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経済学理論バカの牙城が崩れた?~飯田泰之氏の敗北宣言

2011年11月25日 16時49分26秒 | 経済関連
さあて、遂に、TPP推進派の論拠が尽きたようですね。

>http://b.hatena.ne.jp/entry/alfalfalfa.com/archives/4889316.html

飯田氏曰く、
「TPP賛成論のすごく難しいところは、参加したらこんなにいいことがありますよ、と言ってはいけない。大していいことはない。その代わり、参加しないとヤバいですよ、とだけは言える」

経済学者の弁がこれか。おいおい、陰謀論の一種か何かか?
「参加しないとヤバいですよ」って、何、断ったらどうなるの?(笑)全身ボコボコにされちゃって、イジメに遭うとかか?
番長に呼び出しても食らって、滅多打ちされるとか?

これは、経済学理論なの?
「断ったらヤバいです」ってのは、ウチの喩え話で用いてきた、ヤクザや詐欺的商法の「脅し」の論法と一緒じゃないか。


中学生だか高校生でも分かる程度(笑)の、非常に簡単な自由貿易論や比較優位論といった経済学の「常識」では、うまく説明ができない、ということを悟ったのでしょうか?

もはや、経済学理論上で「TPP推進は正当」とは主張できなくなってしまったようです。


経済学理論バカとか、盲信する権威主義的な人たちとか、経済学信奉者たちは、リカード以来の「200年余の知の遺産」をもってしても、説明できないということなんですかね?


経済学を学んだことのない一般素人の疑問にさえ答えられず、経済学理論の脆弱性を露呈した、ということですかな?

しかも、専門知識があると自慢気に語っていた連中は、皆、誰も不思議にも思わず、疑問を抱くこともなく、既存の経済学理論を「盲信」してしまった、という理解でよろしいか?


飯田氏は、反対派のいう心配論について、次のように批判している。

『番組ではTPP問題についても語られ、飯田氏はTPPに関する心配論は、"悲観論"でずるく、大変なことになれば「それ見たことか」、やりすごせたら「注意したおかげ」という絶対に間違えない論法と話す。』


悲観論でズルい、んだと。
何度も取り上げて恐縮だが、当方の主張点はずっと以前から明らかにしているはずだ。

10/14>世界統一と自由貿易

(再掲)

このように、異なる市場を連結すると、両者が均衡状態に至る過程の中で、大儲けが可能になるわけだが、この儲けの果実を「一方の狡賢いヤツが総取りする」という事態が考えられるわけである。自由貿易そのものの害、というよりも、こうした「不均衡を解消する過程」で大儲けを企む連中が利益を毟り取ってゆくことに問題があるのだ。

また、人間は分子じゃないから、簡単には移動できない。分子構成が変わる過程では、産業構造が変化するのと同じなので、濃度の高い分子が拡散してゆくのと同じように、ある業種では大幅な労働者数の変化を受容せねばならなくなるのである。そのこと自体が、社会的コストを発生させるであろう。何故経済学理論が机上の空論的な幻想であるという主張をしたくなるかといえば、こうしたコストの説明を正確にしていないからだ。

「水槽を連結すれば、平衡状態となるであろう」
ということを言えるとしても、これを現実に実行するということになると、様々な障害が存在しているということを、経済学者たちは自覚するべきである。

各市場を連結するということが、どういう困難を伴うか、そのコストがどのくらいのものなのか、連結した結果、どのような弊害を生じるか、連結体の大きさが大きい場合と小さい場合の違いはどうなのか、そういうことを、経済学理論を用いて正確に記述できてはじめて、「各水槽を連結すべし」と唱えるべきだ。



原則として「例外なく市場を統一する」ということの意味を考えてみよ、と警告しているのであって、TPPの手法が「望ましいとは到底考えられない」と言っているのだよ。


それから、こちらも。

10/15>愚かなるTPP


日韓というのは、張り合うことが多々ある。経済活動だけではなく、文化面でもそうだ。スポーツもそう。
日本企業にしても、サムスンやヒュンダイやLGに怯えるが如く、心理的に「慌てやすい」ということがあるのである。これを利用しない手はない、ということだ。産経新聞のような書きぶりを見ていれば、そうした心情というものが手に取るように分かる、ということだ。

ここ数日の米韓FTAに対する論調を見ていても、遅れをとったと感じているものが多い。これこそが、米国にとっての最大の狙いなのだ。日韓を競わせる、そうすると、必然的に米国に有利になるように働く、ということだ。


これも、予想通りだったんじゃないか。
米韓FTA締結が、日本を参加させるきっかけになるだろう、というのは、08年時点で既に織り込まれていた、ってことだ。この後に調べたので、ACCJのレイク会長の記事を書いたんだよ。

更に、
だが、世界中で「TPPに参加しないと孤児になる」などという妄言を言ってるのは、日本のおマヌケどもくらいなんじゃないですか?

要するに、米国さまの歓心を買いたい、寵愛を受け続けたい、みたいなことがあるだけ。
ジャイアンにとっての、スネオ的ポジションには韓国が立候補しました、ということだろう。今後、米韓同盟の強化、ということで、韓国には様々な優遇が与えられるであろう。米国さまの家来になりたい、ということなのだから、番長(米国)だって「目をかけてくれる」ということになる。

それはそれでいいんじゃないか。
何も、そのポジションに日本が戻る必要はない、ということだ。


結局は、アメリカの手下になるかどうか、だ、って何遍も言ってたではありませんか。

しかし、当方がそういう記事を書くとですね、「アメリカの陰謀論は違う、アメリカは無関心、関係ない」とか言って、否定してたんじゃないですか?
マスコミをはじめ、TPP推進派の連中が。で、消費者余剰が増える、という前原政調会長の弁につながった、というわけでしょう?(笑)

アメリカが事前にインフォーマルな関係、あいや、非公式対話を続けてきて、予定調和的な野田総理の「交渉参加の事前協議w」表明だった、というのがバレたら、今度は、「離脱は日米関係がもたない」(石破)、「日米同盟選択なら参加以外の選択肢はない」(森本)などと、日米関係維持には参加が必須と言い出した。


そして、飯田氏の「参加しないと、どうなるか分からんよ、参加しないなんて言ったらヤバいよ」という脅し文句になっているんじゃないのwwww。


推進派と反対派の意見は、どっちが「おばけ」だと思うか?(笑)


「参加しないと、どうなっても知らんよ、ヤバいことになるよ」というのは、どう見たって、お化けだろ。

当方は、
「アメリカ主導の枠組みだからイヤだ、拒否する」
「自由貿易論なんて、正確じゃないから必ずしも信用できない」
「ASEAN+6の方がメリットが大きいので、そちらを選ぶべき」
みたいな主張はしましたよ。


他にも、医療や教育が狙われる、企業合併・買収の標的にされるかもしれない、というのも言いましたがね(笑)。でも、過去の米国サイドの要求を読めば、これは当たり前の推測ですから。

日米調和対話の文書とか、よく読んだらいいですよ。
そういうのを受け入れるくらいなら、枠組みを外れた方がいい、って言ってるんです。

卑怯な悲観論でも何でもないですよ。
飯田氏は、そういう文書をよく読みましたか?読んでないなら、知らないだけでは。


それより、ヤバいよ、だけの脅しで片付けるのは、終わってますな。

参加しないと、何がどうヤバいの?
誰にボコボコにされるわけ?w




経団連のTPP交渉の青写真

2011年11月25日 16時40分03秒 | 経済関連
まあ、TPP参加は前から既定路線だった、というのは当たり前か。

飯田氏の「参加しないとヤバい」というのは、日本の経済界が総力を挙げて牙を剥いてくる、という意味なのかもしれんな。


>http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/054/gaiyo.pdf


p8の図によれば、2010年11月くらいには、交渉参加が予定されていた、ということだわな。
菅総理は、APECの議長国の時に、TPP参加と言え、と経団連サイドから、強く求められていた、ということだな。


経産省筋からの、強力なロビーが行われていた、ということだ。

だが、菅総理は、参加するとは表明しなかった。

10年4月には、金属労協もTPP交渉参加決定、と言っており、11月には参加表明の提言を出していた。


なので、菅総理が態度を決めなかったので、慌てていたわけだ。
で、いうことを聞かない菅を引きずり降ろして、野田のどぜうを操縦するよ、と。そういう筋書きだろ、やっぱり。


どうみても、唐突だとかの話ではなく、裏で「さっさと推進しろ、参加表明しろ」となっていたんだじゃないか。
国民には、殆ど知らされていなかった。


いや、通商政策に無知な国民が悪い、と言われたら、申し開きはできないんだけどさ。
10年6月時点で、参加するよ、と言われたとしても、何がなんだか分からないままだったろうね。


こうやって見れば分かるように、野田政権が決めたのでもなけりゃ、民主党の議員さんたちが決めたというわけでもない、経団連とアメリカサイドの非公式対話で勝手に政策推進の下絵を描き、それを霞が関官僚にハメこんで、官財癒着で政策日程にのせてきた、というだけだろう、って言ってるんですわ。

民主主義の危機、というのは、そういうことを認めるわけにはいかない、って言ってるんだぞ。




追加ですが。

09年10月>http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/088.html

この時期には、TPPが語られていません。
出ているのは、むしろ「ASEAN+6」です。鳩山政権誕生後ですが、当時には、霞が関官僚界隈とか従米派人脈の一部にしか、TPP推進論が浸透していなかったことが窺われます。

この後に、トヨタ叩きとか、鳩山政権失脚とか、そういうモロモロがあって、形勢変化が訪れたのかもしれません。

アメリカ委員会は、日米EPAを、と言っていましたが、TPPにはまだ距離があった、ということだろうと思います。
この時から、10年春くらいまでの間で、経済界は急速に「TPP推進」へと傾いていったであろうことが窺われるわけです。小沢討ちで、鳩山政権を倒したわけだ。普天間基地問題を焚きつけて「日米関係が壊れる」と、今のTPP問題と全く同じ論法で、時の政権を陥落させたのは、反政治主導の官僚主権主義者たち&マスコミといった、従米派の「地頭クラス」であった、と。


TPP参加を拒否するのは、ヤバい、の意味は、そういうことになるわな。
抵抗すれば、政権ごと葬り去りますよ、と。
協力しないマスコミは、どうなるか分かってるな、ということですかな。マスコミ界にまで脅しが効いてる、ということならば、尚のこと民主主義の危機だわな。