泉純一郎―戸井田三郎―津島雄二―下条進一郎―山下徳夫―丹羽雄哉(93年8月まで)
・ここから細川内閣以後の大臣
大内啓伍―井出正一―森井忠良―菅直人(96年11月まで)
青森県の感染が表面化して問題となった87年当時、まず調査が行われた。この時の調査では80年~87年までの資料しかなく、80(S55)年以前の資料というのは製薬会社にはなかったらしい。
HIV問題の時に、いくつか調査が行われた。で、菅大臣就任後では、H8(96)年7月31日に第2次報告が公表されていた。第8・9因子製剤の調査結果で、非血友病患者に関する報告であった。
960731 非加熱血液凝固因子製剤非血友病HIV感染調査NO1
つまり、95~96年の時期に厚生大臣だった人たちは、こうした「凝固因子(血液)製剤に関する調査」の直接の指揮監督責任者であったというべきである。まさか末端の官僚諸君が独断で事務を遂行していたわけでもあるまい?
肝炎訴訟でも問題とされたクリスマシンに関する調査も当然含まれていた。こうした報告は大臣が「いつでも見ることが可能であった」にも関わらずそれを行わなかったことは、問題ではないのか?もっと詳しい調査指示を行わなかったことは責任を問われずともよいのか?問題を放置していなかったと言えるのか?
問題が表面化したのは87年で、その時点でも調査が行われた。厚生省に報告が上がってきたのは、90年代に入る以前の話だ、ということ。それら情報について厚生大臣が見ることができなかった、部下に命令しても情報はないとして隠蔽された、ということであるなら、そうした指示・命令を出していたということを証明して欲しいね。大臣の命に反して、厚生官僚たちが調査結果を隠蔽していた、ということを大臣経験者が立証してみなさい。いくらでも実態調査や官僚を追及するチャンスはあったのではないか?
更に問題なのは、C型肝炎に関する02年調査結果を隠蔽していた、とか言ってるのだが、それは国会議員たちが放置してきた、怠慢の結果なのではないのか?
例えば、こうした詳細な資料は公開されているようですけど。
命令書(厚生労働省発医薬第166号)別紙2に対するご報告
この中では「62年調査」が報告済みであることが記載されている(以下、引用)。
『昭和62年5月の厚生省薬務局安全課・監視指導課・生物製剤課(いずれも当時)の指導に基づき、昭和62年6月のフィブリノゲンHT-ミドリの発売時期から平成4年末までの6年間にわたって、肝炎の発生状況の調査が行われている。この調査は肝炎が現実に発生していた時期に行われていること、及び本剤の投与が行われた段階で症例を把握して6ヵ月間追跡したプロスペクティブな調査であったことから、肝炎発生率の推定に有用な資料と考え、新たにデータ入力を行って解析した。なお、昭和62年から平成4年までの調査のうち、調査初期の結果は昭和62年11月5日、昭和63年4月5日及び同年5月6日付でそれぞれ報告済みである。』
これは報道資料であり、広く公開されていたはずである。なのに、この報告を放置していたのは議員たちばかりではなく、マスメディアもそうだったんじゃないのか?みんな同罪なんじゃないのか?陰謀論の好きな議員とか報道関係者たちが日本には大勢いるらしい。
匿名にはなっているが、症例報告の25例は詳細情報が一覧になっている。これら追跡情報を集めたのが例の418例なのではないのか?
また、この報告は01年5月18日であるので、肝炎訴訟に関する雑考~1に挙げた02年8月の報告書までは、1年以上の期間があった。この間にいくらでも大臣や国会議員たちが検討することも、命令・指示することも可能だったのではないのか?放置していたのは、製薬会社とか担当官僚とかばかりではないだろ。
民主党議員たちにお尋ねしたいことがあるのだが、頭が悪いようなので訊いてみたところで多分無駄であろうな。まあいい。書いてみる。
厚生労働省は製薬会社から情報をもらった。それは命令を発して報告せよ、と言ったからだ。ならば、製薬会社はどこから情報を得たのであろうか?それは医療機関にアンケート調査を行って、そこから情報を集めた。
ここで製薬会社はフィブリノゲン製剤等の投与を受けた人が、肝炎を発症若しくはウイルスキャリアとなったことをどうやって知るのだろう?投与した患者さんたちの検査とか診断を製薬会社が行ったのであろうか?否であろう。医療機関の医師たちが検査・診断しているであろう。
じゃあ、医師たちはどのようにして患者たちの肝炎を知り得たのであろうか?無断で検査したりとか?こっそり患者の家に忍び込んで情報を獲得するのか?(笑)陰謀みたいに、極秘調査でもするか?違うであろう。大抵は、患者に自覚症状が出て検査とか、別な疾病の治療や継続的に治療していたりするので、それら病院の受診機会の中で偶然スクリーニングに引っ掛かったとか、そういうことが多いのではなかろうか。
これはどういうことかといえば、多くの場合には医療機関において、肝炎症状が明らかとなっていたか、患者に検査する旨を伝えてHCV抗体検査なんかを行っていた、ということなのではないのか?このような医師―患者間の情報提供については、全てが厚生労働省官僚の責任ではあるまいに。そこで何も患者に告知していないとすれば、個々の医療機関(医師)の問題なのであって、製薬会社や官僚が悪かったわけではないだろう。
そもそも、418例というのは「肝炎患者リスト」なのであるから、それは既に医療機関において「肝炎であることが確認された」例なのではないか。ならば、殆どの方々は「知っている」確率の方が高く、もし知らないとしてもそれは検査した医療機関の情報提供に問題があった、ということなのでしょう。
一番難しいのは、フィブリノゲン製剤の投与歴があって、その後に一度も検査がなく、長期間判明していない症例の方だろう。どこのフォローにもかかってこなければ、肝機能障害や肝硬変などが出現してきている可能性はあるだろう。
あと、輸血例では肝炎発生率が高いのは予想通りであり、これは製剤に原因があったと推定するのはかなり難しいよ。症例一覧の25例をみると、非輸血例は判明分だけだと4例しかない。9例は先天性無フィブリノゲン血症なので、回避は困難だろう。フィブリン糊でも感染例があるが、製剤が感染源かどうかは判らない。恐らく輸血例だろうと思うが、製剤の感染リスクよりも輸血によるリスクの方がはるかに問題なのだ、ということ(更に文献的に見れば、無症状で抗体陽性となる例は、肝炎症状出現例に比べるとそれほど多いわけでもない)。
要するに、製薬会社や厚生労働省が把握していたとされる418例というのは、
◎医療機関でHCV陽性(または肝炎症状)ということが判明している症例
なのであり、感染が顕在化している、ということだ。
すなわち多くの場合に患者本人が感染を知っている可能性が高く、「本人に告知してなかったのは犯罪であり、担当者を刑事告発すべきだ!」みたいな過激な要求が出てくるというのは、国会議員たち自らの責任を隠蔽する為か、過剰な「薬害&被害者権利」を煽動する為の口実に過ぎないのではないのか。
フィブリン糊の推定感染率は約0.5%、静注用フィブリノゲン製剤では約4.7%となっており、この数字が大きいか小さいか、というのは評価が分かれるところであろう。勿論実数として小さいと言っているのではない。更に、非輸血例はもっと限定的であって、輸血による肝炎発生の可能性がより疑われるとしたら、これよりも感染リスクは小さいと考えられるだろう。
合併症がゼロであれば、それが一番望ましいのであるが、ある水準で合併症もしくは副作用が発生し得ることは考慮するべきなのではないか。いくら厚生労働省担当者を責めてみたところで、彼らが何かあくどいマネをした結果感染したのではない。
隠蔽していた、という単純な批判もウソだ。報道発表資料なんじゃないか。マスメディアが伝えなかった(それとも上手く伝えられなかった)責任が問われずに済むというのは、何故なのであろうか。こんな大事なことを見過ごしていたのではないのか。いくつもの手掛かりは公開されてきたし、それを知りえる立場にあった議員たちや、非自民政権も含む厚生大臣たちにこそ最大の責任があるのではないのか。自らが何もやってもこなかったクセに、吊るし上げる時ばかりは大威張りの連中が多すぎて辟易するぜ。
東京新聞告知と謝罪を 菅氏が薬害肝炎で舛添厚労相に政治TOKYO Web
昨日テレビで報道されていたと思うが、担当者に刑事罰を与えて問題が解決に向かうとでも思っているのか。末端職員に全ての責任を押し付けて、国会議員たちは知らぬ存ぜぬで通そうということか?
asahicom:厚労省「製薬会社が患者把握」と前から認識 薬害肝炎 - 健康
(記事より一部引用)
同社は厚労省の命令を受けて、02年に血液製剤フィブリノゲンを投与した後に肝炎を発症した例を調べ、投与時期などを記した418人のリストを厚労省に報告したが、個人情報や医療機関名は明かさなかった。厚労省も追加報告を求めたり、患者への告知を指示したりする、などの対応を取らなかった。 しかし、同省によると、同社が医療機関から副作用情報を収集した際の書類には「住所」「氏名」欄があり、個人情報を把握している可能性が高いと、当時の厚労省も認識していたという。 薬害C型肝炎訴訟の原告には、投与の事実を告知されないまま肝硬変に進行した女性もいる。 元厚相の菅直人・民主党代表代行は会合で「薬害エイズと同じで、隠していたのではないか」と厚労省を強く批判した。
◇◇◇
エイズ問題の時に、当時の菅厚生大臣が謝罪して男を上げたと思っていたが、今回の件では逆なんじゃないか?あなたに責任がないとでも言う積もりなのか?「担当者を告発すべきだ」とかぬかしてたヤツは誰だ?是非とも名乗り出てくれ。
いいですか、87年の発覚以降に国会議員さんだった方々、特に厚生労働委員とかになっていた方々は、全員名簿を公表せよ。当たり前だろ?それくらい。行政のチェックをする立場にあったのは、国会議員たちだろ。これも年金問題と似ているのだが、いつでも「知りえる立場にあった」のに、その努力義務を怠り長年に渡って問題を長引かせてきた一因は、国会議員たちの無能・怠慢だ。
問題となっているC型肝炎訴訟の原因薬剤というのは、「フィブリノゲン製剤」と「血液凝固因子製剤」の両方だ。この調査なんてはるか昔から行われてきたんじゃないか。
参考までに歴代厚生(労働)大臣を書いておく。
・87年以降~自民党下野まで
藤本孝雄―小泉純一郎―戸井田三郎―津島雄二―下条進一郎―山下徳夫―丹羽雄哉(93年8月まで)
・ここから細川内閣以後の大臣
大内啓伍―井出正一―森井忠良―菅直人(96年11月まで)
青森県の感染が表面化して問題となった87年当時、まず調査が行われた。この時の調査では80年~87年までの資料しかなく、80(S55)年以前の資料というのは製薬会社にはなかったらしい。
HIV問題の時に、いくつか調査が行われた。で、菅大臣就任後では、H8(96)年7月31日に第2次報告が公表されていた。第8・9因子製剤の調査結果で、非血友病患者に関する報告であった。
960731 非加熱血液凝固因子製剤非血友病HIV感染調査NO1
つまり、95~96年の時期に厚生大臣だった人たちは、こうした「凝固因子(血液)製剤に関する調査」の直接の指揮監督責任者であったというべきである。まさか末端の官僚諸君が独断で事務を遂行していたわけでもあるまい?
肝炎訴訟でも問題とされたクリスマシンに関する調査も当然含まれていた。こうした報告は大臣が「いつでも見ることが可能であった」にも関わらずそれを行わなかったことは、問題ではないのか?もっと詳しい調査指示を行わなかったことは責任を問われずともよいのか?問題を放置していなかったと言えるのか?
問題が表面化したのは87年で、その時点でも調査が行われた。厚生省に報告が上がってきたのは、90年代に入る以前の話だ、ということ。それら情報について厚生大臣が見ることができなかった、部下に命令しても情報はないとして隠蔽された、ということであるなら、そうした指示・命令を出していたということを証明して欲しいね。大臣の命に反して、厚生官僚たちが調査結果を隠蔽していた、ということを大臣経験者が立証してみなさい。いくらでも実態調査や官僚を追及するチャンスはあったのではないか?
更に問題なのは、C型肝炎に関する02年調査結果を隠蔽していた、とか言ってるのだが、それは国会議員たちが放置してきた、怠慢の結果なのではないのか?
例えば、こうした詳細な資料は公開されているようですけど。
命令書(厚生労働省発医薬第166号)別紙2に対するご報告
この中では「62年調査」が報告済みであることが記載されている(以下、引用)。
『昭和62年5月の厚生省薬務局安全課・監視指導課・生物製剤課(いずれも当時)の指導に基づき、昭和62年6月のフィブリノゲンHT-ミドリの発売時期から平成4年末までの6年間にわたって、肝炎の発生状況の調査が行われている。この調査は肝炎が現実に発生していた時期に行われていること、及び本剤の投与が行われた段階で症例を把握して6ヵ月間追跡したプロスペクティブな調査であったことから、肝炎発生率の推定に有用な資料と考え、新たにデータ入力を行って解析した。なお、昭和62年から平成4年までの調査のうち、調査初期の結果は昭和62年11月5日、昭和63年4月5日及び同年5月6日付でそれぞれ報告済みである。』
これは報道資料であり、広く公開されていたはずである。なのに、この報告を放置していたのは議員たちばかりではなく、マスメディアもそうだったんじゃないのか?みんな同罪なんじゃないのか?陰謀論の好きな議員とか報道関係者たちが日本には大勢いるらしい。
匿名にはなっているが、症例報告の25例は詳細情報が一覧になっている。これら追跡情報を集めたのが例の418例なのではないのか?
また、この報告は01年5月18日であるので、肝炎訴訟に関する雑考~1に挙げた02年8月の報告書までは、1年以上の期間があった。この間にいくらでも大臣や国会議員たちが検討することも、命令・指示することも可能だったのではないのか?放置していたのは、製薬会社とか担当官僚とかばかりではないだろ。
民主党議員たちにお尋ねしたいことがあるのだが、頭が悪いようなので訊いてみたところで多分無駄であろうな。まあいい。書いてみる。
厚生労働省は製薬会社から情報をもらった。それは命令を発して報告せよ、と言ったからだ。ならば、製薬会社はどこから情報を得たのであろうか?それは医療機関にアンケート調査を行って、そこから情報を集めた。
ここで製薬会社はフィブリノゲン製剤等の投与を受けた人が、肝炎を発症若しくはウイルスキャリアとなったことをどうやって知るのだろう?投与した患者さんたちの検査とか診断を製薬会社が行ったのであろうか?否であろう。医療機関の医師たちが検査・診断しているであろう。
じゃあ、医師たちはどのようにして患者たちの肝炎を知り得たのであろうか?無断で検査したりとか?こっそり患者の家に忍び込んで情報を獲得するのか?(笑)陰謀みたいに、極秘調査でもするか?違うであろう。大抵は、患者に自覚症状が出て検査とか、別な疾病の治療や継続的に治療していたりするので、それら病院の受診機会の中で偶然スクリーニングに引っ掛かったとか、そういうことが多いのではなかろうか。
これはどういうことかといえば、多くの場合には医療機関において、肝炎症状が明らかとなっていたか、患者に検査する旨を伝えてHCV抗体検査なんかを行っていた、ということなのではないのか?このような医師―患者間の情報提供については、全てが厚生労働省官僚の責任ではあるまいに。そこで何も患者に告知していないとすれば、個々の医療機関(医師)の問題なのであって、製薬会社や官僚が悪かったわけではないだろう。
そもそも、418例というのは「肝炎患者リスト」なのであるから、それは既に医療機関において「肝炎であることが確認された」例なのではないか。ならば、殆どの方々は「知っている」確率の方が高く、もし知らないとしてもそれは検査した医療機関の情報提供に問題があった、ということなのでしょう。
一番難しいのは、フィブリノゲン製剤の投与歴があって、その後に一度も検査がなく、長期間判明していない症例の方だろう。どこのフォローにもかかってこなければ、肝機能障害や肝硬変などが出現してきている可能性はあるだろう。
あと、輸血例では肝炎発生率が高いのは予想通りであり、これは製剤に原因があったと推定するのはかなり難しいよ。症例一覧の25例をみると、非輸血例は判明分だけだと4例しかない。9例は先天性無フィブリノゲン血症なので、回避は困難だろう。フィブリン糊でも感染例があるが、製剤が感染源かどうかは判らない。恐らく輸血例だろうと思うが、製剤の感染リスクよりも輸血によるリスクの方がはるかに問題なのだ、ということ(更に文献的に見れば、無症状で抗体陽性となる例は、肝炎症状出現例に比べるとそれほど多いわけでもない)。
要するに、製薬会社や厚生労働省が把握していたとされる418例というのは、
◎医療機関でHCV陽性(または肝炎症状)ということが判明している症例
なのであり、感染が顕在化している、ということだ。
すなわち多くの場合に患者本人が感染を知っている可能性が高く、「本人に告知してなかったのは犯罪であり、担当者を刑事告発すべきだ!」みたいな過激な要求が出てくるというのは、国会議員たち自らの責任を隠蔽する為か、過剰な「薬害&被害者権利」を煽動する為の口実に過ぎないのではないのか。
フィブリン糊の推定感染率は約0.5%、静注用フィブリノゲン製剤では約4.7%となっており、この数字が大きいか小さいか、というのは評価が分かれるところであろう。勿論実数として小さいと言っているのではない。更に、非輸血例はもっと限定的であって、輸血による肝炎発生の可能性がより疑われるとしたら、これよりも感染リスクは小さいと考えられるだろう。
合併症がゼロであれば、それが一番望ましいのであるが、ある水準で合併症もしくは副作用が発生し得ることは考慮するべきなのではないか。いくら厚生労働省担当者を責めてみたところで、彼らが何かあくどいマネをした結果感染したのではない。
隠蔽していた、という単純な批判もウソだ。報道発表資料なんじゃないか。マスメディアが伝えなかった(それとも上手く伝えられなかった)責任が問われずに済むというのは、何故なのであろうか。こんな大事なことを見過ごしていたのではないのか。いくつもの手掛かりは公開されてきたし、それを知りえる立場にあった議員たちや、非自民政権も含む厚生大臣たちにこそ最大の責任があるのではないのか。自らが何もやってもこなかったクセに、吊るし上げる時ばかりは大威張りの連中が多すぎて辟易するぜ。