間違いを喧伝する典型、ということですかね。
>はてなブックマーク - 再交渉としての不況 - 池田信夫 blog
ゼロサムって、一体何を言っているんでしょうね。
損失の反対側には同額の得が必ず生じる、というのも単なる間違いですね。為替取引なんかだとゼロサムゲームとか言われたりしますけれども、今回の経済危機はそういうものだけではないですね。
信用創造はそもそも「持ってないお金」から、あたかも持っているかのように膨らませられる、ということですよね。それが過度に大きくなったことが問題になったのであって、その収縮過程で富が消えていったことが今の経済状況を生んでいるわけですから。
また例で書いてみます。
新規上場株があって、1株100円とする。
Aさんは1株購入し、Bさんに200円で売却。BさんはCさんに300円で売却。CさんはDさんに50円で売却した。
すると、Aさんは100円の利益、Bさん100円の利益、Cさんは250円の損失、ということになる。Dさんは50円を出しただけ、ということで、プラスでもマイナスでもないですね。利益と損失はDさんの50円も含めれば、同額ということになるでしょう。
ここで、上場時に100円で1000株購入していた株主の甲さんがいたとします。一度も売却していません。
甲さんは100円で買ったので全部で10万円投資したことになりますが、Cさんが購入した時点の300円で評価したとすると30万円になり、プラスは20万円と売買を通じてAさんやBさんが得た利益なんかよりもはるかに多くなります。しかし、現在価格は50円なので、価値は5万円しかありません。つまり、初期投資額10万円と現在評価額5万円の差額5万円は、誰も得をしていないのにも関わらず損失だけが残るのです。
甲さんの資産がこの株式1000株だけだったとしましょう。
Bさんが購入した時点の価格で見ると、200円ですから資産サイドに20万円分持っていることになります。
これを担保に同額の借入を行い、この20万円でレバレッジの効いた金融商品Xを400万円分投資できたとすると、資産サイドには金融商品X400万円分と株式1000株(評価額20万円)の合計420万円があることになります。
このように、持っていたものが1株100円で購入した株式1000株だけであったのに、価格が値上がりすることで信用枠ができ、それを用いてバランスシートが420万円まで拡張できたということになります。例えばFXとかオプション取引のような損益を増幅できる金融商品があるので、実際の投資額はレバレッジでかなり拡張できる、ということです。
ところが経済危機で株式の評価額が持ってるだけで5万円まで下がり、金融商品Xの損失も拡大してゆくと、バランスシート上では資産サイドだけが急速に収縮していったことになるのです。けれども、負債サイドには負債が残り続けるので、資産側に資金注入して維持するか、負債サイドを減らすこと(資産売却で返済とかデレバレッジなど)を同時にやるか、ということになったわけです。
特に、金融商品Xは猛毒らしい、と皆が思うと、誰も買わなくなるので、流動性が枯渇する、価格が暴落してしまう、ということになったわけです。この金融商品Xや株が土地や不動産などであっても同じようなものです。
結局のところ、バランスシート上で資産価値の値上がりで生み出された信用枠を利用して借入を行い、バランスシートを更に拡大させたのだということです。これが富の膨張を生んできたのであり、逆に崩壊過程では収縮が引き起こされたのです。
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ゼロサムって、一体何を言っているんでしょうね。
損失の反対側には同額の得が必ず生じる、というのも単なる間違いですね。為替取引なんかだとゼロサムゲームとか言われたりしますけれども、今回の経済危機はそういうものだけではないですね。
信用創造はそもそも「持ってないお金」から、あたかも持っているかのように膨らませられる、ということですよね。それが過度に大きくなったことが問題になったのであって、その収縮過程で富が消えていったことが今の経済状況を生んでいるわけですから。
また例で書いてみます。
新規上場株があって、1株100円とする。
Aさんは1株購入し、Bさんに200円で売却。BさんはCさんに300円で売却。CさんはDさんに50円で売却した。
すると、Aさんは100円の利益、Bさん100円の利益、Cさんは250円の損失、ということになる。Dさんは50円を出しただけ、ということで、プラスでもマイナスでもないですね。利益と損失はDさんの50円も含めれば、同額ということになるでしょう。
ここで、上場時に100円で1000株購入していた株主の甲さんがいたとします。一度も売却していません。
甲さんは100円で買ったので全部で10万円投資したことになりますが、Cさんが購入した時点の300円で評価したとすると30万円になり、プラスは20万円と売買を通じてAさんやBさんが得た利益なんかよりもはるかに多くなります。しかし、現在価格は50円なので、価値は5万円しかありません。つまり、初期投資額10万円と現在評価額5万円の差額5万円は、誰も得をしていないのにも関わらず損失だけが残るのです。
甲さんの資産がこの株式1000株だけだったとしましょう。
Bさんが購入した時点の価格で見ると、200円ですから資産サイドに20万円分持っていることになります。
これを担保に同額の借入を行い、この20万円でレバレッジの効いた金融商品Xを400万円分投資できたとすると、資産サイドには金融商品X400万円分と株式1000株(評価額20万円)の合計420万円があることになります。
このように、持っていたものが1株100円で購入した株式1000株だけであったのに、価格が値上がりすることで信用枠ができ、それを用いてバランスシートが420万円まで拡張できたということになります。例えばFXとかオプション取引のような損益を増幅できる金融商品があるので、実際の投資額はレバレッジでかなり拡張できる、ということです。
ところが経済危機で株式の評価額が持ってるだけで5万円まで下がり、金融商品Xの損失も拡大してゆくと、バランスシート上では資産サイドだけが急速に収縮していったことになるのです。けれども、負債サイドには負債が残り続けるので、資産側に資金注入して維持するか、負債サイドを減らすこと(資産売却で返済とかデレバレッジなど)を同時にやるか、ということになったわけです。
特に、金融商品Xは猛毒らしい、と皆が思うと、誰も買わなくなるので、流動性が枯渇する、価格が暴落してしまう、ということになったわけです。この金融商品Xや株が土地や不動産などであっても同じようなものです。
結局のところ、バランスシート上で資産価値の値上がりで生み出された信用枠を利用して借入を行い、バランスシートを更に拡大させたのだということです。これが富の膨張を生んできたのであり、逆に崩壊過程では収縮が引き起こされたのです。