新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

もはや自民党は上から下まで正気を失っているのか

2024年05月14日 11時56分18秒 | 自民党がなくなる日

昨日の「昭和型の人材ではDXは実現不能」というつぶやきの中で、「外交敗北…!岸田総理は訪米後、バイデン大統領から思いっきりはしごを外されていた」という記事を紹介した。
 
それを補完する如く、半農半ジャーナリストの高野孟は岸田がはしごを外されたという米国内事情にを詳説し、それに気づかなかった岸田文雄と岸田文雄の米国での演説を美化した国内メディアをこっぴどく批判していた。 
  
日本は正気を取り戻せ。中国との関係“破綻防止”に本腰を入れ始めた米国に気づかず議会で中国批判をぶち上げた岸田の錯乱

■知らぬは日本ばかり?米中関係の“破綻防止”に動き始めたアメリカ外交筋と何も知らずに梯子を外される岸田政権
何につけてもキッパリと決断して迅速に行動しそれなりの国際的影響力を発揮しようとするのが、良かれ悪しかれ米国の外交政策の伝統だが、それとは正反対に、オズオズとした発言やオロオロとした態度を繰り返す見苦しい姿を曝しているのがバイデン政権である。
■政府機関の崩壊を呼び起こしているバイデンのオロオロぶり
分けても酷いのが、ガザ地区のパレスチナ人に対するナチスも顔負けの無差別大量殺戮を続けるイスラエルに対する優柔不断な姿勢で、バイデンは口ではそれを批判するかのようなことを言って若者世代の抗議に迎合しながら、実際には殺人のための武器・弾薬の提供を続けている。そうなってしまうのは、軍産複合体によるホワイトハウス・議会に対する買収工作や、ユダヤ人大富豪による巨額政治献金による政治家の奴隷化やメディアに対する資本支配がかつてなく強まっているからである。
この状況の深刻さを示すのは、5月12日付読売新聞が大きく取り上げているように、ガザ政策に抗議して辞職する国務省はじめ政府職員が相次いでいることである。ハラ・アーリットは18年間のキャリアを持つ女性外交官で、アラビア語で米国のメッセージを発信する仕事に携わっていたが、イスラエルによるジェノサイドを支持するかの発言を公にすることを拒み、辞職した。また、国務省で武器移転を審査する部局に勤めていたジョッシュ・ポールはイスラエルへの大規模な武器移転の承認を求められ、辞職を決めた。彼は「私が知る限り、連邦政府にはガザ政策に反対してやめた人が4月だけで20人以上いる」と語っている。
バイデンのオロオロぶりが国務省はじめ政府機関の崩壊を呼び起こしているのである。
■もしトラ」対策のためでもある対中関係の修復作業
ウクライナに対する軍事支援と台湾有事切迫論の扇動も、軍産複合体による武器輸出市場の開拓意欲に政治が引き回されている点では同様と言える。が、ウクライナは、バイデンが自分の息子のウクライナにおけるエネルギー・ビジネス利権のことも含めて踏み込みすぎているので、収拾の目処をつけるのは難しいだろう。それに対して「中国脅威」の方は、まだ本格的な軍事紛争に至っておらず、仮に至れば世界秩序破壊の引き金にもなりかねない重大な事態となることが分かり切っているので、これを未然に回避しようとする議論が米外交政策マフィアの間で始まっている。
これは彼らにとっての「もしトラ」対策のためでもあるだろう。米国の対中国姿勢のブレがこれほどまでに大きく混沌としたまま仮にトランプに勝ちを許すようなことになれば、待っているのはそれこそ全世界にとっての大迷惑であるばかりか、誰よりも米国自身にとって自殺的な大破局なので、その衝撃を未然に小さくしておかなければならないということなのだろう。3つの最新の事例を紹介する。
(1)ロリー・トゥルーエクス「さあ皆さん、中国についてここで深呼吸を」(NYタイムズ5月7日付オピニオン欄)要旨
著者は米プリンストン大学の政治・国際関係の准教授で、同大では中国政治を講じている。書き出しが面白くて……
▼扁桃体は脳の基底部にある一対の神経群で、危険を察知しそれと闘うか逃げるかを素早く判断するのを助ける。が、余りに長く不安へのストレス反応を続けていると、実際には存在しない危険を感じてしまったり、最悪シナリオを思い描いてしまったりする。今、米国の国家機関の全体は、慢性的な中国不安症を病んでいる。ほとんど何にでも「中国の」という形容詞を付けるだけで政治システム内に恐怖反応を引き起こし、脅威を適切に判定しその前後関係を見極めるという能力を混濁させてしまう。
▼/米議会は中国人所有のソーシャルメディアであるTik Tokの販売を押し留めようとしてきた。/いくつかの州は中国の個人・団体が米国の土地を保有したり中国人研究者が米国の大学で働くのを規制しようと企ててきた。/連邦政府は技術力を持ついくつかの中国系企業が市場で競争に参加することを禁止してきた。――国家安全保障上の理由で採られたこれらの行き過ぎた方策は、中国政府がやっていることと瓜二つで、詰まるところ米政府に対し中国のようにもっと閉鎖的になれと要求しているようなものなのだ。
■精神錯乱のようにしか見えない「中国の脅威」に関する議論
▼去る1月にはリック・スコット上院議員が中国製のニンニクの輸入を禁止する法案を上程したが、その際に彼は、それが人糞を肥料としていることを以て国家安全保障上の脅威となりうると主張した。また最近、トム・コットン上院議員らは国防総省が米国籍の個人教授システム会社Tutor.comと契約するのを禁止する法案を出したが、その理由は、同社が香港籍の会社に買収されたため、中国政府が裏口からペンタゴン内に入って個人情報などを収集する危険があるとのことだった。このような「中国の脅威」に関する議論の多くは、精神錯乱のようにしか見えない。
▼こうした中国怖い論の最も憂慮すべき結果は、中国系米国人に対する「新黄禍論」とも言うべき差別である。私と、私の中国研究の同僚とで最近、2,500人の米国人を対象に行った調査では、米国生まれの中国系米国人が米国の情報機関に就職することは許されるべきかどうかとの問いに、27%がより厳しくアクセスを制限すべきだと言い、14%がアクセスを禁ずべきだと答えた。これはあからさまな人種差別主義であり、余りに多くの米国人が、政治家どもの言説に惑わされて、中国政府と中国系の人々との間に敷かれるべき境界線が見えなくなっていることを示す。
▼中国は恐るべき地政学的なライバルである。しかし、ニンニクや個人教授システムが米国の国家安全保障上に有意の脅威を及ぼすようなことなどあり得ない。そんな言い方をすれば、我々の政策議論が真面目さを欠くものであることを曝け出すことになるばかりでなく、アジアの〔数千年の歴史的文化的な〕遺産を引き継ぐ〔中国系の〕人々に対し安全でない環境で生きることを強要することにもなる。もし米国が中国と適正な競争をしようとするなら、核心的な米国的価値観を損なうことなく米国の国家安全保障を守るような、健康でバランスのとれた政策形成を目指すべきだろう。
▼さあ、皆さん、深呼吸を。
■米中両国間の協力が可能な「7つの分野」
ワシントンで「外交政策マフィア」とか「外交政策エスタブリッシュメント」とか呼ばれる人たちは、政権に入ってホワイトハウスの安保担当補佐官や、国務省・国防総省の長官、次官、次官補、大使などの高官を務め、政権が変わると大学やシンクタンクに籍を移して評論家や研究者として振る舞う知的エリートたちで、ひと昔前は、共和党系ではニクソン政権の補佐官・国務長官だったキッシンジャー、民主党系ではカーター政権の補佐官だったブレジンスキーがその頂点にあった。2人が亡くなって、共和党系は今は誰とも名が浮かばないが、民主党系ではカーター、クリントン両政権で国務副次官や国防次官補を担ったジョセフ・ナイ=ハーバード大学名誉教授だろう。
彼が独立系の政策サイト「プロジェクト・シンジケート」に5月6日付で登場し、米中関係を正常な軌道に乗せるための「7つの分野」での努力方向について提言した。バイデン政権の対中国政策もヨタヨタを続けていて、それでも一昨年秋の習近平との首脳会談以降は基本は話し合い継続に落ち着いて来てはいるものの、政権全体できちんとした政策調整が行われている訳でもなく、軍部高官の無思慮な発言が飛び出したり、バイデン自身が発作的な発言をしたりして空気をかき乱すこともある。
そういう中、4月にはブリンケン国務長官が訪中して習と会談し、中国のロシアへの物資・技術支援や南シナ海でのフィリピンとの対立などを厳しく批判するなど、中身はかなり刺々しいけれども、ともかくも対話を絶やさないということ双方の意思は確認された形となっている。ちょうどその時、実はナイも「米中トラック2対話」の米側代表=アスペン戦略グループの団長として訪中していて、中国の中央党学校の代表団と突っ込んだ対話を繰り広げていた。
首脳同士だけでなく、実務官僚の各レベルや民間も含めていくつもの対話チャネルを敷設していることが、米中関係のある意味での成熟度を示していて、これもその1つ。トラック2とは、政府間の公式のトラック1に対する民間同士の自由な対話回路という意味で、日本はこういう発想展開の爪の垢でも舐めた方がいい。
(2)ジョセフ・ナイ「米中関係にはまだ可能性がある」(プロジェクト・シンジケート5月6日付)要旨
▼米国の対中国政策が「関与」から「大国間競争」へと転換したとはいえ、それはいくつかの領域での協力を妨げるものではない。サッカーに例えれば、両チームは激しく闘うが、蹴るのはボールであって相手の選手ではない。そして誰もが白線の中で勝負すべきであることを分かっている。
▼中国側の何人かは、米国がガードレールの建設に熱心であることへの懸念を表したが、大勢は衝突を避けることこそ第一目標であることで一致した。その結果、我々は潜在的に協力が可能な7つの分野を確認した。
▼第1は気候変動。中国は引き続き石炭火力発電プラントを建設するが、再生可能エネルギーを急速に増やす。その結果2030年までに二酸化炭素排出のピークを迎えるものの2060年までに炭素中立を達成するとした。我々はその時間表をさらに繰り上げるよう求めた。
▼第2は全世界的な公衆衛生。科学者たちに言わせれば、次のパンデミックは来るかどうかでなく、いつ来るかだけの問題だ。コロナ禍では米中両政府とも対処に失敗し、何百万もの人が亡くなった。そのことでお互いを非難するよりも、2003年のSARSや2014年のエボラ熱を鎮圧した時の両国科学者の協力に学んで、その教訓を将来に活かすべきである。
■中国側が潜水艦の脆弱性を米国に率直に語るという驚き
▼第3は核兵器。中国側は、地上配備のICBM(大陸間弾道弾)の建設が進み正確性も増している反面、潜水艦の脆弱性〔〕が将来、第一撃を喰らった後の反撃能力を損なうのではないかと懸念していることを伝えた。彼らはまた、彼らの核装備が米国やロシアと拮抗するに至る以前に軍備管理制限を課されることを拒むというお馴染みの主張を繰り返した。とはいえ彼らは、核理論、概念、戦略的安定性、格不拡散、北朝鮮やイランのような難しい案件などについて、米国側と議論する意思があることを表明した。
〕中国側が戦略ミサイル搭載の潜水艦の脆弱性について米国の専門家に対してこれほど率直に語るというのはかなり驚きで、私の解釈では、この脆弱性とは、海南島を出撃・休息・修理基地とする中国の戦略原潜部隊は、東シナ海の大陸棚方面に浅瀬には行かれないので、すぐさま南シナ海深くに潜ってそこから作戦行動を開始せざるを得ないのだが、そこが中国の領海であるとは国際的に全く認められていないというところにある。かつてのソ連極東の戦略原潜部隊はペテロハバロフスクを拠点として目の前のオホーツク海に潜り、そこから北太平洋や日本海に向けて行動したが、オホーツク海は領海であって何の問題もなかった。ここに、中国が南シナ海で常軌を逸するような態度をとる隠された理由がある。従って、本誌が前々から指摘しているように、南シナ海の海洋覇権トラブルは、米露中を含む戦略核兵器の相互削減交渉が始まらない限り解決しない。
▼第4は人工知能(AI)。昨秋のサンフランシスコでの習主席とバイデン大統領はAIの安全性について対話を始めることで合意したが、その後の政府レベルでの進展がなかった。米側は、特にこの技術の軍事への適用については非公開の私的な対話が必要であることに同意した。
▼第5は経済。双方は両国間の貿易がお互いの利益であることを認めたが、中国側は米国による高度半導体への輸出制限について抗議した。米国は安保上の理由を挙げるが、中国側はこれを同国の経済成長を規制することが目的だと見ている。
▼第6は中国の工業生産能力の供給過剰。中国の経済成長が鈍化する中で、中国は国内消費を高めるよりも補助金まで出して輸出を増やすことで現在の問題を抜け出そうとしている。しかし〔トランプ政権が中国に対し高関税を課したような〕双方にとって良くないデカップリングではなく、経済問題を3つに区分けしてバケツに入れるやり方をすることで合意した。片方の端には「安全保障」問題があり、これについては合意が難しい。反対側の端には「物・サービスの通常の貿易」があり、そこでは国際貿易ルールに従う。その中間に「補助金と供給過剰問題」があり、これはケース・バイ・ケースで交渉する。
▼第7は国民同士の接触。コロナ禍の3年間で激減してしまい、現在中国に留学している米国人は1,000人弱。それに対して米国に留学している中国人は28万9,000人に上るが、それでもピーク時の4分の3である。またジャーナリストのビザ支給に対する中国側の規制があり、学者や科学者のビザ発給に時間がかかりすぎることへの不満が双方にある。これらのことが相互理解の雰囲気を復活させるのを妨げている。
▼この「大国間競争」の時代にあって、今世紀初頭のような「関与戦略」に戻ることを期待すべきでない。しかし、紛争を避け、そして、いつどこで協力し合えるかの分野を特定しておくことは、双方にとっての利益となる。
■正気を取り戻すべき岸田首相と彼を賛美したマスコミ
安全保障上の理由のほかに、中国経済の先行きが極めて深刻で、もはや崩壊寸前であるかのような悲観論が米国発で盛んに出回り、それがまたトランプ流のデカップリング論の動機ともなっている。しかし、ピーターソン国際経済研究所のシニアフェローであるニコラス・ラーディは、そのような悲観論は「4つの誤解」の上に成り立っていると切り捨てる。
(3)ニコラス・ラーディ「中国経済は成長を続ける/悲観派を惑わす4つの誤解」(フォリン・アフェアズ5月号)要旨
▼バイデン大統領〔も中国経済の先行きについての悲観派の一人で彼〕は今年3月の一般教書演説で「何年もの間、中国は台頭しつつあり、米国は後れをとっていると言われ続けてきたが、それは間違っていた」と述べた。確かに中国は、不動産市場の低迷、米国の規制による先端技術へのアクセス制限、生産年齢人口の減少など、よく知られたいくつかの逆風に直面している。しかし、1970年台に経済改革の道を歩み始めて以降、より大きな試練をこれまでも克服してきた中国は、今後も米国の2倍のペースで成長を続けるだろう。
▼中国経済のポテンシャルに対する悲観論の根底には、いくつかの誤解があり、その第1は、中国が米国の経済規模に近づくペースが停滞しているとする誤解。2021~23年に中国のGDPが米国の76%から67%に下がったのは事実だが〔それは名目GDPで見た場合で〕、23年の中国の名目GDP成率は4.6%であるのに対し実質GDP成長率は5.2%。それに対し米国は名目6.3%の成長だが実質は2.5%しか成長していない。ドル建ての名目GDPでも24年にはほぼ間違いなく米国のそれに近づき、約10年後には米国を上回るようになるだろう。
▼第2の誤解は、中国の家計支出、消費支出、消費者信頼感指数が弱いという見方だが、それを裏付けるデータはない。23年の一人当たり実質所得は6%増と、コロナ禍で鎖国状態にあった22年に比べて2倍以上の伸びを示しており、一人当たり消費も9%増だ。
▼第3の誤解は、デフレが定着しリセッションに向かうという見方だ。確かに23年の消費者物価は0.2%しか上昇しなかったが、コア消費者物価指数は0.7%の上昇だし、中国企業は借入を急増させ製造業・鉱業・サービス業での投資を増加させていて、リセッションの兆しはない。
▼第4の誤解は、不動産投資の崩壊の可能性に関するものだ。確かに、23年の住宅着工戸数は21年の半分だが、しかしこの2年間で不動産投資の総額はわずか20%しか減少していない。これはデベロッパーが支出のより大きな割合を、それまでに着工した住宅プロジェクトの完成に割り当てたからで、その結果、完成面積は23年に78億平方フィートに拡大し、初めて新規着工面積を上回った。政府の政策が、完成間近の住宅プロジェクトに特化した融資を銀行に奨励したことが功を奏した。
▼中国が抱える問題がいろいろあるのは事実だが、それを誇張しても誰のためにもならない。むしろ、中国が欧米に突きつけている極めて現実的な課題を前にして、自己満足に陥る危険さえある。特に米国は、中国がアジアでの経済的影響力を高めていきつつある流れを過小評価することによって、米国自身がアジアのパートナーとの関係を深化させていく能力を過大評価することになる。
……さあ、皆さん、どうでしょうか。ここでもう一度、深呼吸して、心静かに日本とアジアの全体状況を眺め渡そうではないですか。そうすると、4月の国賓待遇訪米で気持ちよく「中国の対外的な姿勢や軍事動向こそこれまでにない最大の戦略的挑戦」と歌い上げて拍手喝采を浴びてきた岸田文雄首相やそれを賛美したマスコミが、実は「精神錯乱」であるかもしれないという疑惑が湧いてくるのではないでしょうか……。
正気を取り戻すべき時である。

 
ところが、すでに正気を失かったかのような自民党の未熟な議員のトンデモ発言が、野党各派からボコボコにされていた。
 
NHK『日曜討論』で陰謀論炸裂のア然…政治改革は『自民の力を削ぐ政局』のトンデモ発言
 
厚顔無恥とはこのことだ。自民党の裏金事件に端を発した政治資金規正法改正をめぐり、当事者からトンデモ発言が飛び出した。政治改革をテーマに与野党の実務者が顔をそろえた12日のNHK「日曜討論」で、抜け穴だらけの与党案に批判が集中。すると、自民の鈴木馨祐衆院議員(党政治刷新本部座長)が「自民党の力を削ぎたいという政局的な話がゴッチャになっている」と言い出したからア然だ。陰謀論者なのか。
  ◇  ◇  ◇
 ■与党が取り急ぎまとめた改正案はザルだ。
 自民の二階元幹事長が5年間で50億円も受け取っていた政策活動費の使途公開義務化▽政治資金パーティー券購入者の公開基準額引き下げ▽国会議員関係団体に比べて緩い「その他の政治団体」の公開ルール強化──が3本柱。政治資金収支報告書の提出にあたり、議員による「確認書」交付を義務付け、不記載などで会計責任者が処罰された場合は政治家にも刑罰を科すという。自民は「いわゆる連座制」(鈴木)と呼ぶが、親族などが選挙違反をすれば議員本人も「即失職」となる公選法の連座制とは似て非なる代物だ。
■「国民を小バカにしている」
 立憲民主党の落合貴之衆院議員は「自分(議員)が(会計責任者として)サインすればいい。わざわざ複雑な新しい仕組みを作るのは何か意図がある」と指摘。
 日本維新の会の青柳仁士衆院議員からも「やっている感の演出だけで、国民を小バカにしている」とコキ下ろされた鈴木氏は、言うに事欠いて「視聴者の方はご理解いただくと思うんですけども、再発防止の話と、自民党の力を削ぎたいという政局的な話がゴッチャになっているところが正直あります」と反論し、こう続けた。
「ファクトに基づいた議論をしっかりやっていくということが、極めて大事だと思います」
 盗人に「正直」を説かれるなんて片腹痛いし、実態解明から逃げて「ファクト」を隠しているのは他ならぬ自民。青柳氏から「訳の分からないプロパガンダでゴマカそうという姿勢が良くない」と鼻で笑われ、れいわ新選組の大石晃子衆院議員も「いかに反省していないかって話。その力の源泉は汚いカネ、裏金だったわけじゃないですか」と返り討ちに遭った。
自民主導の与党案はまがい物です。『いわゆる連座制』は、工場で作ったパンを『手作り風パン』と銘打っているのと同じ。会計責任者が有罪になった場合、議員が自動失職する連座制を導入しなければ、再発防止策にはなり得ません」(法大大学院教授・白鳥浩氏=現代政治分析
 売国奴ほど「美しい国」を標榜するわけだ。

 
  



 
この党政治刷新本部座長・鈴木馨祐は東大から大蔵省を経て自民党当選5回のエリートらしく、現在は政調副会長のひとりで、党の将来を左右する刷新本部を任されていたのだが、12日のテレビの討論番組で、野党から自公の政治資金規正法改正案が不十分と指摘されると「自民党の力をそぎたいという政局的な話がごっちゃになっている」と反論してしまった。
 
 自民党も落ちたものである。
  
 本来なら党の将来がかかるこの役職は、老練なベテラン議員が、党内の長老から若手まで事情を聴いて調整し、同時に執行部の思惑も拾いながらまとめ上げる人材がやるべき仕事身も関わらずそれを野党に突きつけ、微調整してしまった。
  
 無論、今回の自民党の政治とカネの失態をそれで覆い隠せと言っているわけではないのだが、そういった調整機能が生きていた時代の自民党の底力に比べると薄っぺらく聞こえてしまい少なくとも座長が政局などと言ってはいけないはずである、とオジサンは思う。
  
 

【参考】


 



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