いかに日本が遅れているか、負けているか、ということを窺い知るには十分であろう。こんなにも日米格差が…。
まず日本の場合。
asahicom: 人間の皮膚から万能細胞 京大教授ら、再生医療へ前進 - サイエンス
人の皮膚細胞などに複数の遺伝子を組み込み、各種の組織のもとになる万能細胞(人工多能性幹細胞=iPS細胞)をつくることに、京都大・再生医科学研究所の山中伸弥教授らが成功した。21日、米科学誌セル(電子版)に発表する。米ウィスコンシン大も同日、米科学誌サイエンス(電子版)に同様の成果を発表する。人間の体細胞から万能細胞ができたことで、臓器や組織を補う再生医療が現実味を帯びてきた。
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素晴らしい研究成果だと思うのだが、日本では単に「ニュースになっただけ」ということ。それ以上ではない。ま、しょうがないんだけど。
一方、大学教育も科学研究も政治的な部分では日本の「百万歩」先を行く米国ではどうだったか。報道されたのは同じだが、すかさず世界に向けてアピール。
BizPlus 知財・総務:米政府、「皮膚から万能細胞」研究支援を表明
米ホワイトハウスのペリーノ大統領報道官は20日、ヒトの皮膚の細胞を使って、体の様々な組織に育つ「万能細胞」を作る研究が成功したことを受け「ブッシュ大統領は倫理に沿った研究の前進を非常に喜んでいる」との声明を発表した。米政府として支援も約束した。バイオ研究の先頭を走る米国が本腰を入れれば、臓器などの再生医療が進みそうだ。
大統領はヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使った研究に反対しており、研究を連邦予算で補助する法案に拒否権を2度も発動し、廃案に追い込んでいる。皮膚を使った万能細胞は京都大学やウィスコンシン大学が成功。大統領はES細胞と異なり、受精卵を壊さなくても済む点を評価、即座に支持を打ち出した。
議会でも共和党の保守派として知られるブラウンバック上院議員が「魅力的な打開策」と歓迎するなど新たな研究に支持が広がりつつある。(ワシントン=藤井一明)
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どうだろうか。
大統領が直々に「非常に喜んでいる」とコメントしてるんですよ。皮膚細胞だということも評価する、と。で、「即座に支援を約束しましょう」と宣言しているんですよ。政府としてバックアップしましょう、予算も勿論付けますよ、と。
どうです?
保守派上院議員なんかも歓迎や支持を公表するのだから、もう競争のスタートラインに立つ前に負けてるようなもんですよ、日本は。こういう話題が、政治家の口から決して出てこない。ブッシュ大統領の談話みたいに、首相が「素晴らしい研究成果だ、これからどんどんバックアップしていきますよ」みたいな公式発表もないわけですよ。これじゃ勝てんわな、と、そういうことですわ。
万事そういうこと。
共同研究であっても、「オレたちがやったんだ、オレたちの成果なんだ」ということを必ず確保している。大統領という発言の影響力、注目度なんかを最大限に活用してるんですよ。これは正しい。どこぞの無名のオッサンが「素晴らしい!」と発表しても誰も注目しないけど、大統領が言った、ということは全世界に伝えられるからね。こういう所にも、情報戦略のうまさがあると思うよ。日本はまだまだ遠く及ばない。
せめて、日本の首脳クラスや高官とか政治家なんかの公式発表として、「~の研究成果は素晴らしい。政府を挙げて支援する。」くらいは言って欲しいものです。
ま、そういう水準にある国なら、もっと研究投資や教育投資に金を使うに決まっているのかもしれませんが(笑)。
まず日本の場合。
asahicom: 人間の皮膚から万能細胞 京大教授ら、再生医療へ前進 - サイエンス
人の皮膚細胞などに複数の遺伝子を組み込み、各種の組織のもとになる万能細胞(人工多能性幹細胞=iPS細胞)をつくることに、京都大・再生医科学研究所の山中伸弥教授らが成功した。21日、米科学誌セル(電子版)に発表する。米ウィスコンシン大も同日、米科学誌サイエンス(電子版)に同様の成果を発表する。人間の体細胞から万能細胞ができたことで、臓器や組織を補う再生医療が現実味を帯びてきた。
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素晴らしい研究成果だと思うのだが、日本では単に「ニュースになっただけ」ということ。それ以上ではない。ま、しょうがないんだけど。
一方、大学教育も科学研究も政治的な部分では日本の「百万歩」先を行く米国ではどうだったか。報道されたのは同じだが、すかさず世界に向けてアピール。
BizPlus 知財・総務:米政府、「皮膚から万能細胞」研究支援を表明
米ホワイトハウスのペリーノ大統領報道官は20日、ヒトの皮膚の細胞を使って、体の様々な組織に育つ「万能細胞」を作る研究が成功したことを受け「ブッシュ大統領は倫理に沿った研究の前進を非常に喜んでいる」との声明を発表した。米政府として支援も約束した。バイオ研究の先頭を走る米国が本腰を入れれば、臓器などの再生医療が進みそうだ。
大統領はヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使った研究に反対しており、研究を連邦予算で補助する法案に拒否権を2度も発動し、廃案に追い込んでいる。皮膚を使った万能細胞は京都大学やウィスコンシン大学が成功。大統領はES細胞と異なり、受精卵を壊さなくても済む点を評価、即座に支持を打ち出した。
議会でも共和党の保守派として知られるブラウンバック上院議員が「魅力的な打開策」と歓迎するなど新たな研究に支持が広がりつつある。(ワシントン=藤井一明)
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どうだろうか。
大統領が直々に「非常に喜んでいる」とコメントしてるんですよ。皮膚細胞だということも評価する、と。で、「即座に支援を約束しましょう」と宣言しているんですよ。政府としてバックアップしましょう、予算も勿論付けますよ、と。
どうです?
保守派上院議員なんかも歓迎や支持を公表するのだから、もう競争のスタートラインに立つ前に負けてるようなもんですよ、日本は。こういう話題が、政治家の口から決して出てこない。ブッシュ大統領の談話みたいに、首相が「素晴らしい研究成果だ、これからどんどんバックアップしていきますよ」みたいな公式発表もないわけですよ。これじゃ勝てんわな、と、そういうことですわ。
万事そういうこと。
共同研究であっても、「オレたちがやったんだ、オレたちの成果なんだ」ということを必ず確保している。大統領という発言の影響力、注目度なんかを最大限に活用してるんですよ。これは正しい。どこぞの無名のオッサンが「素晴らしい!」と発表しても誰も注目しないけど、大統領が言った、ということは全世界に伝えられるからね。こういう所にも、情報戦略のうまさがあると思うよ。日本はまだまだ遠く及ばない。
せめて、日本の首脳クラスや高官とか政治家なんかの公式発表として、「~の研究成果は素晴らしい。政府を挙げて支援する。」くらいは言って欲しいものです。
ま、そういう水準にある国なら、もっと研究投資や教育投資に金を使うに決まっているのかもしれませんが(笑)。