ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

高校生にすすめる本360冊(1998年版&増補) [19]

2014-01-09 23:50:27 | 高校生にすすめる本360冊
前回に続いて補遺及び1999~現在までの推薦書リストのその2です。

 今回はエンタメ系の文庫15冊。

☆印はとくに推奨。×印は品切れまたは絶版中の本(多すぎる!) △は絶版・品切れでも単行本なら出ている本。

20
金庸笑傲江湖徳間文庫19=読み出したらやめられない金庸の武侠小説(中国風チャンバラ)。荒唐無稽といわば言え。東アジア各国中なんで日本はこのジャンルの人気が今ひとつなんだろ?
21=1912年のタイタニック号沈没、1941年真珠湾攻撃直前のハワイでのアメリカ人観光客夫妻の殺人事件。そして1962年タイタニック引き揚げに関わる人々。スケールの大きい設定の下に展開される謎の解明とアクション。
22=前作の「半身」(創元文庫)を読んだ人のほとんどはきっとラストで「あっ」と叫んだだろう。物語的展開ならこちらをおすすめ。
23=「1 ドラゴン・タトゥーの女」以下全3部、各上下2巻で計6冊。10日間ひたすら耽読。世界的ベストセラーというのも納得。
以下、23~28はSFです。
24=遠い未来、遅くなりつつあった地球の自転はついに止まる。永久に太陽に熱せられる部分では人類も他の動物も退化し、代わりに奇妙な植物がはびこる。この世界を旅する運命となった男は・・・。
25=なんとまあ壮大なSF叙事詩! すごい想像力&創造力。
26=今、世界的に(だろうな?)一番人気のSF作家。「順列都市」(早川文庫)もお薦め。よくこんな発想が出てくるもんだなあ。
27=科学文明の批判から1つの原始的なコミューンを創った老人。そこでくりひろげられる皮肉で痛切なエピソードを綴ったアンソロジー。とくに「空にふれた少女」は思い出しただけで泣ける。うるうる。
28=スケールの大きい海洋(&海底)SF(&活劇)。冒頭から引き込まれ、ぶあつい3巻本が苦にならない。クジラや海洋資源の知識一杯!
29=近未来のタイを舞台に、エネルギー問題や種子の管理等をめぐる国や穀物メジャーの争闘に、日本製の女性アンドロイドも奮闘。
30=90年代の代表的社会派ミステリーその2。グリコ・森永事件に題材を取り、日本の政官財の癒着と、それに立ち向かう男たちを描く。
31=どれも鳥に関係する6つの短編の連作。物語も文章も端正で美しい。
32=ヘンな精神科の医者と患者たちの笑っちゃう話の数々は現代社会の縮図。ドタバタ群像劇の「最悪」や「邪魔」も一気読み必至!
33=「アラビアンナイト」風?物語の妙味。ちょっとRPG風。戦中~戦後を軍用犬をメインに描いた「ベルカ、吠えないのか?」もお薦め。
34=青雲の志を抱けた明治前半とは違って、<時代閉塞の現状>を<煩悶>しながら生きる 明治末の知識青年群像を漫画5部作で描く。
21スタンウッドエヴァ・ライカーの記憶創元文庫

22
ウォーターズ荊の城創元文庫

23
ラーソンミレニアム早川文庫
24オールディス地球の長い午後早川文庫
25シモンズハイペリオン早川文庫

26
イーガン宇宙消失創元文庫
27レズニックキリンヤガ早川文庫
28シェッツィング深海のYrr(イール)創元文庫
29バチガルピねじまき少女早川文庫
30高村薫レディ・ジョーカー新潮文庫
31稲見一良ダック・コール早川文庫
32奥田英朗イン・ザ・プール文春文庫

33
古川日出男アラビアの夜の種族角川文庫
34関川夏央
谷口ジロー
『坊っちゃん』の時代双葉文庫


 実は前回のリストに後からこっそり足立巻一「やちまた」を追加しておきました。高校生にはちょっと、いやそれ以上に手強い作品ですが・・・。1月6日の「東京新聞(夕刊)」掲載の<名著の衝撃>で呉智英が「人生誤らせる悪魔の書」という見出しで絶賛していたから、・・・というわけではないのですが、90年代に読んだ質・量ともに圧倒的な5つばかりの作品中の1つです。

 今回のエンタメ系では日本のミステリーがほとんどなし。今世紀に入ってからあまり読んでないし・・・。この数ヵ月、話題になった本(横山秀夫、貫井徳郎等)をいくつか読んだのですが、どうも小手先のワザを弄している感じで、私ヌルボの好みではありません。

 この<高校生にすすめる本360冊>シリーズ、いよいよあと1回を残すのみです。

大阪の韓国書などの古書店・日之出書房、今里移転後も元気!

2014-01-09 13:31:11 | 韓国関係の雑情報
 1月4日。徳島からのバスが大阪(梅田)に着いたのが。昼頃。これはという映画が上映されていれば1本観てから横浜に向かおうと算段(←死語?)でしたが、とくにナシ。
 で、<阪急古書のまち>の店を一通り回り、さらに時間があったので久しぶりに日之出書房に行ってみようと思い立ちました。

 はたして4日で開いているかどうかを確認しようと、店のサイト(→コチラ)を見てみてアララと驚いたのは、南巽にあった本店は昨年10月に閉店して、11月から今里に本店を開店したとのことではないですか!

 大阪の地理にはうとい私ヌルボ、路線図を見ると近鉄今里は難波からそんなに遠くない所のようなので、さっそく行ってみました。

 近鉄今里駅の南、駅前商店街を5分ほど歩いて左に折れるとすぐ目に入ったのがこの店。

    
      【どこにもあるような古本屋さん。】

 入ってみると、南巽の店舗よりずっと小さいこともさることながら、並べられている本の大半はコミック本。韓国・朝鮮関係はとみると、1つの書架の1段分に一般的な本があるだけ。
 コミック本目当ての若い客はけっこう大勢いましたが、ヌルボはなんだか寂しい気持ちで外に出たのでした。

 と、そこで何かアタマに何かひらめいたのです。その道のさらに先になにやらもう1軒店があるような・・・。

     
    【ホントに、数十m先にチラッと見える程度。しかし気がついてよかったよかった!】

 近づいても、あまりそれらしいフンイキでもありませんが・・・

     
   【コチラも店舗自体はそんなに大きいというものでもありません。しかし・・・】

 中に入ってみると、「おー、これこそ!」と心の中で歓呼の声を上げたのでした。

   
  【ガラス戸棚には学術書や資料、貴重な文学書等の数々。】

   
     【この両側の書架がほとんど韓国・朝鮮関係。】

   
  【いちばん奥には、スライド式書架。これでたくさんの書物を収蔵できる。】

 今回ラッキーだったのは、社長の郭日出(クァク・イルチュル)さんがいらっしゃって、いろいろお話を伺うことができたこと。在日という立場を生かして、韓国と日本のそれぞれの文化の美を追求する等々、韓国語でいうところの보람(ポラム.やりがい)といったものを持っておられる方ということがわかりました。

 下は日韓・在日関係の総合雑誌「KOREA TODAY」の2013年11月号です。

        
     【<世界韓人の日>に際して郭日出社長が国務総理表彰を受けた、とあります。】

 また、「毎日新聞(大阪版)」の12月5日の<憂楽帳>には次のようなことが書かれています。

   

 ちゃんとした仕事をしている人はどこかでちゃんと注目されている、ということでしょうか。

 さて、日之出書房の品揃えについては2011年の過去記事(→コチラ)を参照されたし。
 基本的に古書店なので、<今>の韓国本を読みたいという方の希望には必ずしも沿わない面もありますが、絵本や児童書はそれなりにあるので、韓国語初級者の皆さんにはいいかも。

 一応地図を載せておきます。

      
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 で、私ヌルボ、ここで何を購入したかについては別記事で・・・。