いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

『L change the world~最後の23日間』観たよ

2008年08月27日 20時39分18秒 | 俺のそれ
もうこうなったら、書きまくり。(何で?)


結構前に観たのだけれど、書き忘れていたので。

これまで松山ケンイチ君を高く評価してきた妻や子どもからも酷評された作品だった(笑)。

端的に言えば、「なんじゃこりゃ?」
(実際にそう言っていたわけではありません)

「つくり」として、もう以前のL(エル)ではなくなっていました。
不都合な部分が多すぎて、苦しい展開をゴリ押し。

まあ、しょうがないでしょうな。
「デスノート」の大当たりを引いたが故に、甘くなった作品かもしれません。


スピンオフ作品としては、踊るシリーズで「交渉人」が結構当たったので、真似しようとしただけかもしれませんね。真下の場合は、キャラが崩れるということはなく、展開力で勝負したのだと思えるのですが、L(エル)の場合には、作りこみが甘あまで、キャラだけで勝負しようとしたことが破綻原因なのではないでしょうか。極端に言えば、松山くん頼み、みたいな。

いくつかの個別のプロットとしては、一生懸命やったっぽいと思いますけれども、エルに無理させ過ぎ。周辺部分の矛盾というか、有りえなさが気になるので、途中で萎える、という感じかも。


ひょっとすると、次のスピンオフで「二ア」(near?)を狙っているのかもしれませんが、展開とか設定として「これは、あんまりだ!」と思うようなのは避けるようにして頂いた方がよいかもしれません(笑)。いや、もう作らないよ、ということかもしれませんが。



『ヒトラーの贋札』観たよ

2008年08月27日 13時14分02秒 | 俺のそれ
またまた鑑賞記事。新記録かも。


北朝鮮が頑張ってやっていた、という理由がよく判ったような気がする(笑)。歴史から学ぶというのはこういうことなのかもしれない。
古今東西、贋作というのは、いつまで経っても廃れないというか、不変なのかも。人間の欠陥(情報の非対称?)を利用しているという点で、「経済理論」に適っている(笑)。経験則が役立っているということか。


ユダヤ人技術者たちが贋札作りに協力させられる姿をうまく描いているし、理不尽な殺戮や「命惜しさ」の心理や行動を通して、生きることの困難さや人間を描き出していた。

結果的にナチへの多大な支援となってしまう矛盾、しかし、目の前の「生」を捨てることができないのが人間なのだ。それが悪いということでもないし、局所的には正しいのかもしれないが、戦争全体にとっては「間違っている」のだろうけど。そういう葛藤が、とてもよく伝わってきた。

それと、ロシア系ユダヤ人にとっては、共産主義のソ連も地獄ではあったし、それを逃れてきたとてナチの迫害に遭ってしまったので、いずれであっても同じく苦しみなのだ、ということなんだろう。「元共産党員だったが、ナチの党員になった」というドイツ人青年がいたが、これも当時の社会を感じさせるものだった。


大義のために命を捨てること、どんな形でもいいから最後まで生きること、どちらにしても難しいことなのだと思った。


ところで、イングランド銀行の紙幣鑑定というのが当時にあったのだな、ということを初めて知りました。割と贋作が多かったせいなのかもしれません。



『犯人に告ぐ』観たよ

2008年08月27日 12時50分32秒 | 俺のそれ
しつこく鑑賞記事(笑)。


どうしてこんな作品になってしまったのかが、よく判らなかった。


キモい引き籠もり、みたいなワケのわからなさ。
猟奇的犯罪を描いているというわけでもないが、ちょっと狂ったような臭いだけがでてくるだけ。


犯人の頭が悪すぎな気がするし。

劇場型とか言うので、「キラとLの対決」みたいな心理戦のようなものかと思ったら、全然違っていた。手紙の内容とか中身の分析みたいなことが、あまりに稚拙な感じだった。

真柄署から一緒に来たベテランデカだけはうまく描いていたと思うが、本部長に掴みかかるという刑事はどうよ、と思うけど(笑)。

小道具として、色の呼び方、掌紋、というのを用いたのは悪くないと思ったが(笑、私の記憶では、ああナルホド、と思うところです)、全体の流れが悪すぎだし、犯人逮捕の困難さみたいなものがほぼなかった。


ま、いいか。
残念な映画だった。



『ミッドナイト・イーグル』観たよ

2008年08月27日 12時23分59秒 | 俺のそれ
連続で観たわけではないです(笑)。
記事を出していなかったので、ちょっと書いておこうかな、と。


一言で言えば、かなり厳しい作品だった。家族の評価も、散々。
悪いが、駄作の範疇に入れられてしまうのではないか。


出演者の方々はそれなりに頑張っているかもしれないが、全体的な雰囲気というか、うまく言えないけれども焦点ボケ、みたいな。
クライマックスのカメラ越しのやり取りも、ううーむむむ、って感じかな。アルマゲドンは良かったが、本作ではダメっぽい。
玉木くん死亡のところでも、まるで泣けず。

簡単な感想を言うと、あっさりと死んでいった自衛隊員が可哀想。

『ホワイトアウト』『八甲田山』『バーティカル・リミット』などに比べると、雪山とか山岳モノという点でも、かなり落ちる。


防衛省全面協力らしく、海保協力の『海猿』超えを目論んだのかもと思うが、思惑が完全に外れて実らなかった(笑)。


全体的に、どうしたいのかが判らなかった一作。



『サン・ジャックへの道』観たよ

2008年08月27日 11時06分02秒 | 俺のそれ
先日DVDを借りたので、いつもの如く家族にも無理矢理鑑賞を強いたのだった(笑)。


ありがちな展開であるかもしれないが、それが安心感を与える。妻や子どもには大変好評だった。
フランスの世相というか、置かれている状況をうまく描いていると思った。
例えば――スカーフ判決を象徴的に示す、強烈な体制批判的左派傾向の教師、イスラム系移民のこと、携帯電話に縛られる人々、みたいな感じ。ド田舎の木の下で、一気に世俗に戻る滑稽さがある。


映画の中でも触れられているが、巡礼の旅というのは、実は宗教による大きな違いみたいなものはなくて、イスラム教であろうとカトリックであろうと、或いは日本であろうと、「似たようなもの」なのだな、ということを実感させてくれる。イスラム教徒の青年の発する素朴な言葉の中にそれが示されていた。
日本であれば、有名なのが四国88箇所巡礼―お遍路さん―があるが、あれと似ているなと思った。


旅を通じて、それまで「重たい荷物」を背負っていた人々が、次第に「荷を降ろしていく」姿がうまく描かれていた。それが判りやすく描写されていたのは、「現代の生活に必要なもの」をたくさんリュックに入れていたのをこっそりと「捨てていく」シーンだったろう。私たちが生きていく時には必ずああなっているのだな、と自らを振り返りながら思い知らされたような気がした。人間って、何かを捨てるっていうのが、結構難しかったりするのだ。色々と背負い込んで自らを苦しませているのは、自分自身なのだな、と感じた。巡礼の旅というのは、社会的地位だの学歴だの財産だの…そういうのを捨てさせ(それとも、一時的に忘却させる)、自分自身を振り返させる不思議な効果があるのかもしれない。一歩一歩、歩いて行くのは「ただ1人の人間」なのだな、と。それはあなたも私も、同じく歩む人間なのだ。1人で歩くには辛い道のりで無理かもしれないが、一緒に歩けば遠い距離なのに歩けるのかもしれない。


あと、いくつかの夢のシーンが出てくるのだが、あれも「くだらなさ」を通り超えて、「夢のイメージ」を映像化するという無謀とも思えるチャレンジをしていたと思う(笑)。多分、普段自分たちが見ている夢を、覚醒した後から「表現してみてください」と言われたら、あんな感じになってしまったりするのかもしれない。心の奥底にある劣等感のようなものや苦しみの対象として、大袈裟に表現されていた。


巡礼者一行だけではなく、キザな理屈重視の口だけビジネスマンやアル中の社長夫人など、設定がうまく考えられていたし、巡礼者たちの背負っているエピソードにも、すぐに思い当たる程度の「社会の光景」のようなものが散りばめられていて、観客を飽きさせない。幸せとは何かと自問する人がいるかもしれません。


現代社会に生きる私たちが、おいそれと数ヶ月にも及ぶ巡礼の旅に出かけられるわけではないかもしれないが(民主党の菅さんは行ってたけど、笑)、映画を観ればそうした気分にはなれるかもしれない。

印象的な台詞を紹介しておこう。
巡礼者の1人が必要としていた薬は一体何だったかと言えば、こんなものだった。

「人生の苦しみに耐える薬」


少し荷物を降ろせば、楽になれるかもしれません。


家族にも好評でしたので、超オススメです。