いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

図らずも露呈した日本政府の交渉力(笑)

2011年11月18日 20時03分07秒 | 外交問題
先日のAPECから帰国した野田総理は、発言の真偽を巡って、厳しい批判を浴びている。

問題の発端は、米国側発表であったようだ。

>http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111116/plc11111613060005-n1.htm


「全品目」が対象か、ということが争点となったわけだが、野田総理は「そんなことは言ってない」と言い、外務省もそう言ったわけだ。しかし、米国側は「当日の発言内容はそうだったのかもしれないが、事務方の打ち合わせや過去の経緯その他を考慮すると、”正しい”」と、従って「訂正には応じられない」と頑として拒否した、ということである。


このことをもっても、日本政府や外務省なんかの「交渉能力」が全くないことは、明らかにされた、ということである。

たったこれだけのことさえ、日本側の言い分など米国側に飲ませることができない、ということを実証したのだ(笑)。
少なくとも、米国側としては、日本政府の言うことなど、「聞く耳を持たない」ということであり、「いや、こっちが正しい、俺らの言い分が正しい、だから、こちらのやり方を押し通すよ」ということで、野田発言は撤回されなかった。


日本の甘ちゃんTPP推進派は「交渉すればいい、日本の言い分を主張すればいい」みたいに、ヌルいことを言うわけだが、そんなもんは
「イヤだね」と断られたら、一ミリも譲歩させられない、ということなのである。


普通、こんなことは考えられないでしょうよ。

難しい交渉とか、裁判や議会証言のような正式の発言でもないのに、相手側の否定している文言を訂正しない、なんてことが、あると思いますか?
会談において、相手国の国家元首が「そういう発言は公表しないでくれ」「発言内容が不正確なので訂正してくれ」「○○と言ったと発表してくれ」というような申し入れを行った場合、これを「ハイ、ダメね、こっちが正しいもんね、訂正には応じませんよ、ざんね~ん」みたいに拒否されると思いますか?

相手は、「国家元首」ですよ?(笑)


結論から言えば、そんなことは、通常起こり得ませんよ。
仮に、こっちがどんなに正しいとしても、相手側の立場を考慮して「判りました、こちらで被っておきましょう、訂正しておきましょう」という話になるのが普通でしょう。「担当官が聞き間違いをしたようです」「資料の訳語が不正確でした」とか何とか、相手側体裁を失わせないような配慮がなされるのが普通でしょう。

ところが、野田総理にはそういうことが全くなかった、ということです。相手側の高官たちは、はっきり言えば「舐めまくっている」ということなんですよ。

どうしてだと思いますか?
「野田は人形だ」
と、皆が知っているから、です。

交渉権限も、決定権限も、「どの人間にあるのか」ということを見透かされているからであり、野田には「何の権限もない」ということなら、野田総理の言い分など聞き入れる必要性がないからです。


少なくとも、米国側認識としては、野田総理は「配慮に値する人間ではない」こと、野田総理以下の政権には交渉力を有しているとは判断していないこと、決定権限も野田総理にはないと判断していること、ということです。


それが、今回の野田発言訂正問題の、本質的なことなのです。


TPP推進派のお花畑さんたちは、それでも「交渉を頑張れ、最初から日本が負けるって決めつけるな、日本の言い分を主張すれば守るべきものは守れる」みたいに、言うつもりですかね?(笑)


「(当日)そんなことを言ってないぞ」という、野田総理の発言内容という、とても軽いものでさえ、ひっくり返すことのできない政府が、「我々は、これを譲ることはできません」と言ってみたところで、何の効力もなくスルー、がオチではないですか?


テーブルにつく前から、既に負けなんだよ、禿。
相手側より優位にいるなら、少しねじ込んだだけで、ピリッと効いて、「大変申し訳ございませんでした、喜んで訂正致します」ってなるに決まってんだろ。

一体、何年大人をやってきているんだね。
どこを見てるノダ、あなた方は。



用意された内紛劇~清武GMのナベツネ批判騒動(解任の追記あり)

2011年11月18日 20時02分23秒 | おかしいぞ
マスコミ対策として、念の為準備しました、というところだと思うね。
野田総理のTPP参加表明に待ったがかかったのは、韓国のような騒ぎになるのを危惧した米国サイドからの、「慎重にコトを運んでくれ」という申し入れがあったからであろう。

そこで、総理会見を1日遅らせた。
マスコミが食いつき易いネタとして、「ナベツネ批判」が選ばれた、というわけである。

自ら身を切って犠牲になることで、「読売新聞効果(笑)」を薄める為だろうね。「用意されたネタ」臭さを、できるだけ消したい、という時には有効だと考えたのではないかと思うね。

昔からある、ちんけな手口さ。
狂言強盗レベルの奴らが考える手口と、違いはなさそうだな。「強盗に刺されましたー」って、被害者面をしていると「疑われる心配がない」という程度の話さ。

タイミングが妙だな、と思っていたが、清武GM涙の訴え、みたいな話が報じられていたから、「男がウソでもそんな泣けるもんなのかな」とかチラッと思ったので、疑い切れないでいた。

が、一段落してみると、何事もなかったように、フェードアウトしたでしょう?
役者ですわな、清武さんも(笑)。

ああ、やっぱり用意されたネタだったんだな、と思いましたわ。
ナベツネの性格からして、激怒でしょう。
あんなもんは即刻クビと言い渡されて、終わりですよね?

あの告発を行う清武側にしても、辞任覚悟で公表に踏み切りますよね?
プロ野球界の私物化ですよ?
コトは、巨人だけに留まらない、プロ野球界全体の話なんですから。


普通に業務に戻ることなど、通常では考えられない。
若造ならまだしも、社会を十分経験してきたオッサンが、男を賭けて告発するわけですから、刺し違えか不退転の決意、みたいなものでなければ、あり得ない。

弓だけ引いて、両者、何事もなかったように元の状態に戻るということなど、普通は考えられませんから。あるとすれば、日本の伝統芸(笑)、「ヤラセ、八百長」くらいですわな。

世間の興味は、思ったほど惹きつけることができなかったでしょう。
だけど、まあ、テレビ報道なんかをTPPに集中されることは、若干緩和できたのかもしれませんな。ヘタなマジックと一緒。



追記ですが:20時半頃


こえ~
いきなり、解任報道が。

今日、別館の方で先に書いて、昼にアップしたんですよ、この記事を。
>http://d.hatena.ne.jp/trapds/20111118/1321585358


そうしたら、何故か急に、本日夕方に清武さんを解任だってー!!

まさか、ウチのブログで余計なことを書いてしまったからですか?
ぼくのせいですか?

なんか、怖い。
おれが殺されるのですか?

けど、もっと疑いが深まりましたな。
だって、書いて途端にこれだよ?
もう、小康状態で、世間的には、「ああ、収まったんだね」ってな具合だったじゃないですか。

週明け以降は、ずっと粛々と業務とか、言ってたじゃないですか。

なのに、急にこれだもん。
ヘンですよね?


TPPの真の狙い

2011年11月18日 09時51分06秒 | 外交問題
経済学理論バカへの挑戦状のシリーズでは、労働者の移動コストが問題になる、このコストが大きいが故に、経済学理論通りには「必ずしもうまくいかない」ということを述べてきた。

労働力の移動コストの大きさに比べて、圧倒的に移動コストの小さなものがある。
それが、グローバル企業の存在だ。
端的な例で言えば、ビジネスジェットで世界中を飛び回る経営幹部などは、移動コストが小さいと言えるだろう。別に、日本で働かねばならない理由などない。アメリカだろうと、欧州だろうと、中国だろうと、どこででも働けるだろう、きっと。
いや、そういう経営幹部になったことがないから、苦労は判らないし、ヘッドハンティングでキャリアアップ(笑)に伴い払うべきコストが大きいのかもしれないが、一般労働者に比べれば小さいだろう、多分。


恐らく、労働力の移動コストに比して資本の移動コストが、圧倒的に小さいのではないか。つまり、投資ということだな。

昔に比べて、コストは小さくなったと思うよ。
小さくても何でも海外事務所をまず作って、現地に足がかりを築き、そこから会社組織や工場建設計画なんかを作って、ようやく工場建設工事ができて、それが終わって現地生産体制をつくり、…みたいな、数年がかりの準備みたいなことが必要だった。

今は、それが圧倒的に短縮されたのではないかと思う。
グローバル企業の強みは、効率的な資本移動の最適化を図れるようになっていることだと思う。それが、利益を生み出す源泉だからだ。


最たるものが、株式等に代表される、投資マネーである。
モンスターマネーが世界中を駆け巡るようになった。市場の歪みの存在する場所を的確に探し出し、獲物を見つけては巨額資金が暴威を振るうことになった。東電やオリンパスの株式などがいい例だ。

資本移動は、昔に比べて圧倒的に早い。すなわち、移動コストが大幅に引き下げられた、と考えられるだろう、ということだ。
巨大なグローバル企業にとっても、資本移動は容易なのである。労働者は、移動が困難だからこそ、企業が「余剰な労働力」のある場所を求めて移動してゆく、ということなのだ。


そして、更なる短縮は、企業買収である。
地元にある会社ごと買えばいい。資本移動さえできれば、労働者の移動コストなんか関係ないのだ。


経団連のお偉方なんかは、「いやいや、アメリカさんは日本の企業と協力して、一緒に儲けましょうと誘ってくれてるんだ」みたいな、甘いお花畑的発想なのかもしれないが、オレなら、全く違う感触を持つだろう。

TPPが現実に実施された場合、日本企業の買収は加速することになるだろう。一時、企業買収に怯えた上場企業は買収防衛策を色々と作ったりしただろう?企業の株式持ち合いも「おかしい」と、散々批判されたであろう?
もう忘れたか?(笑)


資本移動が更に容易になった世界(TPPが現実に行われた世界だ)では、買収が最も近道なのである。規制緩和の意味は、そういう部分にこそ威力を発揮するのだ。

日本の大手企業といえども、世界の時価総額ランキングなんかでは、米国企業の足元にも及ばないだろう。投資ルールの透明化、とは、そういう意味なのだぞ?外資規制も消えるのだぞ?マスコミだって、買収対象からは逃れられない。当然新規参入もあるわけだが。


従って、日本企業が巨大企業の傘下に収められてゆくというのは、避け難い。時価総額と資本の動員力からして、日本企業で対抗できるところは少ないだろう。
企業の個別の買収防衛策があったとしても、無効化される可能性が高い。ブルドックじゃないが、防衛策の発動条件が透明ではない、と判断されれば、決定をひっくり返されるか、発動を無効化されるか、買収失敗に伴う費用の賠償をさせられるか、いずれにせよ、被害を蒙るわけである。


日本人の無能経営陣や取締役は、排除されることになるだろう(笑)。利益追求のできる、株主への貢献度の高い人間だけが、経営陣に残れるのだ。今の経団連に参加している人間の何割が生き残れるか、見ものだな。

いいか、巨大なグローバル企業は本気で攻めてくるんだぞ。
かつて、日本の市場を開放せよ、と求められて、金融・保険の緩和というのが行われたよな?あれを忘れたか?

シティやAIGが買収戦略を進めたのは、単なる偶然でも何でもないんだぞ。あれこそが、真の姿だ。「大きいことはいいこと」なんだよ。

今みたいな日本企業の株価が低迷している状況であれば、狙った企業を買ってゆくことは、そう難しいわけじゃない。資金の出し手は、後ろに付いてる旧投資銀行やヘッジファンドなど、いくらでもグリード仲間が餌に群がってくるんだぞ。


日本郵政のゆうちょ銀行やかんぽ生命が問題、と言われているが、それだけではないのだ。
政府系の企業も独立行政法人等も、競争阻害か投資対象からの除外が不当とされる可能性があるだろう。

Jパワー問題というのが以前あったが、ああいうのも、投資(買収)を阻害するのはおかしい、ということになるだろうね。
政策投資銀行とか、JBICなんかも逃れることはできなくなるだろう。空港運営もそう、URみたいな独法もそう、特殊な立場というのは存在が許されなくなってゆくだろう。

投資ルールを確立し透明化する、というのは、外資が買収したい・投資したいと思ったら、それが阻害されること全てが「おかしい」ということにできるというルール改正なんだ、ということだ。

お人よしの、ネジの数本足りないような連中にとっては、そういうことまで頭が回らないんだろうが、後になって吠え面かくのは目に見えているのだよ。

経団連の連中には、そういうことが全く判ってないんだ。
目先のことだけしか考えが及ばないのだ。
農業団体の連中が反対してるだけなんだ、とか、貿易をしないと生きていけない、だからTPP、みたいな短絡思考だけなんだよ。


いいか、原賠法とかの3条但書に関連して、全銀協の偉い人が色々と言ってたりしたことがあったろう?
ああいう甘さは、一切通用しなくなる、ってことは判るな?

法律もよく確認してない、条文解釈でも「大甘」といった、日本の経営陣なんか、太刀打ちできないだろうよ。
法の支配というのは、そういうことなんだぞ。

あなた方が考えもしないような、法の闘争が仕掛けられる、落とし穴か見落としだろうとうっかりミスだろうと負けは負けなんだぞ。

そういう覚悟が本当にできているか?


買収防衛策の発動は、本当に認められると言える根拠とは何だ?
そういうことを考えたことはあるのか?
その上で、経団連の「TPP推進」に同意してるのか?


バ●ってのは、本当にどうしようもないわ。
ヘタを打ってからじゃないと、危険性とか気付けないんだな。

まあ、だからこそ、バ●なんだろうけどさ。

しかも、失敗を繰り返しているのに、なお、次の失敗さえ判らないんだよ。