自身の宗教・信仰について問われることはなく、神道の布教は目的としていない神道政治連盟。
昨年の7月21日時点で295名(衆議院議員:218名、参議院議員:77名)で安倍晋三が会長だった。
その安倍晋三の葬儀が浄土宗の仏教寺院の増上寺で行われたという、無宗教の日本人ならではのことなのだが、まず欧米諸国ではありえない話であろう。
見方かえれば、自民党の多くの国会議員連中は「宗教はあくまで集票手段」という位置づけであった。
したがって、選挙の時に無報酬で働いてくれる統一教会の信者たちは使い勝手の良い戦力であったのであろう。
そのような宗教の広告塔になっていた安倍晋三をナント国葬とするという。
「首相記者会見 首相『暴力に屈しない決意世界に示す』 『国葬』実施を表明」
なぜ、合同葬ではダメなのか。
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) July 14, 2022
安倍氏の「大規模な葬儀」秋に実施へ
戦後に国葬が行われたのは1967年の吉田茂氏のみ。
法的根拠となる「国葬令」は1947年に失効したものの、吉田氏の国葬は例外的に行われた。それ以降、首相経験者の国葬は一度もない。 https://t.co/zFKkYcr9AH
自民党と合同葬儀となれば、きわめて政治色が強くなるとの声もある。
法政大学大学院白鳥浩教授はこう指摘していた。
「国と自民党の合同葬ということであれば、非常に政党色が強いものとなる。それを避けるという意味でも国葬にしたのであろう。
筆者が提起したように、暴力により人命を奪うということは普遍的に認められるものではない。そうした普遍的な日本の暴力を否定する価値を国際的に発信するという意味からも、その趣旨をしっかりと明確にして臨むことが必要だろう。
諸外国からの弔問も多くなると考えられる。そこには紛争している当事国の代表も含まれるだろう。そこでいのちの重みを訴え、暴力を否定するのは75年以上平和を維持している日本にしか訴えることはできない。
そうした価値観を示すこととなる機会とすることで、暴力により命を奪われた安倍氏の事件を風化させないことが必要だろう。」
まあ、そのような価値観を占めることには異を問うことはないのだが、岸田文雄が国葬のために掲げた理由には賛成しかねる。
①(第1次政権、第2次政権あわせ)憲政史上最長の8年8カ月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力をもって厳しい内外情勢に直面するわが国のために首相の重責を担った
②東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開など大きな実績をさまざまな分野で残した
③外国首脳を含む国際社会から極めて高い評価を受けている
④民主主義の根幹たる選挙が行われている中、突然の蛮行により逝去されたものであり、国の内外から、幅広い哀悼・追悼の意が寄せられている。
すんなりと受け売られる内容ではないであろう。
これだけ疑惑まみれの人物を国葬にすることについて、岸田首相に何の躊躇もないことが信じられない。
— 前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民) (@brahmslover) July 14, 2022
①については、戦後最長政権という「長いだけ」であり、数を背景にした強行採決の連発がはたして「卓越したリーダーシップと実行力」といえるのか。
②は、何度でもいうが、2013年秋、アルゼンチンで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京への五輪招致演説の冒頭で、当時の安倍晋三はこう言い切った。
「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御(アンダーコントロール)されています」
この有名な真っ赤な国際的な大嘘によって、福島の復興は遅れ、依然として元の地域に帰れない住民も多く存在する。
③は外務省が命名したとされる「地球俯瞰的外交」を私人の安倍昭恵を引き連れて各国に日本の税金を大量にバラまいたおかげで、「国際社会から極めて高い評価」となっただけである。
④は、安倍晋三と統一教会の深い闇が根底にあり、違法献金強要の広告塔になったことによる自業自得であろう。
ネット上ではこんなコメントがあふれていた。
言葉が上滑りし響いてこない。今回の悲劇は、選挙のためにはいかなる支援団体でも維持しようとする民主主義の弊害が露呈した問題。祖父の代から続く自民党、安倍氏と統一教会との蜜月はこれまで何度となく報じられてきた。広報誌の表紙を飾る等、事実上広告塔として機能していた。かつては同協会から多くの秘書が派遣され、菅内閣では実に9名の閣僚が関係者との告発記事も出た。今回の参院選でも、安倍氏の側近中の側近、首席秘書官も務めた井上氏への統一教会の全面支援が報じられている。犯行は断じて許されるものではないが、霊感商法等社会問題にもなり多くの被害者を生んだ悪名高い団体と何とか決別できなかったものか。綺麗事を言うなら岸田首相も先頭に立って自浄機能を発揮し、組織に深く食い込んだこの病巣を取り除く努力をして欲しい。ズブズブの関係にある政治家の目を覚めす意味でもマスメディアは逃げずに正面切ってこの問題に取り組んで欲しい。 |
安倍氏個人に対して各人が自由に追悼の意を示すことは何一つ異存はない。しかし「国」が決めることだろうか? もし仮に、安倍氏が「暗殺」されなかったとしたら、国葬になることはなかっただろう。ということは、結果的に「暗殺」に意味づけをしてしまうのではないか? 犯人は民主主義に戦いを挑んだわけではなく、あくまで宗教組織に対する逆恨みが理由とされている(結果的に民主主義の否定ではあるけど)。ならば民主主義を守ることも大事だが、それと同等に宗教組織への問題にも切り込むべきではないか? |
“犯人は民主主義に戦いを挑んだわけではなく、あくまで宗教組織に対する逆恨みが理由とされている”
文春が彼の生い立ちを記事にしていますが、カルト教団に搾取され破壊された容疑者の人生があまりに壮絶で、そのものすごい孤独感と絶望感がずんと心にのしかかりなんとも言えない気持ちになった。 |
やはり、この際なので政治と宗教のズブズブな関係を明らかにしなければならない。
「日本の闇は自民党政権と不気味な宗教団体の怪しい関係」
「統一教会とUPFが一体なのは周知の事実だし、そもそも、安倍元首相が率いた清和会(安倍派)と統一教会の関係が深いことは、政治記者ならみんな知っているはずです。統一教会の日本国内での組織化にあたっては、安倍元首相が敬愛してやまない岸信介氏が後ろ盾になった。当時は“反・共産主義”で一致していたからです。それ以降も、自民党の清和会の議員事務所を中心に、統一教会から秘書が送り込まれてきた。秘書として訓練されていて無償で働いてくれるから重宝されたのですが、彼らには明確な目的があった。まずは秘書になり、中枢の情報を入手して議員の弱みを握り、あわよくば自分も議員になるという組織的な戦略です。統一教会は霊感商法や合同結婚式などで日本で社会問題になった団体なのに、冷戦終結以降もその関係は維持されてきたということが、今回の事件で白日の下にさらされた。これは極めて重大な問題です」(政治評論家・本澤二郎)
「統一教会と近い政治家は、安倍政権で大臣や副大臣、政務官に登用される傾向が顕著になった。統一教会と仲良くし、協力関係にあった方が早く出世できるという認識が浸透し始めた。これはマズいということで、全国会議員に反社会的団体である統一教会にエールを送るような行為はやめていただきたいと繰り返し要望してきた。安倍さんが統一教会と仲良くすることに開き直り、憂慮していました」
(全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口広弁護士)
「安倍元首相は、表の外交面では韓国に強硬策を取って反韓感情を煽り、岩盤保守層の支持を得てきましたが、裏では韓国の宗教とズブズブだったわけです。本来なら“韓国第一主義”の統一教会とは相いれないはずなのに、選挙の集票や動員、献金などで世話になり、見返りにイベント出席など国会議員側からの協力でカルト宗教にお墨付きを与えてきた。安倍元首相を保守政治家と信じてきた人にとってはショックな事実かもしれませんが、タカ派と言われる議員ほど、統一教会と縁が深いことを直視すべきです。暗殺によってパンドラの箱があいてしまった。統一教会は海外ではカルト認定されている。カルトと手を切れるのか、自民党の体質が問われています」
(政治評論家・本澤二郎)
「自民党の中でも清和会はとりわけ新興宗教との関係が深い。森喜朗元首相から小泉元首相、安倍元首相と清和系の政権が続く中で、宗教団体の影響力が増したことは否めません。安倍元首相の悲願とされた憲法改正は、自民党を支援する神政連や日本会議も強力に後押ししており、第2次安倍政権になってからは、神社に改憲啓蒙ポスターが張られるほど改憲運動は一体化しています」
(自民党関係者)
「かつては、統一教会などのイベントに国会議員が参加しても名前は伏せていたものですが、第2次安倍政権以降、双方とも隠さなくなった。国会議員が『統一教会系の組織が後援会をつくってくれた』と自らSNSでアピールしていたこともあるくらいです。しかも、統一教会と日本会議、神政連は家父長制という伝統的な家族観を重視している点で一致している。思想を自民党議員と共有し、共鳴し合っているということは間違いないでしょう。安倍元首相の不幸な事件は、大メディアが宗教との癒着をきちんと批判してこなかったツケという一面もあるかもしれません」(ジャーナリスト・藤倉善郎)
「米紙が斬る「統一教会にとって日本は大事な“金づる”だ」 教団が安倍晋三を重宝した理由」
1982年、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開催された統一教会の合同結婚式
安倍元首相の殺害事件を受けて旧統一教会に厳しい目が向けられるなか、米紙「ワシントン・ポスト」がその資金源と大物政治家との関係に斬り込んだ。元教会幹部やカルト研究者らに言わせれば、日本はこの世界的教団の富の7割を生み出す「金脈」だという。 霊感商法で儲かる世界帝国 悲嘆にくれる高齢者を狙う訪問販売と、著名な政治家との人脈づくり──世界平和統一家庭連合(旧統一教会)はこの両輪により、数十年をかけて日本を最も当てにできる「金脈」として確立してきた。 教祖・文鮮明が築き上げたスピリチュアルで儲かる世界帝国を研究してきた専門家たちはそう指摘する。 そして今、日本の安倍晋三元首相殺害の容疑者が「特定の宗教団体」に恨みを抱いていたと警察に供述し、旧統一教会が容疑者の母親は信者であると認めたことにより、この国で長らく物議を醸してきた同教会に再び厳しい目が向けられている。 日本の報道によれば、山上徹也容疑者は警察の取り調べで、母親が宗教団体に巨額を献金するよう圧力をかけられ破産したと話している。旧統一教会・日本会長の田中富広は7月11日に会見を開き、山上の母親が1998年頃から信者であることを明かしたが、献金額については情報がないとした。 旧統一教会は日本で何十もの教会施設を管理しており、安倍の銃撃現場から数百メートル離れた場所にある奈良支部もその一つだ。 安倍は他の多くの世界的指導者と同様に、旧統一教会関連のイベントに登壇し、講演料を得ていた。直近では2021年9月に開催された行事にビデオメッセージを送っている。 それは、文鮮明の妻で教会内で「真の母」と呼ばれる韓鶴子が主催したイベントだった。文鮮明の死去後に教会トップを務める韓鶴子に対し、安倍は「世界の紛争解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けた、あなたのたゆまぬ努力に深く感謝いたします」と述べた。 このイベントには、ドナルド・トランプ前米大統領もリモート出演し、文鮮明と韓鶴子を称えている。 英紙が「安倍晋三と統一教会の関係」に迫る─それは祖父・岸信介の時代から「公然の秘密」だ 政治家から「お墨付き」をもらうために… その歴史を通して、旧統一教会と関連団体は、世界の政治指導者や有名人、他の宗教の著名聖職者を講演に招くために高額を支払ってきた。これは、有名で尊敬される人物と教会を関連付けることによって信用を勝ち取るための長年の戦略である。 |
安倍晋三は平均的な日本人男性よりは身長も体重も上回っていたのだが、「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」とささやかれていたほど、国民から集めた税金を自分のカネのごとく海外でバラマキ、米国からは「日本のATM」といわれるほど、特にトランプ前米国大統領からは、戦闘機を始めミサイルやイージス艦などを米国の言い値で買わされていた。
けっして日本の安全保障面からの防衛ではなく、米国の機嫌を取ることに比重が置かれ、むしろ「売国奴」と呼ばれてもおかしくはない振る舞いをしてきた。
そんな安倍晋三が何で「国葬」なのか、禍根を残す岸田文雄の判断であった、とオジサンは思う。