일본 사람이 좋아하는 음식이라면 라면!
イルボンサラミ チョアハヌン ウムシギラミョン ラミョン!
(日本人が好きな食べ物といえばラーメン!)
・・・と、ちょっとした言葉遊びから。
しかし近年、インスタントラーメンに限っていえば、1人当たり年間消費量の数字は韓国等のアジア4ヵ国の方が日本を上回っています。
[2012年即席めん1人当たり年間消費量] ①韓国72食 ②インドネシア57食 ③ベトナム56食 ④マレーシア44食 ⑤日本43食
たしかに韓国ドラマや映画を見るとラーメンを食べている場面がけっこうありますね。麵を鍋の蓋に乗っけて食べたりするのもふつうみたいで・・・。
そんなわけで日本でも多くの人の知るところとなりましたが、韓国で라면(ラミョン)といえばインスタントラーメンのことです。食堂で、プデチゲ等に入れる麵もインスタントラーメンです。
ことほどさようにラーメンが日常の食生活に欠かせない物になっている韓国に対して、北朝鮮ではどうでしょうか?
イ・エランさんは「北韓食客」中のラーメンについて書いた一文の冒頭で、次のように書いています。
最近の子供は飢えるという言葉の意味をよく知らない。北朝鮮の子供が食糧難で非常な飢えに苦しんでいると話すと、「なんで飢えるの? お米がなければラーメンを作って食べればいいじゃない」と言うとか、本当にそんな子供もいるようだ。
ところが北朝鮮でのラーメン事情は韓国等とは全然違います。
まず라면(ラミョン)とは言いません!
北では꼬부랑국수(コブランククス)と言います。直訳すると<くねくね麵>といったところでしょうか。つまり、あの縮れた形状から。
(そういえば、韓国ではソバージュのことを라면머리(ラミョンモリ)つまり<ラーメン頭>というのもその形状からですね。)
そしてこのコブランククスは、北朝鮮でも大人気! ・・・といっても、どこにでもある物ではなく、平壌の人しか目にすることのない物で、賄賂にも用いられるのだそうです。
しかし北朝鮮のコブランククスにはスープ・調味料やヤンニョム(薬味)は付いておらず、個別の包装もされていなくて、ただ麵だけが紙1枚に包まれているだけ。
その麵を次のように調理するのが平壌式なのだそうです。
タマネギを刻んで食用油で炒め、刻んだ野菜も入れて炒め、水を入れて沸いたら麺の玉を入れてゆでる。醤油で味付けをする。余裕があれば豚肉を入れてゆでるのが一番おいしい。
数年前、イ・エランさんは東京に来て有名なラーメン店に行ったことがあるそうですが、そこのラーメンが「まさに平壌式だったので驚いた」そうです。
ヌルボ思うに、具の野菜もさることながら、ポイントは醤油味ということなのでしょうか?
麺だけのコブランククスに対して、スープやヤンニョム付きで包みも華麗な韓国ラーメンは相当に高級な賄賂(뇌물)として扱われるそうです。
北朝鮮でコブランククスが注目されるようになったのは、配給制度が破綻し始めて人々が「商売」に精出すようになった90年代頃から。
中国に親戚がいる人たちがこっそり持ち込んで、大学入学や証明書発給、盗られた商売物の探索等の差し迫った案件が生じた時に用いたといいます。
これがなぜ賄賂にいいかというと、重すぎずかさ張らず、自分で持っていくのに都合がいいため。(北朝鮮ではマイカーも宅配便等もないので、本人が持参するしかないのです。)
ラーメンについて、イ・エランさんが韓国に来た当初のエピソードを明かしています。
具合が悪くなった子供を遠くの病院に連れて行った帰り、マーケットでラーメンが店頭に置かれているのを見た彼女は、それが特別なことかと思って大量に買い込んだのでした。子供を背中に負い、ラーメンを入れた大きな風呂敷包みを持って汗をかきかき地下鉄に乗って帰宅しましたが、その数日後近所のスーパーでもラーメンがたくさん積まれているのをみて呆れたとか。
そんなエピソードは脱北者なら誰もが経験することだそうで、物の乏しい北朝鮮での生活そのままに<買いだめ根性(사재기근성)>がつい出てしまうのだそうです。
なお、上記の北朝鮮の事情はイ・エランさんの脱北(1997年)までのことで、その後北朝鮮でも韓国のラーメンのような製品が生産されるようになったと本書でも書いてありますが、それでも「一般住民には依然として絵に描いた餅(그림의 떡)のようだ」と彼女は記しています。
韓国版ウィキペディアの「라면」の項目の説明によると、北朝鮮で最初に設立されたラーメン工場は、2000年10月香港資本を導入して大同川沿いに建設された大同江即席ククス工場で、き込んで近代的な設備で、平壌市された。<大同江>というブランドで袋ラーメンとカップラーメンが販売されている、とあります。
あれっ、私ヌルボ、ずっと前に朝鮮総聯関係の人がラーメン工場をプレゼントしたら、原料供給等の問題 (??)で結局操業停止になってしまったという記事を何かで読んだことがあるぞ。
・・・と思ったら、最近(10月3日)の<統一ニュース>(韓国語)の「貴重でおいしい食べ物の代名詞"コブランククス"」と題した記事に「1970年代末、在日の朝鮮総聯系の事業家が平壌万景台区域に建てた小麦粉加工工場(愛国ククス工場)で生産され始めました」とちゃんと書いてありました。(→自動翻訳。)
この記事には、上記の大同江即席ククス工場に金正日が現地指導に行ったこと等、最近のようすが書かれています。
また、北朝鮮とラーメンをめぐる最近のニュースとしては、昨年(2012年)9月北朝鮮の水害に対して韓国政府が提案した100億ウォン分の支援を北朝鮮が拒否したのは「韓国カップラーメンの人気を恐れたためでは?」というニュースが伝えられました。(→コチラ。)
2010年の水害に対して、韓国から送られた300万個のラーメンを、北朝鮮当局はカップを取り除いて新義州の被災者に配ったが、住民はスープ袋に書かれていた文字を見て韓国のものとすぐに分かり、またその美味しさは北朝鮮住民の間で話題になるとともに、韓国の経済発展レベルに驚いたということです。
2012年の水害の支援を北朝鮮が拒否したのがカップラーメンのためだったのかどうか、真偽のほどはよくわかりませんが、ありそうな話ではあります。
また→コチラの記事(日本語)
は、その2010年に「韓国の辛ラーメンが平壌の国営商店でも販売されていることが分かった」と報じています。災害支援の食料品でも商品価値が高ければ食べずに売るのはむしろ当然です。そんな経済面での影響も北朝鮮当局は考えたのかも・・・。
・・・と、ここまで書いてきて、イ・エランさんがテレビ(チャネルA)出演している動画発見!
そのタイトルがまさに<북한에선 한국 라면이 뇌물(北韓では韓国ラーメンが賄賂)>ではないですか!!
見てみると、16分間で脱北者問題のこと等々北朝鮮についてのいくつもの話題を駆け足で語っています。「北韓食客」に載っていて、まだ本ブログでは取り上げていない咸興冷麵のこと等についても・・・。ラーメンについての話は12:20のあたりからです。韓国語がわからない方も、北朝鮮の映像も映されているので見てみてください。
イルボンサラミ チョアハヌン ウムシギラミョン ラミョン!
(日本人が好きな食べ物といえばラーメン!)
・・・と、ちょっとした言葉遊びから。
しかし近年、インスタントラーメンに限っていえば、1人当たり年間消費量の数字は韓国等のアジア4ヵ国の方が日本を上回っています。
[2012年即席めん1人当たり年間消費量] ①韓国72食 ②インドネシア57食 ③ベトナム56食 ④マレーシア44食 ⑤日本43食
たしかに韓国ドラマや映画を見るとラーメンを食べている場面がけっこうありますね。麵を鍋の蓋に乗っけて食べたりするのもふつうみたいで・・・。
そんなわけで日本でも多くの人の知るところとなりましたが、韓国で라면(ラミョン)といえばインスタントラーメンのことです。食堂で、プデチゲ等に入れる麵もインスタントラーメンです。
ことほどさようにラーメンが日常の食生活に欠かせない物になっている韓国に対して、北朝鮮ではどうでしょうか?
イ・エランさんは「北韓食客」中のラーメンについて書いた一文の冒頭で、次のように書いています。
最近の子供は飢えるという言葉の意味をよく知らない。北朝鮮の子供が食糧難で非常な飢えに苦しんでいると話すと、「なんで飢えるの? お米がなければラーメンを作って食べればいいじゃない」と言うとか、本当にそんな子供もいるようだ。
ところが北朝鮮でのラーメン事情は韓国等とは全然違います。
まず라면(ラミョン)とは言いません!
北では꼬부랑국수(コブランククス)と言います。直訳すると<くねくね麵>といったところでしょうか。つまり、あの縮れた形状から。
(そういえば、韓国ではソバージュのことを라면머리(ラミョンモリ)つまり<ラーメン頭>というのもその形状からですね。)
そしてこのコブランククスは、北朝鮮でも大人気! ・・・といっても、どこにでもある物ではなく、平壌の人しか目にすることのない物で、賄賂にも用いられるのだそうです。
しかし北朝鮮のコブランククスにはスープ・調味料やヤンニョム(薬味)は付いておらず、個別の包装もされていなくて、ただ麵だけが紙1枚に包まれているだけ。
その麵を次のように調理するのが平壌式なのだそうです。
タマネギを刻んで食用油で炒め、刻んだ野菜も入れて炒め、水を入れて沸いたら麺の玉を入れてゆでる。醤油で味付けをする。余裕があれば豚肉を入れてゆでるのが一番おいしい。
数年前、イ・エランさんは東京に来て有名なラーメン店に行ったことがあるそうですが、そこのラーメンが「まさに平壌式だったので驚いた」そうです。
ヌルボ思うに、具の野菜もさることながら、ポイントは醤油味ということなのでしょうか?
麺だけのコブランククスに対して、スープやヤンニョム付きで包みも華麗な韓国ラーメンは相当に高級な賄賂(뇌물)として扱われるそうです。
北朝鮮でコブランククスが注目されるようになったのは、配給制度が破綻し始めて人々が「商売」に精出すようになった90年代頃から。
中国に親戚がいる人たちがこっそり持ち込んで、大学入学や証明書発給、盗られた商売物の探索等の差し迫った案件が生じた時に用いたといいます。
これがなぜ賄賂にいいかというと、重すぎずかさ張らず、自分で持っていくのに都合がいいため。(北朝鮮ではマイカーも宅配便等もないので、本人が持参するしかないのです。)
ラーメンについて、イ・エランさんが韓国に来た当初のエピソードを明かしています。
具合が悪くなった子供を遠くの病院に連れて行った帰り、マーケットでラーメンが店頭に置かれているのを見た彼女は、それが特別なことかと思って大量に買い込んだのでした。子供を背中に負い、ラーメンを入れた大きな風呂敷包みを持って汗をかきかき地下鉄に乗って帰宅しましたが、その数日後近所のスーパーでもラーメンがたくさん積まれているのをみて呆れたとか。
そんなエピソードは脱北者なら誰もが経験することだそうで、物の乏しい北朝鮮での生活そのままに<買いだめ根性(사재기근성)>がつい出てしまうのだそうです。
なお、上記の北朝鮮の事情はイ・エランさんの脱北(1997年)までのことで、その後北朝鮮でも韓国のラーメンのような製品が生産されるようになったと本書でも書いてありますが、それでも「一般住民には依然として絵に描いた餅(그림의 떡)のようだ」と彼女は記しています。
韓国版ウィキペディアの「라면」の項目の説明によると、北朝鮮で最初に設立されたラーメン工場は、2000年10月香港資本を導入して大同川沿いに建設された大同江即席ククス工場で、き込んで近代的な設備で、平壌市された。<大同江>というブランドで袋ラーメンとカップラーメンが販売されている、とあります。
あれっ、私ヌルボ、ずっと前に朝鮮総聯関係の人がラーメン工場をプレゼントしたら、原料供給等の問題 (??)で結局操業停止になってしまったという記事を何かで読んだことがあるぞ。
・・・と思ったら、最近(10月3日)の<統一ニュース>(韓国語)の「貴重でおいしい食べ物の代名詞"コブランククス"」と題した記事に「1970年代末、在日の朝鮮総聯系の事業家が平壌万景台区域に建てた小麦粉加工工場(愛国ククス工場)で生産され始めました」とちゃんと書いてありました。(→自動翻訳。)
この記事には、上記の大同江即席ククス工場に金正日が現地指導に行ったこと等、最近のようすが書かれています。
また、北朝鮮とラーメンをめぐる最近のニュースとしては、昨年(2012年)9月北朝鮮の水害に対して韓国政府が提案した100億ウォン分の支援を北朝鮮が拒否したのは「韓国カップラーメンの人気を恐れたためでは?」というニュースが伝えられました。(→コチラ。)
2010年の水害に対して、韓国から送られた300万個のラーメンを、北朝鮮当局はカップを取り除いて新義州の被災者に配ったが、住民はスープ袋に書かれていた文字を見て韓国のものとすぐに分かり、またその美味しさは北朝鮮住民の間で話題になるとともに、韓国の経済発展レベルに驚いたということです。
2012年の水害の支援を北朝鮮が拒否したのがカップラーメンのためだったのかどうか、真偽のほどはよくわかりませんが、ありそうな話ではあります。
また→コチラの記事(日本語)
は、その2010年に「韓国の辛ラーメンが平壌の国営商店でも販売されていることが分かった」と報じています。災害支援の食料品でも商品価値が高ければ食べずに売るのはむしろ当然です。そんな経済面での影響も北朝鮮当局は考えたのかも・・・。
・・・と、ここまで書いてきて、イ・エランさんがテレビ(チャネルA)出演している動画発見!
そのタイトルがまさに<북한에선 한국 라면이 뇌물(北韓では韓国ラーメンが賄賂)>ではないですか!!
見てみると、16分間で脱北者問題のこと等々北朝鮮についてのいくつもの話題を駆け足で語っています。「北韓食客」に載っていて、まだ本ブログでは取り上げていない咸興冷麵のこと等についても・・・。ラーメンについての話は12:20のあたりからです。韓国語がわからない方も、北朝鮮の映像も映されているので見てみてください。