いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

焦る米国

2010年07月10日 18時27分25秒 | 外交問題
米韓外交が頓挫するであろうことは、予期していたよ。拙ブログの「呪い」が利いたのかもしれんね。当方はシャーマンじゃないから、呪いなんてものは冗談なんだけどさ。

向こうはこっちの手の内を知っているから、それを防ぐ為の手立てを考えるということかもしれないね(笑)。


例を挙げてみるよ。

5/28>オバマ政権にノーを突きつけろ

以下、再掲。
『小賢しい策を弄した者たち告ぐ。
些細な目標達成という局地戦に勝って、今は勝利に酔いしれているかもしれないが、戦略的に成功だったかどうかはまだ分からないぞ。いや、戦略的に失敗であると気付くだろう。』

さて、どうなった?
気付いたかな?
安保理決議はどうでしたか?
示威の演習は?空母を出すんでしたよね?
大爆笑の結果だわな。
ぼくの予言はどうでしたか?(笑)
5月時点では、向こうさんは大はしゃぎだったから、目の前の落とし穴には気付かなかったのさ。勝利に酔っていたからさ。


同じく5/28>米中連携ということ

『日本の今後の戦略としては、ロシア、インド、といった国との関係が重要になるだろう。あと、欧州ね。少なくとも、米中の軸に対抗できそうなのは、この3つあたりであろうから。更に、本格的な対抗を目指すということなら、トルコ、イラン、という西方の国への関与を強化した方がよい。』

例えばトルコの最近の態度は、どうでしょうか?
イスラエルには、かなり強硬な感じになっているし、米国への追従は見られないし、対イラン制裁の時にもブラジルとともに反対の立場をとっていましたしね。イスラエルへの非難は、トルコの言い分としては当然だと思いますね。


あと、サルコジを引き入れるとよい、とも書いた。

6/7>日中で共通通貨単位の創設を推進せよ  

要するに、日・仏・露の協同というのは、「米国はずし」の軸としては悪くないと思うわけだ。日本にとって、メリットがそれなりに見込める。中国にとってもそうだしね。

そうすると、向こうは必死に落としにかかるわけである。これまでは、日本にだけやればよかったのだけれど、杜撰な手口がバレてしまったので、矛先を変えたということさ。日本向け、ではなく、仏や露へと向かった、ということだ。

その一つが、サルコジの醜聞探しである。第一弾はこちらだった。

6/9>サルコジ大統領の不正疑惑

このネタは大した騒ぎにならずに終わった。
そして、つい先日出されたのは、大金持ちからの不正献金疑惑ということらしい。米国の情報網を総動員して探していた、ということでしょうな。このような手法は米国ではごく普通のやり口で、敵陣営を追い落とす際によく使われる。大統領選に絡んで、不正や醜聞を探し出すというのが常套手段だからね。

米国の情報網は、使うか使わないかは別としていくつかのネタを掴んでいて、ストックしておくのだろう。いざという時の為にとっておくのさ。それは普通だわな。討ちたい、と思った時に、切り札として用いるのだ。これは、鳩山前総理もそうだし、小沢の一件でも同じ。


更に、ロシア向けには、しょぼいスパイ組織摘発だった。
恐らく米国当局筋では前から知っていたはずで、単に泳がせていたのが挙げられた、というだけであろう。だから米露首脳会談の後になって、実行に移された。このスパイ組織自体の脅威が大したことがないものであり、現実的被害というか実害は殆どない、という代物であろう。だからこそ「泳がせていた」んだよ。
本物の雑草は、薔薇のように目立つ花を咲かせたりはしない。


米国側の圧力というかメッセージとしては、仏露へ「牽制ならいつでもできるぞ、何ならもっと追い込めるぞ」という姿勢を表したものと言えよう。万が一、国連報告なんかを大々的に取り上げて「米ドル以外の外貨準備標準通貨を創設しよう」なんて言い出そうものなら、米国にとってはあまりに痛いからだろうね(笑)。

それは、北朝鮮の話だとか、韓国の面子丸つぶれとか、そういう生温い程度では済まない話だから、だ。米国の急所を衝いた(はずだ)、ということは、中国の当局でさえ気付いている。だから、そのような動きに繋がるようなことがあれば、潰しにかかる、というは当然なんですよ。

日本は、イカン総理だったか、権力欲のかたまりの小心な卑怯者が総理の座に就いてしまったらしいので、リーダーシップを発揮して率先したりはできないからね。日本はいつまで経ってもバカなのさ。外務官僚たちの御説明とやらも、犬どもが張り切って行うもんだから、日本政府高官にはこうしたプランは届かないようにできているのだよ。


サルコジ大統領みたいな、リーダーシップを発揮したがる人間がいると、本気で実行に移されかねない(実際、そのくらい能力はありそうだ)から、狙い撃つのは当然さ。故に醜聞を真っ先にぶつけた。中国単独では動けない、というか、動き難いということがあるからね。
これが中仏連携とかになると話は別だ。常任理事国同士だしね。すなわち「脅威」として認定するには十分、ということになる。なので、サルコジ狙いで潰しにかかるのは必死で行うに決まっている、ということ。

日本がここに加わってしまえば、どうなると思うか?
日中仏が連携して露を説得に向かえば、どうなるか?


そういうことが、日本の政府は分かってないんだよ。


ま、米国はどうしても阻止したい、という強い願望を持っている、ということだけは確かだ。
それがよく判りました、ということですな。サンキュ!



苦杯をなめた米韓外交~韓国哨戒艦沈没事件

2010年07月10日 12時27分51秒 | 外交問題
ようやく安保理の結果が出された。5/20の調査結果公表から、随分と時間が経過しているのが不思議でしょうがない。遅い遅い結果発表である。しかも結果は、粘り勝ちではなく、残念無念の「形づくり」というものだった。
5月の勢いと強気姿勢は、今となってはどこへやら、だ。悲しいまでのトーンダウン。やたらと高圧的に非難していた韓国や米国の会見なんかは、まるで北朝鮮の国営放送を見ていたかのようである。北朝鮮の物言いと変わらない、ということだ。


6/27の記事をあげておこう。拙ブログの予言が利いたか?(笑)

完全に座礁した”チーム・オバマ”の外交

哨戒艦沈没に関するG8首脳宣言について



では、決議文を見てみよう。
<国連安全保障理事会議長声明の全文>(聯合ニュース) - Yahoo!ニュース

(以下に引用)

【ソウル9日聯合ニュース】国連安全保障理事会は9日、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件をめぐり公式会合を開き、「天安」沈没を招いた攻撃を糾弾する議長声明を全会一致で採択した。議長声明の全文は次の通り。
1、国連安全保障理事会は2010年6月4日付の韓国国連大使名義の安保理議長あての書簡(S/2010/281)および2010年6月8日付の北朝鮮国連大使名義の安保理議長あての書簡( S/2010/294)に留意する。

2、安保理は2010年3月26日に韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没と、これに伴う悲劇的な46人の人命損失を招いた攻撃を非難する。

3、安保理はこのような事件が地域の平和と安全を脅かすと規定する。

4、安保理は人命損失と負傷を非難し、犠牲者と遺族、そして韓国の国民と政府に対し深い慰労と哀悼を表し、国連憲章およびその他すべての国際法関連規定に基づき、この問題の平和的解決に向け、今回の事件の責任者に対し適切で平和的な措置が取られるよう促す。

5、安保理は、韓国主導の下、5カ国が参加した「民間・軍合同調査団」が北朝鮮に「天安」沈没の責任があると結論付けた調査結果にかんがみ、深い懸念を表明する。

6、安保理は、今回の事件と関連がないと主張する北朝鮮の反応、そしてその他関連国の反応に留意する。

7、従って、安保理は「天安」沈没を招いた攻撃を非難する。

8、安保理は今後、韓国または域内への攻撃や敵対行為を防止する重要性を強調する。

9、安保理は韓国が示した抑制を歓迎し、朝鮮半島や北東アジア全体で平和と安定を維持する重要性を強調する。

10、安保理は朝鮮戦争休戦協定の完全な順守を促し、紛争の回避と状況悪化の防止を目的に、適切なルートを通じ直接対話と交渉を可能な限り速やかに再開するため、平和的手段として朝鮮半島の懸案解決を奨励する。

11、安保理はすべての国連加盟国が国連憲章の目的と原則を支持する重要性を再確認する。
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大筋は先日のG8の首脳宣言とほぼ同等。
というか、むしろ中国が入ったので「後退」は否めない。
筆頭の韓国書簡と同等の取扱となっているのが「北朝鮮書簡」ということで、立場は五分五分ということである。
また6に述べられている「関連がないと主張する北朝鮮の反応」と「その他関連国の反応」に”留意する”、という文言が入れられているので、G8首脳宣言よりも大幅に北朝鮮側主張に配慮したものとなった、ということである。

北朝鮮について述べたのは、5の1項目だけであり、「非難」から「懸念」に大幅格下げ。「調査結果に鑑み、深い懸念を表明」というかなり弱い文言に終わった。


はっきり言えば、米韓大惨敗、である。7発を浴びて轟沈したW杯ポルトガル戦の北朝鮮チーム並みの負け具合、ということ。米韓の主張は、ほぼ空振りに終わった。ああ、腰ぎんちゃくみたいにくっついている、日本の外務省もいたんだったか。因みに、日本の言うことなんて誰も聞いてないとは思うけど(笑)。


一つの証拠として、外務省幹部の言とかいうのを紹介しておこう。
今日の読売朝刊の記事中で、次のように書かれていた。

『外務省幹部は「中国・ロシアは、非難に反対する北朝鮮からプレッシャーがあったのだろうが、議長声明として形になり、妥協してくれてよかった」と語った。』

北朝鮮がロシアや中国にプレッシャーをかけて、それがかなりの効力を持つとか外交上有力ということになれば、米国の圧力より「北朝鮮のプレッシャー」の方が上だとでも言うのか?
マヌケだな。こんな頓珍漢なことを言う外務省幹部なんているのか?この幹部によれば、北朝鮮の方が米国・韓国・日本の連合よりも強いってことを言っているに等しいではないか。何て愚かなんだ。ああ、愚かだからこそ、「犬」なんだったか。


安保理議長声明の協議については、トルコやブラジルが米国側に安易には同調しないということが十分考えられるので、必ずしも中国の反対が強かったというだけではないだろう。常任理事国がどんなに強い権限があるといっても、他の非常任理事国の意見を無視できない。


更に言えば、北朝鮮への「非難決議」は以前に出されたことは珍しくはなく、ミサイル発射実験の時の「安保理決議1695号」があった。今回の哨戒艦沈没事故の一件は、それ以下の扱いということである。すなわち、「被害をもたらさなかったミサイル発射」よりも、「46名の死者を出した韓国哨戒艦沈没」の方が重要度は低いと判断され、安保理決議に至らないくらいの問題ということが明らかとなったということである。

これ即ち、米韓の完敗と呼ぶに相応しい、と言っているのである。
ハッタリの威勢だけでは他の国々を納得させることは難しい、ということ。ブラフ外交は、所詮ブラフなのである。

見苦しい演技を続けるオバマ大統領

「米国が言ったから」なんてことだけで、他の国々が即座に賛同して頷いてくれる、なんて時代は終わったんだよ。
完敗であろうと「議長声明が出せて良かった」と強弁する外務省幹部の言葉が、空しさをより一層強調するのだ。