ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [9月14日(金)~9月16日(日)]

2018-09-18 23:49:56 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸→<韓国映画「1987、ある闘いの真実」を観る ▸今につながる<6月民主抗争> ①予備知識編(ほとんどネタバレなし!)>
 9日に↑この映画を観てから何人かの知人に韓国で全斗煥政権が終わった頃のことをどれくらい憶えているか訊いてみたところ、概して、いやそれ以上に皆さん記憶に残っていないようですね。ということで、高校生にもわかるレベルを意識して予備知識編を書いてみました。
 それにしても、この映画についても町山智浩さんのトークは興味をかきたてますね。(→コチラ。) 若干ネタバレ領域まで踏み込んでいる感じではありますが。

▸昨日(18日)は、予告編が記憶に残っていた「人間機械」を横浜シネマリンで観てきました。インドの繊維工場での殺人的な労働現場を撮ったドキュメンタリーです。いろいろ考えさせられました。「取材が終わればいなくなるんだろう」という労働者の言葉はコチラにも向かっています・・・。

▸韓国で6月公開された「ハー・ストーリー」はいわゆる<慰安婦映画>ですが、時代は戦中ではなく、1992~98年、下関と釜山を行ったり来たりしながら日本政府を相手取って慰安婦被害者に対する謝罪と賠償を求めた<関釜裁判>とよばれる法廷闘争を闘った人たちの物語です。その一審判決は、慰安婦関係の訴訟で唯一原告の一部勝訴の判決を勝ち取った裁判でした。
 9月に入り日本でも2日東京で上映会が開かれましたが、そんな中、14日付でこの裁判の当事者ともいうべき<戦後責任を問う・関釜裁判を支援する会>が声明を公表しました。というと、「ぜひ多くの人に観てください」と思うでしょう。ところが、驚いたことに「映画『허스토리』(ハーストーリー)の製作者に抗議する!」というのがその表題です。→コチラで内容を読んでみると、「映画を観て驚愕し、怒りと悲しみを禁じえませんでした。原告たちの願い、支援する会の願いが無視され歪曲されています」とか「(挺身隊イコール「慰安婦」という間違った認識や)偏見を増幅させるようなストーリーを作り、勤労挺身隊の実態を関釜裁判から消したことは犯罪的ですらあります」等々、非常に強い言葉で批判し抗議しています。「弁護士にも支援する会にも、何よりも原告に取材しないで作られています」とも。
 ほとんどの日本人は、一読して「これはひどい!」と思うでしょう。少し冷静に考えれば、日韓の歴史に対する考え方の違いも反映されているかもしれません。「正しい歴史」という時、日本人は「史実としての正確さ」とふつう考えますが、韓国人にとっては「倫理的・道義的な正しさ」のことを指します。その倫理的な正しさを訴えるためには多少の(?)誇張やフィクションが入ってもかまわないという意識が働いたのかもしれません。90年代慰安婦問題がクローズアップされた頃には多くいた日本の支援者の数や支援のムードがその後右肩下がりになっていったのも、日本国内の保守化だけでなく、そのような認識のズレがあったのではとないでしょうか? 例の<慰安婦20万人説>についても、「20万人でなく1万人でもそれ以下でも非道は非道」だし、かつての慰安婦と同様に家の事情等々から脱北して中国に行ったものの人身売買の犠牲者になっている多くの脱北女性にも目を向けよう」といったような時代や国を超えた発想がなぜ出てこないのか、とても残念に思います。
    
「朝鮮日報」9月14日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)


느린 시간 속의 행복

 《週末の劇場街》で紹介

  「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」



   ゆったりした時間の中の幸福



 「罪多き少女」
   人間性に対し深い考察 ★★★☆


 「追想」

   不器用な愛に渡す慰労 ★★★

 「罪多き少女」は韓国のミステリー&ドラマ。同じクラスの友人が突然行方不明になり、最後に一緒にいたヨンヒが疑われます。彼女は潔白を証明しなければならないのですが・・・。集団の人間関係の中で、(先生たちからも)追いつめられていく少女、のようです。「追想」は日本では8月に公開されています。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月18日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) チンピラ・ノワール(韓国)  9.79(66)
②(2) ダンガル きっと、つよくなる  9.50(1,643)
③(1) 私の最後のスーツ  9.44(32)
④(-) ハー・ストーリー(韓国)  9.30(2,129)
⑤(-) テンポ・ガールズ(韓国)  9.30(413)
⑥(3) ブレス しあわせの呼吸[ブリーズ]  9.26(250)
⑦(4) 劇場版 ハロー カボット:白亜紀時代(韓国)  9.24(2,020)
⑧(5) 万引き家族(日本)  9.23(2,578)
⑨(-) ターシャ・テューダー 静かな水の物語  9.21(48)
⑩(6) カメラを止めるな!(日本)  9.19(391)

 ①⑨の2作品が今回の新登場です。
 ①「チンピラ・ノワール」は、韓国のコメディ&ドラマ。人生の全てだったミヨンを事故で失った三流人生のチャンド(キム・ビョンチョル)は、加害者であるヒソンに復讐しようとヒソンを拉致します。しかし180度変わってしまったヒソンにとまどってしまったチャンド。結局彼は、ヒソンを血眼で探していた(恋い焦がれていた?←不明)ヨンミン(キム・ヨンヨン)に対面するのですが・・・。原題は「양아치 느와르」です。
 ⑨「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」は、日本では2017年4月に公開されています。韓国題は「타샤 튜더」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(3) 万引き家族  8.13(8)
③(4) ソソン里[韶成里](韓国)  8.00(2)
④(5) 生き残った子[最後の息子](韓国)  7.67(9)
⑤(6) search サーチ  7.60(10)
⑥(7) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  7.56(9)
⑦(8) ザ・スクエア 思いやりの聖域  7.25(12)
⑧(9) 暗い夜(韓国)  7.20(5)
⑨(-) 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア  7.14(7)
⑨(10) カメラを止めるな!(日本)  7.14(7)

 今回新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月14日(金)~9月16日(日) ★★★

         「search サーチ」が2週連続1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・search サーチ ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29 ・・・・・・・・・・505,222・・・・・・2,5157,318 ・・・・・・・21,554 ・・・・・・・955
2(54)・・物怪[もののけ](韓国) ・・・・・・・・9/12 ・・・・・・・・・・421,483 ・・・・・・・・613,134 ・・・・・・・・5,220・・・・・・1,163
3(2)・・君の結婚式(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・144,487・・・・・・・2,771,651・・・・・・・23,279・・・・・・・・616
4(新)・・ザ・プレデター・・・・・・・・・・・・・・9/12 ・・・・・・・・・・・98,433 ・・・・・・・・149,401 ・・・・・・・・1,326・・・・・・・・572
5(3)・・アップグレード・・・・・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・37,100 ・・・・・・・・178,154 ・・・・・・・・1,641・・・・・・・・171
6(6)・・マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー・・8/08・・・・・・16,927・・・・・・・2,280,322 ・・・・・・・19,500・・・・・・・・203
7(5)・・神と共に-因と縁(韓国) ・・・・・・8/01 ・・・・・・・・・・・14,595・・・・・・12,262,593 ・・・・・・102,574・・・・・・・・223
8(4)・・上流社会(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・8/29 ・・・・・・・・・・・14,149 ・・・・・・・・761,361 ・・・・・・・・6,257・・・・・・・・331
9(新)・・たまご計画・・・・・・・・・・・・・・・・・9/12 ・・・・・・・・・・・12,062 ・・・・・・・・・13,649・・・・・・・・・・104・・・・・・・・281
10(7)・・工作(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・8/08 ・・・・・・・・・・・・6,099 ・・・・・・・4,966,095 ・・・・・・・42,735・・・・・・・・138
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「神と共に-因と縁」は、昨年1位の大ヒット作「タクシー運転手」(1,218万人)を抜いて韓国映画歴代12位に。前作「神と共に-罪と罰」(1,441万人.2位)には及ばなくても、10位までには入りそう。
 今回の新登場は2・4・9位の3作品です。
 2位「物怪[もののけ]」は、韓国の時代劇&アクション。中宗22年(1527年)、漢陽の中心部に近い仁旺山で巨大な物怪が現れて人々を残酷に殺戮しているとの報告が入ります。生き残った人も疫病にかかり、苦しみながら死んでいくとか。漢陽は一瞬のうちに恐怖に包まれます。中宗(パク・ヒスン)は、すべてが自分に批判的な領議政と官僚たちの計略と思い、かつての內禁衛長ユンギョム(キム・ミョンミン)を宮に呼び入れて捜索隊を組織します。 ユンギョムと長年を共に歩んできたソンハン(キム・イングォン)、一人娘のミョン(ヘリ)、そして王が送った武官のホ宣伝官(チェ・ウシク)がユンギョムの捜索隊に加わります。物怪を追う彼らは、すぐに信じられないほどの巨大な秘密に直面することになります・・・。→予告編を見ても、やっぱり怪物の姿はチラッと見えるかどうか、といったところ。原題は「물괴」です。
 4位「ザ・プレデター」は、日本では2日遅れの9月14日公開されています。韓国題は「더 프레데터」です。そもそも最初の「プレデター」の公開は1987年。31年前か・・・。(と、また遠い目。)
 9位「たまご計画」(仮)は、中国のアニメ。韓国題は「바니부기:드래곤 에그를 찾아서(バニーブギー:ドラゴン・エッグを探して)」なのですが、原題の「蛋计划」を直訳して仮題としました。動物保護協会の最精鋭要員バニーとブギーは、<龍の伝説>を見つけてほしいというドクター・ハンスの依頼を受けて冒険の旅に出ます。<龍の伝説>は、時間旅行の力を持つ<ドラゴンエッグ>を見つけるための唯一の手がかりなのです。苦心の末、バニーたちは<龍の伝説>を狙う悪党たちを避けて隠れていたゼニガメに会って<龍の伝説>を求めようとしますが、その時突然現れた悪党ロボットがゼニガメを拉致します。ドラゴンエッグを見つけるためには、まだまだいくつもの関門が待っています。はたしてバニーとブギーはドラゴンエッグを探してゼニガメを入手することができるでしょうか? 韓国では中国アニメがけつこう上映されていますが、日本ではまずなさそうですよねー・・・。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・インサイド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/12・・・・・・・・・・・・5,481・・・・・・・・・・9,709・・・・・・・・・・・86・・・・・・・・・228
2(32)・・ターシャ・テューダー ・・・・・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・3,779・・・・・・・・・・5,593・・・・・・・・・・・44・・・・・・・・・・28
       静かな水の物語
3(新)・・南瓜とマヨネーズ(日本)・・・・・・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・965・・・・・・・・・・2,074・・・・・・・・・・・17・・・・・・・・・・49
4(6)・・カメラを止めるな!(日本)・・・・・・・8/23 ・・・・・・・・・・・・・936・・・・・・・・・11,244・・・・・・・・・・・97・・・・・・・・・・11
5(新)・・ワイルド・ブレイブ ・・・・・・・・・・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・925・・・・・・・・・・1,413・・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・・56

 じわっと再浮上してきた4位「カメラを止めるな!」以外の4作品が新登場です。
 1位「インサイド」はスペイン・アメリカ合作のホラー。日本ではすでに7月に公開されています。韓国題は「더 게스트(ザ・ゲスト)」です。
 2位「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」は上述のように日本ではすでに公開されています。
 3位「南瓜とマヨネーズ」は、映画も原作漫画も見てないので、私ヌルボとしては何とも・・・。ネチズン28人の平均評点は8.71となかなか高評価です。韓国題は「호박과 마요네즈」です。
 5位「ワイルド・ブレイブ」は、カナダのアクション&ドラマ。日本では今年7~8月新宿シネマカリテの<カリコレ2018>の中で上映されました。韓国題は「브레이븐」です。
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