申琪榮(お茶の水女子大学准教授)、千田有紀(武蔵大学教授)、西川有理子(パリテキャンペーン)、三浦まり(上智大学教授)、皆川満寿美(中央学院大学准教授)、村尾祐美子(東洋大学准教授)、柚木康子(公人による性差別をなくす会)ら7人の錚錚たるメンバーが呼びかけ人になっている、「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」という会がある。
この会の名の通り、ジェンダー差別とされる公的発言から、昨年は以下の8つの発言を取り上げアンケートの結果を発表した。
【2019年ワースト発言候補】
①平沢勝栄衆議院議員「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚。これは批判したら変なことになるからいいんですよ。もちろんいいんですよ。ただ、この人たちばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」
②麻生太郎財務大臣・衆議院議員「(日本人の平均寿命が延びたのは)いいことじゃないですか。素晴らしいことですよ。いかにも年寄りが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるけど間違ってますよ。子供を産まなかったほうが問題なんだから」
③桜田義孝衆議院議員「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」
④増子輝彦参議院議員「ご覧の通り決して美人ではないが、非常にチャーミング」「見た目は優しい感じでチャーミングでしょう。美人ではないけど」
⑤稲田朋美衆議院議員「自分と森さんの共通点は2人とも美人ということ」「森さんがいるだけで華やかだ」
⑥三ツ矢憲生衆議院議員「この6年間で吉川有美は何をしてきたのか。一番大きな功績は子どもをつくったこと」
⑦萩生田光一衆議院議員(女性現職候補の一番大きな功績は子どもをつくったことだとした三ツ矢憲生衆議院議員の街頭演説内容について)「母親になって一つ大きくなった候補を応援してほしいという趣旨だ」「聴衆からは一番拍手があった」
⑧安倍晋三総理大臣・衆議院議員「お父さんも恋人を誘って、お母さんは昔の恋人を探し出して投票箱に足を運んで」
【2019年ワースト発言投票結果】
ランキング
1位 麻生太郎副総理兼財務大臣・衆議院議員の発言 2588票(34.1%)
2位 安倍晋三内閣総理大臣・衆議院議員の発言 1765票(23.2%)
3位 平沢勝栄衆議院議員の発言 866票(11.4%)
詳細は同会のサイトを参照してほしい。
この結果はメディアも取り上げていた。
「性差別発言、麻生氏が2年連続ワースト 民間ネット投票」
性差別発言、麻生氏が2年連続ワースト 民間ネット投票https://t.co/SnFBvuyU2C
— ソウル・フラワー・ユニオン (@soulflowerunion) January 11, 2020
「年寄りが悪いみたいなこと言っている変なのがいっぱいいるけど間違ってますよ。子どもを産まなかった方が問題」
人ごとのように報じるが、マスコミが「麻生節」とか言って「持ち上げ」続けてきた結果の産物である。
それにしても国のトップの2人がこんな不名誉なランキングでありながら、長い間政権の座に座り続けていることが、海外メディアから見れば異常なことであろう。
これが日本人の「民度」などと批判されても返す言葉が見つからない。
いくらメディアが悪いと言い続けていても、選挙区における政治家たちの公選法違反行為を見逃している、またはそれらの恩恵に与っている有権者が存在することも事実である。
有権者の最終的な意思表示は選挙における投票行動なのだが、立候補者側も当選するためにはそれなりの対策を立てている。
現職・新人の選挙PR、選挙コンサルティング、調査分析などを中心に行っている「選挙コンサルティング専門会社 株式会社ダイアログ」という組織がある。
そこの今までの実績がサイトに乗っている。
■衆議院総選挙(2009年・2012年・2014年・2017年)
雑誌・新聞社の全議席当落予想を担当。
■参議院通常選挙(2007年・2010年・2013年・2016年・2019年)
雑誌・新聞社の全議席当落予想を担当。
■統一地方選挙(2007年・2011年・2015年・2019年)
現職議員のトップ当選、現職市長の再選等に貢献。
■首長選挙(2006年~2019年)
新人の当選や現職の再選に貢献
■地方議会議員選挙(2006年?2019年)
都民ファーストの会の躍進に貢献。
こんな実績を誇る(?)コンサルティング会社の代表である選挙プランナー松田馨が、Webメディアに全選挙区の当落と、比例ブロック別の獲得議席数を予測していた。
<「解散総選挙」完全予測…自公83議席減で石原伸晃も落選> 2020.01.11 smartFLASH 「国民の信を問うべきときが来れば、躊躇なく解散の決断をしたい」 |
そもそもこのような選挙結果予測にはいくつかの「前提」がある。
【予測の前提】
2月4日公示、2月16日投開票。投票率は56%~59%程度。野党3党(立憲、国民、社民など)が合流、もしくは選挙区で統一候補を出し、共産党とも全選挙区で候補者調整をおこなうと仮定。また、れいわとN国については、小選挙区ごとの候補者を公表しておらず、また3党との選挙区調整に応じる範囲が不明なため、総獲得議席数での予測とした。
問題はこのような前提が実現可能なのかということである。
こんな希望的観測の声が代表的なところか。「解散総選挙」完全予測…自公83議席減で石原伸晃も落選 https://t.co/DrCVxh4BHh #SmartFLASH
— ishigaki (@WretchedCat) January 11, 2020
「2017年衆院選で自公が圧勝したのは、野党が候補者を乱立させたのが原因だった…逆に言えば、次期総選挙で、野党がすべての選挙区で共闘できれば、与党を過半数割れに追い込める可能性も出てくる」
だが現実には、「立憲、国民合流まとまらず 旧民主以来の『決められない政治』露呈」となっており、ネット掲示板ではこんな冷静な声もある。
旧民主党(立憲民主党・国民民主党)と社民党が合流して共産党とも選挙協力できた場合でしょ? それは無理無理! 民主党は未だに分裂状態、共産党に一方的に候補者下ろせでは共産党員は納得しない れいわ新選組のネガキャンに夢中の立民子飼いのレイシストしばき隊はどうする? そもそも旧民主党支持者のコメント見てれば安倍内閣をすぐに倒そうとは考えてないのが多いことはすぐわかる 妥協して共産党やれいわ新選組に協力するくらいならやってる感で乗り切ろう、棚からぼた餅ふってくるのを待とうと考えてる 旧民主党支持者が減り続けてる現実から目をそらして野党内では威張れるからいいと考えてる人たちが政権交代を訴えても現実的ではないと切り捨てられるのがオチ |
たしかに、野党3党(立憲、国民、社民など)という括りに無理があり、国民民主党は小池百合子の「希望の党」に排除されなかった連中であり、とても野党とはいえない代物である。
排除された枝野幸男は立憲民主党を立ち上げて選挙を戦い野党第一党になったという自負がある。
そこに落ち目の国民民主党が擦り寄ってきたのだが、力関係からみれば吸収合併が当たり前のところを、合流してまたもや「新党を」という玉木雄一郎の主張には無理がある。
国民民主党として総選挙を戦い、ほぼ壊滅状態となり生き残った連中を立憲民主党が拾い上げるといった流れが自然なのではないだろうか、とオジサンは思う。