まだまだ兵庫県知事を巡る問題は尽きないようである。
「兵庫県警本部長が立花孝志氏の発言を全面否定 元県議死亡を巡り」
兵庫県の文書告発問題を調べる県議会調査特別委員会(百条委)の委員だった竹内英明元県議(50)が死亡したことについて、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)が動画サイトなどで「逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などと発信した。これについて、県警の村井紀之本部長は20日、「竹内元議員について任意の調べをしたこともないし、ましてや逮捕するというような話は全くない」と全面的に否定した。県議会警察常任委員会で答弁した。 村井本部長は「基本的に個別案件の捜査について言及することは差し控えているが、事案の特殊性に鑑みた」として答弁。「全くの事実無根で、明白な虚偽がSNS(ネット交流サービス)で拡散されていることについては極めて遺憾だ」と述べた。毎日新聞の取材に対し、複数の県警関係者も「竹内氏は捜査の対象になっていない」と否定している。 |
刑法第230条第2項により、死者の名誉を毀損する行為については、虚偽の事実を摘示した場合にのみ処罰される。死者に関する事実は歴史的批判の対象となるため、真実である限りは処罰する必要はないと考えられているからだ。竹内英明元県議が亡くなったことについて、その直後に、「竹内氏が兵庫県警から任意の事情聴取を受けていた。逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などYouTubeチャンネルで公言した立花孝志氏の行為は、兵庫県警が、その事実を完全否定しているのであるから、竹内氏の死亡という歴史的事実を、死亡の直後に冒涜したものであり、「死者の名誉毀損」の典型事例と言うべきである。死者の名誉毀損の告訴権者は、遺族または子孫であるが、兵庫県警も、このような虚偽の情報を流布されることによる実質的な被害者とも言える。ただちに、竹内元県議の遺族に告訴意思を確認した上、告訴が行われれば速やかに捜査に着手すべきであろう。(郷原信郎) かつて昭和時代には保健所による街の「野犬狩り」があったことを思い出した。 もはや平成の時代には町からは野犬がいなくなったが、残念ながら「SNS」というインターネット空間には新しい「立花孝志」という野犬がはびこってしまい早急に国家権力によって狩り取るべきであろう。 まあ野犬ではないがメディアの世界には昔から悪しき習慣が蔓延っていたらしいのだが、そんな不祥事を組織のトップがあたかも隠蔽していたことが明るみに出れば、やはりその世界から退場願うしかない。 「経営危機も深刻化…果たして国や国会はどう対応?「フジから免許を取り上げろ」の正論」
火に油を注ぎ、このテレビ局に真相究明も自浄も任せられないことがハッキリした社長会見。スポンサーは蜘蛛の子を散らすように逃げ出し、恐らく国会でも追及必至、BPOも動き出しそうな中、さあ、政治はどう動く? ◇ ◇ ◇ 一体、何のための社長会見だったのか。 元SMAPの中居正広の女性トラブルをめぐり、幹部社員の関与が「週刊文春」などに報じられているフジテレビ。昨年来、港浩一社長はじめフジ上層部は「社員の関与はない」と断言し、知らぬ存ぜぬを決め込んできた。先週末の17日にようやく、この問題について会見を開いたものの、あまりにナメた対応に世論は猛反発だ。問題の沈静化どころか、火に油を注ぐ格好になっている。 フジは会見から週刊誌やネットメディアを締め出し、参加できたのは「ラジオ・テレビ記者会」という記者クラブ加盟社のみ。しかも、動画撮影は禁止ときた。テレビ局の会見でテレビカメラ禁止だなんて、噴飯モノだ。会見終了までニュース番組などでの情報発信も認められなかった。では、会見の時間帯にフジは何を放送していたかといえば、トム・ハンクスとメグ・ライアンが共演したラブコメディー映画「めぐり逢えたら」だった。 メディア文化評論家の碓井広義氏が言う。 「フジ上層部は、自分たちが置かれた危機的な状況が分かっていないのではないかと感じさせる会見でした。メディアを制限し、何を聞かれても『調査委員会にゆだねる』と繰り返すばかりで、報道機関としての役割を自ら放棄してしまった。フジには検証能力も自浄能力もないと言っているようなものです。こんな会見なら、やらないほうがマシだったかもしれません。阪神・淡路大震災から30年という節目の17日に会見をぶつけてきたことにも違和感を覚えました。この日にメディアが報じなければならないことはたくさんある。それでフジの問題の扱いが小さくなるという計算があったとすれば言語道断です」 ■CMは次々と「AC広告」に フジの港社長は今後、「第三者の弁護士を中心とする調査委員会」を立ち上げると説明したが、時期やメンバーは未定だという。それに、この調査委員会は日弁連のガイドラインに基づく「第三者委員会」とは別物だ。紛らわしい言い方でゴマカしていたが、「第三者の弁護士を中心」とした社内調査では、どこまで独立性が担保されるか分からない。真相究明なんてハナから期待できそうにないのだ。 社長の会見直後からSNSを中心に批判の声がみるみる広がり、スポンサーも蜘蛛の子を散らすようにフジから引き始めた。 すでに大手スポンサーのトヨタ自動車、日本生命保険、明治安田生命保険、NTT東日本などが当面のCM差し止めを決定。フジの放映番組はCMが次々と「公益社団法人ACジャパン」に差し替わっている。 「スポンサー企業が離れて初めて重大さに気づき、フジ上層部は慌てているのではないか。不祥事発覚などで企業側が個別の番組のスポンサーを降りることはありますが、今回のようにフジテレビという放送局そのものに対して『NO』を突きつけたのは前代未聞です。フジでCMを流すことが自社のイメージを毀損すると判断したナショナルクライアントが、いち早く手を引いた。この流れは止まらず、他社も追随することになるでしょう」(碓井広義氏=前出) 大株主の外資ファンドからの圧力で会見を開いたものの、逆効果でスポンサーが続々と離脱。株価下落や視聴率低下も避けられない。経営危機が深刻化すれば、株主代表訴訟を起こされる可能性もある。 ■もはや報道機関を名乗る資格はない 発端は中居と女性とのトラブルだとしても、これはフジテレビという組織の問題だ。もはや経営陣が辞めて済む話でもないが、このまま誰も責任を取らなければ、フジを取り巻く環境は悪化する一方だろう。ネットを中心に、「フジから放送免許を取り上げろ」という声も日増しに大きくなっている。 報じられているように、フジ幹部が女性社員をタレントに“上納”することが常態化していたとすれば、重大な人権問題である。そんな暴挙が横行し、見過ごされてきた企業風土は報道機関として適切なのかという疑問が視聴者の間に急速に広がっているし、この問題が表面化してからのフジの対応は組織的な隠蔽と言われても仕方がない。 「公共の電波を預かるテレビ局が取材制限をし、会見の中継もさせないというのでは、国民の知る権利に応えていないことになる。他の企業や政治家の不祥事には、フジも遠慮なくテレビカメラを向けてきたはずです。今後、不祥事会見などで『フジと同様にテレビ撮影はNG』と言われたらどうするのか。悪しき前例をつくったフジには抗議する資格すらないのです。『社会の公器』が聞いて呆れる。フジにはもはや報道機関を名乗る資格はなく、メディアとしての使命を果たすことはできません」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学) ■ジャニーズと同じ道をたどる フジはこれまでも「テラスハウス」に出演していた女性が亡くなった件など人権や倫理に関する問題で「放送倫理・番組向上機構(BPO)」からたびたび指摘を受けてきた。今回も、BPOが動き出す可能性がある。 BPOの委員を務めたことがあるジャーナリストの斎藤貴男氏も本紙取材に対し、「この問題こそ、放送界の自主規制機関であるBPOで取り上げるべき」「BPOの審査対象は個別の番組だが、中居さんの出演番組という切り口でフジの問題を取り上げることができるはずだ」と話した。 「人権問題としても、メディアのあり方としても重大な疑義がありますから、今月から始まる通常国会でも取り上げる必要があるでしょう。フジテレビは政治家の子息が数多く入社していることでも有名ですが、そういうコネで不祥事を隠蔽できるような時代ではありません。問題に無理やりフタをしようとしても、世論が許さない。フジテレビが免許事業者としてふさわしいのか、国会できっちり審議すべきです」(五十嵐仁氏=前出) 自民党は第2次安倍政権下で放送法の「政治的公平性」をめぐる解釈変更を画策した。「ひとつの番組でも判断し得るケースがある」と「停波」までチラつかせたものだ。今回は番組どころか、テレビ局全体の問題だが、重大なコンプライアンス違反があった場合、果たしてどう対応するつもりなのか。 ただでさえ少数与党で国会運営は綱渡りなのに、野党の追及は必至だ。 創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題も、国会の野党ヒアリングなどで被害者が証言して事態が大きく動き出した。事務所が性加害を認め、被害者への補償業務も始まった。 ジャニーズの問題は、長年にわたって見て見ぬふりをしてきたテレビも“共犯者”だが、フジテレビは一連の経緯から何も学んでいないように見える。隠蔽体質や後手後手対応、お粗末会見から火だるまになった流れはそっくりだ。 タレントのテレビ出演やCM起用の見合わせが相次ぎ、結局、ジャニーズ事務所は消滅。このまま行けば、フジテレビも同じ道をたどるしかない。 |
|
そろそろ民放テレビ局の淘汰がはじまる時代になったったのではないだろうか、とオジサンは思う。