新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

大手デベロッパーとの底なしの癒着の都知事なんかはいらない!

2024年07月04日 11時58分58秒 | 小池百合子

かつて新聞は「社会の木鐸(ぼくたく)」と呼ばれていたが、そもそも「木鐸」とは、昔の中国で法令などを市民に触れ歩くさい鳴らした大きな鈴で、新聞が社会に向かって警鐘をならし、その行く手を示すという意味だったといわれている。
 
あえて言うまでもないがこの「木鐸云々」は死語に近くなっていることは、改めて批判しても仕方がない。
 
マスメディアは新しいニュース(事件)を報道するが、その後の検証報道はかなり少ない。
 
もう終わってしまったことをいまさらホジクリ返しても意味がないと思っているのだろうか。
 
自民党派閥の裏金問題を告発してきた上脇博之・神戸学院大教授が粘り強く法務省と粘り強い闘いにより6月27日の大阪地裁判決くを勝ち取ったのだが、この事件を詳細に検証していた記事があった。
 
法解釈の変更は「安倍政権の守護神」の「定年延長が目的」…黒川弘務元検事長をめぐる衝撃判決、その舞台裏
 

東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年延長に関する文書の開示を国に命じた6月27日の大阪地裁判決。国家公務員法の解釈変更を「黒川氏の定年延長が目的」と断じた判断は、安倍政権への批判が渦巻いた当時の記憶を呼び覚ました。衝撃の判決はどのように導かれ、検察OBはどう受け止めているのか。
◆大問題だと国も分かっていたから「かたくなに認めてこなかった」
 「特定の人物のために法解釈をねじ曲げた事実を、裁判所が認めた意義は大きい。国が大問題だと分かっていたから、かたくなに認めてこなかった経過があぶり出された」
 今回の判決を、原告の上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)が振り返る。自民党派閥の裏金問題を告発してきたキーパーソンだ。
 発端は2020年1月。改正前の検察庁法で、検察官の定年は63歳(検事総長は65歳)と決まっていた。ところが31日、当時の安倍晋三政権は閣議決定で、63歳の誕生日を控えた黒川氏の定年を半年間延長。歴代政府が「適用されない」とみなしてきた国家公務員法の定年延長制について、安倍氏は「(検察官にも)適用されるように法解釈を変えた」と国会で述べた。政権に近いとされる黒川氏を次の検事総長に据えるための「政治介入」と物議を醸した。
◆「アベノマスク」訴訟を断じた裁判長
 法務省はこれまで「黒川氏個人のためではない」という姿勢を示してきたが、今回の判決は「(理由は)黒川氏の勤務延長しかあり得ない」と断じた。解釈変更の閣議決定は黒川氏の退官予定日のわずか7日前。対象が黒川氏に限られ、他の検察官への周知がなかった点も考慮された。
 上脇氏が「大きな分岐点だった」と振り返るのが、元法務次官の辻裕教氏に対する昨年12月の証人尋問だ。「他の検察官への解釈変更の周知の有無を原告側が尋問した際、辻氏が『やっていません』と答えた。法解釈を一般化するのが行政の仕事だが、全く逆で、特定の人物のために動いていた事実が鮮明になった」
 今回の裁判長は、安倍政権がコロナ禍対策で全国に配布した「アベノマスク」を巡る訴訟で、政府に行政文書の開示を命じる判決を出した徳地淳氏。徳井義幸主任弁護士によると、証人尋問で「第三者として見れば、定年退職に間に合わせたように見えなくはない」と問いかけたという。「口ぶりから不信感がにじんでいた。当たり前の市民感覚を持っていた」
◆控訴したら「政府は批判を浴びるだけ」
 訴訟を通じ、法務省側は「黒川氏のためではない」との主張に終始。徳井氏は「証人尋問も拒否。うそを貫き通す構えだった」とみる。上脇氏は「出廷した官僚の胸中は分からない。『安倍政権の後始末だ』という思いもあったのかもしれない」と推し量る。
 一方、判決では、法務省と安倍内閣の相談に関わる文書の開示請求が、「折衝があった証拠がない」として退けられた。徳井氏は「記録の開示を求める訴訟では、文書の存在を原告側が立証する必要がある。相談があったかどうかは『職務上の秘密』とかわされるため、ハードルは非常に高い」と唇をかむ。上脇氏は「今後は国会の仕事だ。証人喚問でも、第三者委員会の設置でもいい。判決を受け止め、疑惑にふたをしないでほしい」と強調する。
 控訴期限は11日。原告側は訴訟の目的は達成したとして、控訴する意向はない。徳井氏は語る。「誰が見ても、間違いない判決だ。国は控訴しても、あらためて批判を浴びるだけだ」
◆「どんなに有能でも定年には勝てない」政府は簡単に覆した
 判決は、検察官の定年にかかわる国家公務員法の解釈変更について「目的は黒川氏の定年を延ばすことにあった」と踏み込んで指摘した。検察OBはどうみているのか。
 元特捜検事の坂根義範弁護士は「裁判長の誠実さが見られる」と話す。徳地裁判長とは、司法試験合格後に研修する司法修習の同期。「短期間で解釈が変更され、黒川氏の退官に間に合うように進められたことの不自然さを指摘した。素直に事案を見て、国民の視点も踏まえた判断だ」と強調する。
 長年にわたり、63歳(検事総長は65歳)と定められていた検察官の定年。黒川氏と同期で元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「検事の世界では、どんなに有能でも定年には勝てないというのがあった。退官間近の検事はこの高い壁を意識してきた。それが政治的な動きの中でいとも簡単に変更された。これでは特定の目的のために恣意(しい)的な運用を許すことになる」と改めて問題視する。
◆「それだけ政権に便利な人だった」黒川氏
 黒川氏の定年が閣議決定で延長された2020年1月前後は、相次ぐ安倍政権の疑惑への検察の対応に批判が高まった時期。森友学園に関する財務省の文書改ざんや国有地の値引きについて、佐川宣寿元国税庁長官らを不起訴とし、検察審査会の不起訴不当議決を受けた再捜査でも再び不起訴とした。
 安倍氏の後援会による「桜を見る会」前日の夕食会を巡る疑惑で公設第1秘書が略式起訴されたが、安倍氏は不起訴に。河井克行元法相と妻の案里元参院議員の公選法違反事件も発覚していた。
 「安倍政権の守護神」とやゆされることもあった黒川氏。元東京地検検事の落合洋司弁護士は「特定の検事の定年が職務に支障を来すことは通常考えられず、定年延長の必要性はなかった。それでも延長されたのは、黒川氏がそれだけ政権に便利な人だったということだ」と指摘する。
◆「メンツもある」から国側も控訴せざるを得ない?
 今回の判決に対し、国側は「メンツもあり、控訴せざるを得ないのではないか」と落合氏は見通す。「控訴しなければ、これまでの主張がうそだったことになる。組織として認めることはしないはずだ」
 22年7月に安倍氏が死去し、昨年末には自民党派閥の裏金疑惑が浮上。東京地検特捜部が安倍派など派閥事務所を捜索したが、幹部議員の立件は見送られた。今回の大阪地裁判決の翌日に検事総長就任が閣議決定されたのが検察ナンバー2の畝本直美東京高検検事長で、SNSでは一連の処分への批判が出ている。
 前出の若狭氏は、大川原化工機事件や大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で冤罪(えんざい)が相次いでいることなどを挙げ、強調する。「いま検察は岐路に立たされている。危機的状況の検察の信頼回復へ畝本新総長の手腕が問われる」
◆デスクメモ
 アベノマスクの単価黒塗りを巡る訴訟で、国は「ない」としていたメールを「ある」に修正。「公にすると国の利益を害する」等の主張は退けられ、控訴も断念した。情報隠しは「政権への忖度(そんたく)」と識者。約3億枚調達され、約500億円が支払われた政策の結末だった。

 
当記事のメディアはさらに独自でこんな検証報道をしていた。
 
【独自】「軽い気持ちで賭けマージャン続けた」…黒川元東京高検検事長が後悔の供述 刑事裁判記録が本紙請求で開示
  

  
 黒川元検事長を巡る問題 政府は2020年1月に黒川氏の定年を半年間延長する閣議決定をし、検事総長就任を可能にしたが、前例がなく「違法な人事だ」との批判が国会で噴出。検察官の定年を延長できるようにする検察庁法改正案にも後付けとの反発が広がり、成立が見送られた。その直後、週刊文春が賭けマージャン疑惑を報道し、市民団体などが黒川氏を刑事告発。東京地検は一度は不起訴にしたが、検察審査会の「起訴相当」議決を受けて今年3月、黒川氏を略式起訴。東京簡裁が罰金20万円の略式命令を出した。
◆詳しい説明しないまま表舞台から姿消す
 黒川氏は辞職の際、「私の行動は軽率にすぎるもので猛省している」などの短いコメントを出したのみで、事件は非公開の略式裁判で終結。公の場での本人の詳しい説明はなかった。
 黒川氏の供述調書によると、今回の記者らとは旧知の仲で、2019年の検事長就任後は、記者の自宅に月3、4回集まった。「『点ピン』という高くはないレートで、接待マージャン的な要素もなく、仲間内の娯楽の延長という感覚でいた」と供述した。
 一方、取材対象者とマスコミという関係上、対等ではなく「私を中心とした会合の側面もあった」とし、帰宅時に記者のハイヤーに同乗し、取材の場を提供していたことを認めた。「私が賭けマージャンをやめようと言えば3人は応じたはず」と説明し、「軽い気持ちで続けたことを大変後悔し、反省している」と述べている。
記者側の調書によると、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下での賭けマージャンに、記者らは「黒川さんもストレスを感じているのだな」「賭けマージャンくらい付き合ってあげてもバチは当たらないよな」などと言って参加していたという。
◆政治家からの事件捜査巡る働きかけは否定
 黒川氏は当時の政権と近いと言われ、「定年延長問題」では検察と官邸との関係に疑念が持たれた。この点について、黒川氏は供述調書で「官邸をはじめ、政治家から個別事件の検察権行使に働きかけを受けたことはなく、私自身が検察に対して、個別事件に口を出したことは一切ない」と強調している。
 事件報道後、誹謗ひぼう中傷の手紙が届くなどの嫌がらせが続いたことも説明。今後は「弁護士として社会に尽くしたい」と明かしつつ、当面は「自らへの戒めのため控える」とした。「晩節を汚す結果となった」「国民の信頼を大きく損なうことになり、法務検察を愛していた者として慚愧ざんきの念に堪えない」と言及した。
 本紙は今年4月、黒川氏に関する刑事裁判記録の閲覧を東京地検に請求。昨年6~7月と検察審査会の「起訴相当」議決後の2~3月の取り調べに基づく黒川氏の供述調書7点のほか、記者らの供述調書、現場写真など約200枚分の記録が今月初めに開示された。

  
 さらに関連したこんな記事も出ていた。
  
異例人事で炙り出された「思惑」。安倍政権に“好都合な結果”で出世を重ねた「日本初の女性検事総長の夫」の名前
 
■岸田首相につける薬はあるのか。政府が検察トップに初めて女性を据えた思惑
新聞社が報じるニュースには、各社の記者が独自に取材した個別のニュースと、政府が記者クラブに垂れ流した世論誘導のニュースがありますが、今は新聞各紙がネットでもニュースを配信してるので、後者のニュースは簡単に判別できるようになりました。政府が何らかの意図を持って垂れ流す後者のニュースは、どの新聞社の記事も文面と内容がほとんど同じだからです。
で、6月28日(金)の午前10時過ぎ、各新聞社が一斉に報じたのが「検察トップが初めて女性に!次期検事総長に畝本直美(うねもと なおみ)東京高検検事長を起用する人事を閣議決定」というニュースでした。そして、その内容はと言えば、新聞もテレビもすべてのメディアが、ヤタラと「女性」を強調した次のような内容でした。
初の女性検事総長が誕生します。政府は7月9日付けで検察トップの検事総長に畝本直美氏(61)を起用する人事を閣議決定しました。畝本氏は、最高検の総務部長や公判部長を務めた後、広島高検の検事長を経て、2023年1月からは東京高検の検事長を務めています。検事総長に女性が就くのは初めてです。
日本のジェンダーギャップ(男女格差)は何十年も前から先進国の中で最低水準で、先日6月12日に発表された世界経済フォーラム(WEF)の「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート」の2024年度版でも、日本は世界146カ国中118位でした。前年度の125位から小幅に上昇したとは言え「先進国の中で最低水準」であることに変わりありません。
日本は特に、政治・経済分野での女性進出が低迷しており、旧態依然とした男性社会であることが国連からも指摘され続けて来ました。そして、その大きな原因とされて来たのが、政権与党である自民党や、その自民党の巨大スポンサーである保守系や右翼系の団体の前時代的な思想であることも指摘されて来ました。
このような背景で、今回の「初の女性検事総長が誕生」というニュースは、自民党政権にとってプラスの効果をもたらします。だからこそ「閣議設定」という政権内部の者しか知りえない情報を岸田政権はドヤ顔で垂れ流し、すべてのメディアに一斉に報じさせたのでしょう。そして、このニュースを見聞きした多くの国民は「岸田政権もたまには良いことをするんだな」と思ったことでしょう。
それにしても、突然「8月から3カ月間の電気・ガス料金を補助する」と言い出したり、もはや崖っぷちどころか絶賛沈没中の岸田首相なので、なりふり構ってられないのは分かりますが、あまりにも意図が見え見えすぎます。そのため「初の女性検事総長が誕生」という本来は喜ぶべきニュースも、多くの人は懐疑的に見てしまい、中には「岸田政権が初の女性検事総長に抜擢した畝本直美氏は、自民党の裏金議員たちをカタッパシから不起訴にした張本人だ!」などと言い出す人まで出て来る始末。
■「日本初の女性検事総長の夫」が森友事件で果たした役割
こういう勘違いをしている人たちに簡単に説明しますが、自民党の裏金事件を捜査し、85人もの裏金議員たちをカタッパシから不起訴にしたのは、東京地検特捜部であり、東京地検の現在のトップは山元裕史検事正です。一方、岸田政権が検事総長に抜擢した畝本直美氏は、東京高検の検事長なので、今回の自民党の裏金事件には関わっていません。
ザックリ説明すると、検察庁は裁判所に対応して設置されていて、地方検察庁は地方裁判所に、高等検察庁は高等裁判所に対応しています。自民党の裏金事件を捜査した東京地検特捜部は、東京地裁に対応した組織であり、畝本直美氏が検事長をつとめる東京高検は、東京高裁に対応した組織なので、同じ事件を同時に扱うことはありません。
つまり、東京地検のトップである山元裕史検事正が、さらに上のポストに昇格したというのであれば「裏金事件で自民党に便宜を図ったご褒美の人事」と言われても仕方ありませんが、無関係な畝本直美氏への批判はスジ違い…ということなのです。
しかし、畝本直美氏には、こうした誤解が生まれてしまう土壌があったのです。畝本直美氏の2歳年上の夫、畝本毅(うねもと つよし)氏は、東京地検特捜部の副部長、東京高検の検事、大阪地検特捜部の部長、金沢地検の検事正などを歴任して、2017年には大阪地検の次席検事に就任しました。
2017年と言えば、当時の安倍晋三首相の妻の昭恵氏を名誉校長にした小学校の建設のために、9億円以上もする国有地がタダ同然で払い下げられた「森友学園問題」で、国会が紛糾していた年です。この問題を巡って財務省理財局の局長だった佐川宣寿氏や、近畿財務局が行なった公文書の改竄や隠蔽などの捜査を担当していたのが、大阪地検特捜部の山本真千子部長でした。そして、その直属の上司が、大阪地検の次席検事だった畝本毅氏だったと言われています。
翌2018年3月7日、近畿財務局の職員だった赤木俊夫氏が自殺し、上司から公文書の改竄を命じられていたことが発覚しました。そして同年5月31日、大阪地検は大阪中之島合同庁舎で「森友学園問題の捜査終結」の記者会見を行ないました。会見には、告発された財務省関係者38人全員を不起訴処分とした山本真千子部長、新河隆志副部長らとともに、直属の上司である畝本毅氏も同席しました。
しかし、山本真千子部長は「真相を解明するため慎重に検討した」と述べるばかりで、どうして関係者全員を不起訴処分としたのかについての具体的な説明はありませんでした。また、安倍首相など政治家の関与についても「お答えを差し控える」と、国会で良く聞くセリフを繰り返してお茶を濁し、9億円を超える国有地がタダ同然になった理由についても、まったく説明されませんでした。
そのため、野党からは「何も解明されていないのに安倍政権が検察とグルになり強引に幕引きを図った」と強く批判されたのです。しかし、安倍政権にとっては百点満点の結果となり、畝本毅氏は、翌2019年には大阪高検の次席検事へ、2021年には大阪地検の検事正へ、2022年には高松高検の検事長へと順調に出世し続け、2023年7月に定年退職しました。
この1年ごとの出世というバタバタした人事には、毎年莫大な退職金が貰えるというスーパーボーナスがもれなく付いて来るので、毎月の電気代やガス代にも苦しんでいるあたしのような庶民には、本当に羨ましい限りです…なんて愚痴もこぼしてみつつ、今回の畝本直美氏の検事総長就任のニュースと同じタイミングで報じられたのが、4年前の「東京高検の黒川弘務検事長の定年延長問題」に関する大阪地裁の判決のニュースでした。
■大阪地裁が出した自民党に忖度なしの「真っ当な判決」
今回の自民党の裏金問題を告発した神戸学院大学の上脇博之教授は、裁判に出廷するためにスーツを着ていても、トレードマークの頭のバンダナは外さないという徹底したバンダナ愛好者ですが、それはそれとして、上脇教授は、こちらの黒川弘務氏を巡る疑惑についても、自らが原告となって訴訟を起こしていました。
安倍首相が嘘と虚勢だけで8年近くも政権を維持して来られたのは、2014年に設立した「内閣府人事局」によって国家公務員の人事権を人質にし、各省庁の高級官僚たちを思い通りに操ったからですが、それは検察にも及びました。当時の東京高検検事長だった黒川弘務氏は、菅義偉官房長官と極めて近い関係で、安倍首相の希望は菅官房長官を通して黒川検事長へと伝達されていました。

安倍首相はこの便利な飼犬を失いたくなかったため、2020年2月に定年を迎える黒川検事長の定年を延長し、検事総長に就かせようと目論んだのです。そして、長年にわたる「国家公務員法の定年延長制は検察官には適用されない」という政府見解を、法務省に指示して2020年1月までに「検察官にも適用される」と変更させたのです。
この法務省内での協議に関する記録が開示されれば、安倍首相が人事権を人質にして法務省に圧力を掛け、白いものを黒と言わせた悪事の証拠が白日の下に晒される可能性もあるのです。そのため上脇教授は、2021年9月、その協議記録の開示請求を行ないました。しかし、法務省は「文書は作成していない」と嘘をつき、不開示とされたのです。そこで上脇教授は「公文書管理法で文書の作成が義務づけられている」と異議を唱え、2022年1月に提訴しました。
すると法務省は、定年延長制を検察官にも適用されるように変更した文書の存在は認めたものの「黒川氏のケースとは無関係」などと、これまた苦しい嘘をつき、開示請求の棄却を求めたのです。「無関係」だと言うのなら、それこそ堂々と開示すればいいじゃないですか(笑)。
そして、昨年12月には、当時の法務事務次官だった辻裕教(つじ ひろゆき)氏が証人として出廷し、「定年延長は当時の安倍首相が重用していた黒川氏を検事総長にするためだった」という上脇教授の主張に対して「そのようなことはない」と否定しました。こうした流れから今回の判決に至ったわけですが、大阪地裁の徳地淳裁判長は次のように述べました。
「当時の安倍晋三首相が閣議決定を行なった日は、黒川弘務氏の定年退官予定日のわずか7日前であり、黒川氏の他に該当者が1人もいないことから、検察官の定年に関する解釈変更は、黒川氏の定年延長が目的だったと考えざるをえない」
そして、徳地裁判長は法務省に「文書の開示」を命じたのです。ただし、安倍首相が法務省に指示したとされる文書の開示は、証拠がないとして退けられてしまいました。ま、どちらにしても、法務省はナンヤカンヤと屁理屈を並べて、毎度お馴染みの「海苔弁」を開示するのでしょうが、それでも、最近は沖縄の辺野古の新基地に関する訴訟など、司法たるものが自民党政権におもねった不当判決ばかり連発していたので、久しぶりに真っ当な判決を見て胸がスッキリしました。
それにしても、時の首相がここまで法を捻じ曲げて自分の飼犬を東京高検の検事総長にしようと目論んだのも束の間、肝心の黒川弘務氏本人が、新型コロナ禍で外出が制限されていた時期に、身内の新聞記者らと賭け麻雀を打っていたことがバレちゃって辞職って、あまりにもアッケない幕切れでしたよね。
■「バカにつける薬はない」という言葉しか浮かんでこない現状
そして、安倍首相の負の遺産をそのまま受け継いだ現在の岸田文雄首相も、安倍首相と同じく「閣議決定」で、畝本直美氏を東京高検の検事総長に抜擢しちゃったのです。畝本直美氏本人には何も問題がないとは言え、検察トップの検事総長を、支持率が20%にも満たない崖っぷち政権が「閣議決定」だけで決めるなんて、とんでもない話です。それも、下落が止まらない支持率に歯止めを掛けるための「国民へのアピール人事」なのですから、もはや完全に「権力の私的流用」としか言いようがありません。
安倍首相の場合は、自分が悪事を働いている自覚を持ちながら「閣議決定」を連発していたのですから、ある意味、スジだけは通っていました。しかし、岸田首相の場合は、自分がやっていることが悪事なのか何なのかも分からずに、すべてその場の思いつきで権力を乱用しているのです。
その最たるものが、能登半島地震には半年が過ぎた今も補正予算すら組まずに予備費だけで小規模に対応しているくせに、海外にはバラ撒き放題という「税金私物化」なのです。そして、これもまた「外交成果による支持率回復」が狙いなのですから、まったくもって何をか言わんやです。岸田首相を見ていると、もはや「バカにつける薬はない」という言葉しか浮かんで来ません。


 
さて都知事選の投票日まで今日を入れてあと2日の選挙運動となった。
 
ここにきて小池百合子と手デベロッパーとの癒着ぶりの実態が明るみになっている。
 

 
そして突然のごとく「時の人」になり、無党派層に食い込んでいるといわれている安芸高田市・石丸伸二前市長にもこんなありがたくはない裁判結果が出ていた。
 

 
まあ東京都民ではないオジサンだが、やはり「嘘つき百合子」は許されない。
 
東京都知事選の選択肢に『小池百合子』はない
    
先日6月29日「SAVE神宮外苑ミーティング」に参加してきた。今小池都政が進めている神宮外苑再開発に反対する人々が集まり、私も発言した。
 私が現在住んでいる鎌倉市の多くは風致地区になっていて、15メートル以上の建物は建てられず、一軒家の住居には20%の植栽が義務化されている。そのために空が広く緑が豊富だ。この空と緑は市民に貧富の差なく平等に与えられた財産だ。
 そして大正時代に作られた風致地区の第1号が明治神宮と外苑である。だから神宮外苑は空が広い。だが新宿区は100年続いた外苑の風致地区を一番厳しいA、B地区から規制の緩いS地区に、議会にも諮らずに変えてしまった。そのせいで神宮球場と秩父宮ラグビー場の位置を入れ替え、最高190メートルの高層ビル商業施設を3つも建てることが出来る。
 これは都の要請で行われた。地権者は明治神宮、開発は三井不動産や伊藤忠。何百本もの木が切られることに反対運動が起きている。
 寺も神社も経営は大変だ。再開発もしたいだろう。しかしそれを許しては自然も景観もめちゃくちゃになってしまう。そのための風致地区の規制だ。むしろ都が待ったをかけなければいけないのだ。
 だがむしろ小池都政は開発に前のめりだ。外苑だけではない。葛西臨海公園も、晴海の選手村跡地も、そして「豊洲は守る、築地は活かす」と大見えを切った築地は大きなスタジアムと商業施設になろうとしている。それらもまた三井不動産。そこに都庁から何十人も天下りしていた。これはもう江戸時代の悪代官と越後屋ではないか。
 その悪代官小池都知事は、選挙戦でフリーランスの記者から逃げ回っている。公務があるからと街宣を避け、週末は八丈島や奥多摩など、大勢の人が来ない場所にいる。先日はあろうことか船上から川べりに呼びかけた。タヌキが乗る船はカチカチ山では泥舟だ。緑のタヌキは沈まないといいが。
 爆笑問題の太田氏は「蓮舫さんは怖くならないように笑ってるが、その笑顔がまた怖い」とヤユしたが、私は小池さんの、八丈島で、過去の「排除」発言を引き出した顔馴染みの横田記者に「つばさの党の人?」と言い放った笑顔が、「私の築地の友達は小池さんに怒ってる」と言った田母神氏に「お友達は選ばれたほうが」と言い放った小池さんの笑顔が怖い。
 その築地の女将さん会の皆さんは今回は蓮舫氏の街宣にいた。小池さんには「だまされた」と嘆く。
水道橋博士が「『蓮舫』と『れんほう』の二択だったが『蓮舫』に投票した」と言っていた。
 そうだ。空と緑が財産の多くの都民の選択肢には「小池」はない。

  
 七夕の日の都民の良心に期待するしかない、とオジサンは思う。 

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