9月2日の記事の続きです。
「慰安所管理人の日記」についての報道内容が日韓で大きく異なるため、当然それぞれの読者の反応も違います。いや、「同じ」と言った方が合っているかも。どちらも日記の発見を「喜んでいる」声がほとんどなので・・・。
日本では「慰安婦たちは映画を見に行ったり、貯金をしたり送金したり、旅行証明をもらって旅行したり」で、これで「性奴隷」はないだろう!としてやったりという反応。
日記には、管理人氏がシンガポール在住時の44年10月25日、元慰安婦が結婚したので「知己の人を呼んで祝賀の酒を飲むと誘われた」という記述もありましたね。
一方「朝鮮日報」の読者の反応は、1面の記事(→コチラ.要会員登録)と6面の記事(→コチラ)のそれぞれに<100자평(100字評)>というタブが付いていて、そこに読者評が寄せられています。
1面の方の読者のコメントは2つだけ。
・「日本のヤツラが<かっとなって死ぬ旗>を持ってのさばっているが、それが自分たちを亡ぼす<かっとなって死ぬ旗>なので馬鹿みたいな倭奴(ウェノム)たちだ、ハハハ」
・「大地震で日本はいつかその天罰を受けるだろう。韓国は水1ビンもやるな[賛成2人]
・・・この2件だけですが、こんな明瞭なヘイトスピーチを「韓国の代表紙」を自任する「朝鮮日報」がそのまま載せてしまっているのは「恥!」と思わないのかな?
6面の方は46もコメントが寄せられています。
・「1日も早く南北統一が鳴って日本に対抗する力を育てなければならない。必ず倭狗(ウェグ)たちを地上から絶滅させて受けた侮辱の10倍100倍1000倍にして返さなければならない。(以下略)」[賛成1]
・「静かな外交だという日本の非違に合わせないで、人権に対する世界基準に合わせて政策を施行せよ。ビルマ・シンガポール等慰安所が設置された場所に記念館を造って日本軍と日本政府がどんなことをして、韓国等各国の少女たちがどんなに蹂躙されたか知らせなければならない。そうでなければ大阪市長のような者が続けて捏造宣伝とかをしゃべり散らす。日本の青少年たちが海外でも歴史を知らねばならない。[賛成2]
・・・やっぱり、こんなコメントがふつうか。
[賛成47:反対0]という圧倒的な共感を得たコメントを見てみましょう。
・「倭狗の蛮行を年代別にくわしく記録した歴史付録を作って後世に代々教えなければならない」
次のが「賛成10:反対0」。
・「こんな資料でなくても日本の政治指導者たちで朝鮮人慰安婦が強制動員されたことを知らない者はない。日本政府の記録保管所に行けば何でもある。ただ蛮行を認めたくないだけだ。ドイツのように自ら反省して補償するそんな民族ではない。(以下略)」
・・・近頃、韓国からしきりに「日本と比べドイツは・・・」という声が聞こえてきます。これに関連して、最近黒田勝弘氏が書いた<〝壮大な誤解〟韓国こそ「ドイツに学べ」>と言う記事(→コチラ)は「おもしろかった」です。「韓国のテレビインタビューで「日本人としてメルケル首相の写真をどう思うか?」と質問されたので「立派な姿です」と答え、「ところで韓国ではしきりに日本に対し『ドイツに学べ』というが、では歴史的に韓国はナチス・ドイツ時代のどこに相当するのか。フランス? ポーランド? チェコ? それともユダヤ人…」と反問したところ、相手は絶句していた」というもの。続けて「あえて韓国に相当するような国を探せばオーストリアかもしれない」として、そのナチス・ドイツとの過去の関係を国際社会に謝罪したオーストリアのように「韓国は日本との過去を謝罪、反省しなければならないことになる」とも。
新聞記事の内容で、ちょっと驚いたというようすなのが次の人。
・「慰安婦たちが金を受け取ったというのは事実なんだなあ・・・当時の数百円はちょっと大きな金額なんだが?」
・・・強制連行のイメージとの食い違いに引っかかったということでしょう。これに対しては「慰安婦がそんな役目をすることを知っていて前借金を受け取ったのだろうか? ふつうに労働するのかと思ったのだろう。考える脳がないということを公開するんだな」とのコメントが寄せられています。
ほとんどワンパターンのコメントはここらへんにして、[反対]の多かった少数意見の方を見てみましょう。
・「東南アジア性観光とアメリカ、オーストラリア、カナダ等に娼婦を最も多く輸出している国で、はたして日本を悪く言うことができるか? 北韓が中国に女性を売る現実はどうだと? 国が弱ければいつでもそんな目にあうものなので、強くなった国を打ち破る左派たちがいるかぎり外勢にやられる悲しい歴史は反復される」[賛成2:反対7]
・・・これに対しては「いや、この御仁は一体全体基本的な知識もない人か? アメリカ、オーストラリア、カナダ等は、自発的かさもなくば本人がやむなく選択したものだが、記事内容は(日本軍の)強制・(本人の)受動的意味を持っているではないか!!! (中略) 北韓が中国に女性を売っているとは誰がそう言うのか? どこでウソ情報を流し回っているんだ?!!! 気をつけなさい!!!」「こんなことも教えてやらなければならんのか? 記事は日本政府が出て公権力をもって仕出かしたというのが核心だろ。もちろん性輸出はどの国もやっていることは誰もが知ってることだが・・・」という反論があります。
たしかに、国が関わっているというのは大きな問題点で、(公娼制の歴史は世界的にあるとしても)弁護するのは道義的にも「戦術的」にもよいことではありません。。
しかし、この「朝鮮日報」の記事を読んだ人は強制連行を、いわゆる「狭義の」それと捉えているようです。今、国や軍隊の「広義の」関わりを否定している日本人はまずいないと思うのですが・・・。
このような多くの韓国での読者の反応に対して「アタマにくる」「ウンザリ」という日本人が大半だと思います。ただ、今日発売の「週刊文春」9月12日号の記事「韓国の妄言に“10倍返し”だ!」で、あの呉善花氏は、韓国社会の世論と新聞記者たちのエリート意識には断絶がある、と語っています。「一般民衆の反日への関心が薄くなっている中、新聞だけが過激化しており、特に先頭に立って先導しているのが朝鮮日報です」とのことです。
たしかに、韓国民全体を反日の一枚岩と見るのは早計に過ぎるかもしれません。
※日本でも新聞・テレビ等のニュースに即座に反応して韓国に怒りをぶつける人はたくさんしますが、たとえば→コチラのブログ主さんのようにいろいろ調べたり考えたりしなから情報に接している人も少なからずいます。しかし、韓国サイトの中ではなかなか見連れるのがむずかしくて・・・。(「いない」とは言いません。「未発見」です。)
ところで、この日記発見の報道に対して、上記のような反応を示した韓国の皆さん、実際にこの日記を読んだら肩すかしをくらうのでは?と私ヌルボ思ったのですが・・・。
また、今「国際化」した慰安婦問題は、「狭義or広義の」強制云々よりも、「慰安所における慰安婦の状況が奴隷的なものであったかどうか」が論議の焦点になってきたということですが、どうもそういうことになると、この日記は挺対協をはじめとする運動体にとっても「不利」に働く要素が多いのでは、とも思われます。
ここで蛇足ですが、誤解のないように、ということで書いておきます。
私ヌルボ、この記事で韓国の新聞や世論の「反日」に凝り固まった固定観念は否定し、またその慰安婦の「強制連行」の固定的なイメージもなんとかしてほしいと思っている1人ですが、慰安所の実態が「淡々とした」もので、慰安婦たちが映画に行ったり貯金したり、という事実があったたにしろ、慰安所を肯定的に捉える視点から反駁してはダメだと考えています(これまた道義的にも「戦術的」にも)。いくら近代化による恩恵があったとしても(←実際にあった)植民地支配を是認してはいけないのと同様です。
というところで、この日記が『日本軍慰安所管理人日記』との書名で8月20日付で安秉直(アン・ビョンシク)教授の解題つきで刊行されました。(下の画像)
※山口県立大・浅羽祐樹准教授の16日のツイートによると、「教保文庫の新刊書コーナーに7冊平積みされていました」とのことでした。
その「読まれ方」については(下)に続くということにします。
→「慰安所管理人の日記」をめぐる日韓の報道&読者の反応の無視できない大きな落差(下)
「慰安所管理人の日記」についての報道内容が日韓で大きく異なるため、当然それぞれの読者の反応も違います。いや、「同じ」と言った方が合っているかも。どちらも日記の発見を「喜んでいる」声がほとんどなので・・・。
日本では「慰安婦たちは映画を見に行ったり、貯金をしたり送金したり、旅行証明をもらって旅行したり」で、これで「性奴隷」はないだろう!としてやったりという反応。
日記には、管理人氏がシンガポール在住時の44年10月25日、元慰安婦が結婚したので「知己の人を呼んで祝賀の酒を飲むと誘われた」という記述もありましたね。
一方「朝鮮日報」の読者の反応は、1面の記事(→コチラ.要会員登録)と6面の記事(→コチラ)のそれぞれに<100자평(100字評)>というタブが付いていて、そこに読者評が寄せられています。
1面の方の読者のコメントは2つだけ。
・「日本のヤツラが<かっとなって死ぬ旗>を持ってのさばっているが、それが自分たちを亡ぼす<かっとなって死ぬ旗>なので馬鹿みたいな倭奴(ウェノム)たちだ、ハハハ」
・「大地震で日本はいつかその天罰を受けるだろう。韓国は水1ビンもやるな[賛成2人]
・・・この2件だけですが、こんな明瞭なヘイトスピーチを「韓国の代表紙」を自任する「朝鮮日報」がそのまま載せてしまっているのは「恥!」と思わないのかな?
6面の方は46もコメントが寄せられています。
・「1日も早く南北統一が鳴って日本に対抗する力を育てなければならない。必ず倭狗(ウェグ)たちを地上から絶滅させて受けた侮辱の10倍100倍1000倍にして返さなければならない。(以下略)」[賛成1]
・「静かな外交だという日本の非違に合わせないで、人権に対する世界基準に合わせて政策を施行せよ。ビルマ・シンガポール等慰安所が設置された場所に記念館を造って日本軍と日本政府がどんなことをして、韓国等各国の少女たちがどんなに蹂躙されたか知らせなければならない。そうでなければ大阪市長のような者が続けて捏造宣伝とかをしゃべり散らす。日本の青少年たちが海外でも歴史を知らねばならない。[賛成2]
・・・やっぱり、こんなコメントがふつうか。
[賛成47:反対0]という圧倒的な共感を得たコメントを見てみましょう。
・「倭狗の蛮行を年代別にくわしく記録した歴史付録を作って後世に代々教えなければならない」
次のが「賛成10:反対0」。
・「こんな資料でなくても日本の政治指導者たちで朝鮮人慰安婦が強制動員されたことを知らない者はない。日本政府の記録保管所に行けば何でもある。ただ蛮行を認めたくないだけだ。ドイツのように自ら反省して補償するそんな民族ではない。(以下略)」
・・・近頃、韓国からしきりに「日本と比べドイツは・・・」という声が聞こえてきます。これに関連して、最近黒田勝弘氏が書いた<〝壮大な誤解〟韓国こそ「ドイツに学べ」>と言う記事(→コチラ)は「おもしろかった」です。「韓国のテレビインタビューで「日本人としてメルケル首相の写真をどう思うか?」と質問されたので「立派な姿です」と答え、「ところで韓国ではしきりに日本に対し『ドイツに学べ』というが、では歴史的に韓国はナチス・ドイツ時代のどこに相当するのか。フランス? ポーランド? チェコ? それともユダヤ人…」と反問したところ、相手は絶句していた」というもの。続けて「あえて韓国に相当するような国を探せばオーストリアかもしれない」として、そのナチス・ドイツとの過去の関係を国際社会に謝罪したオーストリアのように「韓国は日本との過去を謝罪、反省しなければならないことになる」とも。
新聞記事の内容で、ちょっと驚いたというようすなのが次の人。
・「慰安婦たちが金を受け取ったというのは事実なんだなあ・・・当時の数百円はちょっと大きな金額なんだが?」
・・・強制連行のイメージとの食い違いに引っかかったということでしょう。これに対しては「慰安婦がそんな役目をすることを知っていて前借金を受け取ったのだろうか? ふつうに労働するのかと思ったのだろう。考える脳がないということを公開するんだな」とのコメントが寄せられています。
ほとんどワンパターンのコメントはここらへんにして、[反対]の多かった少数意見の方を見てみましょう。
・「東南アジア性観光とアメリカ、オーストラリア、カナダ等に娼婦を最も多く輸出している国で、はたして日本を悪く言うことができるか? 北韓が中国に女性を売る現実はどうだと? 国が弱ければいつでもそんな目にあうものなので、強くなった国を打ち破る左派たちがいるかぎり外勢にやられる悲しい歴史は反復される」[賛成2:反対7]
・・・これに対しては「いや、この御仁は一体全体基本的な知識もない人か? アメリカ、オーストラリア、カナダ等は、自発的かさもなくば本人がやむなく選択したものだが、記事内容は(日本軍の)強制・(本人の)受動的意味を持っているではないか!!! (中略) 北韓が中国に女性を売っているとは誰がそう言うのか? どこでウソ情報を流し回っているんだ?!!! 気をつけなさい!!!」「こんなことも教えてやらなければならんのか? 記事は日本政府が出て公権力をもって仕出かしたというのが核心だろ。もちろん性輸出はどの国もやっていることは誰もが知ってることだが・・・」という反論があります。
たしかに、国が関わっているというのは大きな問題点で、(公娼制の歴史は世界的にあるとしても)弁護するのは道義的にも「戦術的」にもよいことではありません。。
しかし、この「朝鮮日報」の記事を読んだ人は強制連行を、いわゆる「狭義の」それと捉えているようです。今、国や軍隊の「広義の」関わりを否定している日本人はまずいないと思うのですが・・・。
このような多くの韓国での読者の反応に対して「アタマにくる」「ウンザリ」という日本人が大半だと思います。ただ、今日発売の「週刊文春」9月12日号の記事「韓国の妄言に“10倍返し”だ!」で、あの呉善花氏は、韓国社会の世論と新聞記者たちのエリート意識には断絶がある、と語っています。「一般民衆の反日への関心が薄くなっている中、新聞だけが過激化しており、特に先頭に立って先導しているのが朝鮮日報です」とのことです。
たしかに、韓国民全体を反日の一枚岩と見るのは早計に過ぎるかもしれません。
※日本でも新聞・テレビ等のニュースに即座に反応して韓国に怒りをぶつける人はたくさんしますが、たとえば→コチラのブログ主さんのようにいろいろ調べたり考えたりしなから情報に接している人も少なからずいます。しかし、韓国サイトの中ではなかなか見連れるのがむずかしくて・・・。(「いない」とは言いません。「未発見」です。)
ところで、この日記発見の報道に対して、上記のような反応を示した韓国の皆さん、実際にこの日記を読んだら肩すかしをくらうのでは?と私ヌルボ思ったのですが・・・。
また、今「国際化」した慰安婦問題は、「狭義or広義の」強制云々よりも、「慰安所における慰安婦の状況が奴隷的なものであったかどうか」が論議の焦点になってきたということですが、どうもそういうことになると、この日記は挺対協をはじめとする運動体にとっても「不利」に働く要素が多いのでは、とも思われます。
ここで蛇足ですが、誤解のないように、ということで書いておきます。
私ヌルボ、この記事で韓国の新聞や世論の「反日」に凝り固まった固定観念は否定し、またその慰安婦の「強制連行」の固定的なイメージもなんとかしてほしいと思っている1人ですが、慰安所の実態が「淡々とした」もので、慰安婦たちが映画に行ったり貯金したり、という事実があったたにしろ、慰安所を肯定的に捉える視点から反駁してはダメだと考えています(これまた道義的にも「戦術的」にも)。いくら近代化による恩恵があったとしても(←実際にあった)植民地支配を是認してはいけないのと同様です。
というところで、この日記が『日本軍慰安所管理人日記』との書名で8月20日付で安秉直(アン・ビョンシク)教授の解題つきで刊行されました。(下の画像)
※山口県立大・浅羽祐樹准教授の16日のツイートによると、「教保文庫の新刊書コーナーに7冊平積みされていました」とのことでした。
その「読まれ方」については(下)に続くということにします。
→「慰安所管理人の日記」をめぐる日韓の報道&読者の反応の無視できない大きな落差(下)