一言で言えば、自滅だった。
今日の和田の出来は良かった。同点ホームランを打たれるまでは、9奪三振、無失点の力投。
4番新井の一振りで先制2ランが出て、日本のムードはかなり良くなった。油断した、とは言わないが、直ぐに追いつかれるのはあまりに痛かった。
7回先頭を歩かせてノーアウト1塁の場面。韓国の打者は大柄なホームランバッターだったので、あれは阿部の配給ミスだったろう。早々に追い込んでいたので、インサイドを2球連続とかボール球で攻めた後から外に行くなら判るけれど、最後に中に投げさせたのはマズかった。外を攻めてフォアボールを怖れて、インサイドにスライダーを要求したのかもしれないが、外から中に入る棒球になってホームランを打たれた。あそこしか打てない、という球になってしまった。あれなら、最後まで外一辺倒で行っておくべきだったと思う。あれは和田を責められないだろうと思う。
で、問題の9回。岩瀬が出て2アウトまで取り、ランナー2塁のままの場面。打者にフォアボールで歩かせ、2人のランナーを背負うことになったのだが、あの打者を歩かせたのが3失点に繋がった。あの打者はバットを殆ど振らずに待っていて、ボール球を振らせようというのが意味のない攻め方だった。追い込んでからの攻めが無駄球となってしまった。
で、代打に勝ち越しヒットを打たれたのはしょうがないとして、その後にバントの小フライでエラーが出た。ピッチャーが取るだろう、と村田は考え、岩瀬はサードが取るだろうと思ってしまって、無駄に追加点を与えた。その後に投げなくてもいい2塁への悪送球で決定的な3点目が入ってしまった。2点リードとでは大違いだからね。
9回の日本の攻撃で、1点を返してなおもノーアウト2、3塁だったが、あそこで韓国に5点目が入っていなければ多分日本は悪くても同点か逆転可能だったろう。だが、2点あったので、2塁ランナーが還らなければ同点にならない、ということがあって、逃げ切られたと思う。打者にしてみると、「外野フライでも同点だ」という場面と、「ヒットを打たなくちゃ」と固くなる場面では、気楽さというかプレッシャーのかかり具合が全然違うと思うからね。
阿部に左のワンポイントを当ててきて、韓国側の采配は正しかった。その後に軟投派のスローボール使いを投入して逃げ切った。GG佐藤は、「日本がチャンスで攻撃している」という気分ではなくなっており、自分が勝手に追い詰められていたと思う。まあ普通に打っても、打ち損じる確率が結構あるから、あそこでタイムリーを打ってくれ、というのは難しかったかもしれない。
が、9回に4-2で回るのと、5-2で回るのでは全然違うのだな、と思った。1点差ならば守備側の守りも難しくなるからね。
いずれにせよ、あの時、ノーアウトで1点取られてなおも同点のランナーが2塁にいるのだから、プレッシャーを感じていたのは韓国側だった。そこに集中できなかったのは、勝利への執念の違いが出たということではないかと思う。ま、自滅した、ということ。