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「ビタミンK」欠乏と出血の事件

2010年07月09日 18時37分57秒 | 社会全般
助産師が別なものを投与したようだ、ということらしい。

はてなブックマーク - 「ビタミンK与えず乳児死亡」母親が助産師提訴 : 週間ニュース : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


こういうのは、多分この助産師だけに限ったことではないのではないかと思う。
過去に、「陣痛促進剤が悪」とか「○○剤が悪」みたいな盲信が存在してきたからだ。それは、一般人の考えではなく看護師や助産師といった医療従事者の中にこそ存在していた。それが「金儲け主義だ」という安易な批判を生んできただろう。要するに、医師が薬剤を使う際に、告発する「内側の人間」がいたということだ。

それは、必ずしも正しい知識や認識に基づいて行われてきたものではない。思いこみのようなものや、「使うべきでない薬を金儲けの為に使った」という悪意の解釈などがあったんじゃないかな、と思う。


そうしたものの裏返しが、このような事件だ。
「自然がいい」ということを尊重した結果、重大な結末を招くということだ。

ビタミンK欠乏について過去に書いた記事が偶然あった。

肝炎訴訟に関する雑考~10(ちょっと追加)

何と、薬害肝炎の騒ぎの時に書いたものだった。
今では民主党議員となった福田議員のことから、書いていた。確かに血液凝固因子を投与することの是非という問題はあるけれど、それは製薬会社のせいばかりではないはずだ。医師や助産師を含めた医療従事者の問題、というのがあるのではないか。


どこの医師だったか誰か忘れたが、フィブリノゲン製剤を証拠として提供したといった話があったと思うが、それはある意味責任逃れの為なら当然なのではないかとしか思えなかったわけである。

集団感染というのは、医療機関で多いのは医療器具の不潔によって生じることが多かったのではないか、というのが個人的印象である。それは、HCV感染に限ったものではない。だけど、問題となった医療機関の滅菌等は本当に十分だったのだろうか?
本当に、ルート関連の汚染はなかったのか?

人工透析や観血的動脈圧測定なんかで感染例があったと言われているから、もっと別な採血だとか点滴だとか、そういう単純なものでも容易に感染しうるわけである。医療機関側が責任を回避しようと思えば、当然「他の要因」というものについては率先して「そっちが原因じゃないのか」と言うに決まっている、ということですよ。第一義的に重大な責任があるのは、「血液凝固因子」の薬剤投与を行った医師ではないのか、という話である。それが本当に適切に判断されて行われたものだったのか?その他多数の医師たちも、同じく「誰もがその薬剤を投与していただろう」と賛同してくれるのか?


本件においても、助産師に責任があったものと思われ、この場合は「薬を使うのはよくない」というような強い信念のようなものがあったのかもしれず、正しく理解したり知識を用いるということが困難なのだな、と感じた。全能ではないけれど、もっとこうすればというようなものは、ぬぐいきれないのではないのかな。