ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国語] 足の踏み場もない「地獄鉄」とは?

2010-10-21 23:45:12 | 韓国語あれこれ
 書く予定のネタ、そのうち書こうかなと思ってるネタが群れをなして襲ってくる感じですが(好きでやってるブログのはずなのに・・・)、チョン・イヒョンの小説「マイスウィートソウル」についてもその1つ。しかしこのところちょっと忙しいので、今回はその中にあった「地獄鉄」という言葉についてだけ。

 この「地獄鉄(지옥철.チオクチョル)」という言葉だけだと大方の日本人は何のことかわからないのでは? 私ヌルボもきっとそうだったと思います。
 この小説の場合、前後の文からすぐにわかりました。当然ですけど・・・。

 四角い箱にぎゅうぎゅうに詰め込まれた、しなびたみかんのように、あるいは、木箱に整然と重ねられた死んだ太刀魚のように、地下鉄のなかの私は魂をなくして、ぐらりぐらりと揺れている。・・・・」

 ・・・というようないかにも韓国らしい描写があって、

 この、足の踏み場もない「地獄鉄」のど真ん中で、新聞をおっぴろげて読みはじめた傍若無人な根性には、どう対応すればいいのだろう。私は声なき叫び声を上げた。
 「まったく。この国は、これだからダメなのよ!」


 ・・・というわけで、「地獄鉄」とは殺人的に込んでいる地下鉄のことなんですね。
 チョン・イヒョンさんの造語でもないようなので지옥철でgoogle検索してみると約14万7千件のヒット。用例を確認すると、けっこうふつうに用いられている言葉のようでした。

 
     【「地獄鉄」状態の地下鉄車内。】

 すし詰め状態を<콩나물 시루>(コンナムル・シル.モヤシの甑)にたとえることもよくあるようです。甑(こしき)とは底に穴の空いた土器で蒸し器に使われますが、この場合はモヤシを育てる器です。下の写真を見るとなるほど! ・・・と思いますね(笑)。

    
   【狭い器内にまさにモヤシがぎっしり、満員状態です。】

 そういえば9月にソウルに行った時、帰宅時ラッシュにさしかかって永登浦区庁駅からの2号線に乗れなかったことがありましたねー。次の電車はなんとか乗れましたが・・・。
コメント
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