ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [4月19日(金)~4月21日(日)]

2019-04-24 17:09:29 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸4月18~22日までの5日間で映画4本鑑賞。このペースだと、年間120本を超えてしまいます。他のやるべきことが疎かになるし、何よりも失費が・・・(涙)。
 これでも観る映画は絞り込んでるつもり。(ホンマか!?) で、その観た映画4本はというと、「芳華-Youth-」「眠る村」「ブレイブ・ロード~名もなき英雄~」「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」。どれも自分の目に狂いナシ! 大満足の作品でした。
 この4作品の共通項は<時の流れ>。それが感性を刺激します。
 中国映画「芳華-Youth-」は、70年代の<文工団>(=兵士を慰労・鼓舞する歌舞団)の男女団員たちと中越戦争がもたらした悲劇、「眠る村」は長く無罪を訴え再審を求め続けながらも2015年獄中死を遂げた奥西勝さんとその支援組織の法定闘争とその名張毒ぶどう酒事件に残された謎のをインタビュー取材等を通して検証していくドキュメンタリーですが、事件が起こったのは半世紀以上前の1961年とは・・・。(※江川紹子「名張毒ブドウ酒殺人事件 6人目の犠牲者」(岩波現代文庫)を読んでみてください。) 「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」は、なんで<時の流れ>と関係があるのかというと、中学時代ブラスバンド部員だったことや高校教員時代長く吹奏楽部顧問(技術指導はほとんどナシ)をやったりしてたという個人的理由。それにしても、このアニメの登場人物も作品自体もなんとナイーブなんだろう。いや、それこそ高校生なのか・・・。(よくそんな所に長年いたものだ。)

▸トルコ映画「ブレイブ・ロード~名もなき英雄~」を別ワクにしたのは、タイトルからは全然わかりませんが、朝鮮戦争に関わる実話に基づいた映画だからです。韓国では昨年6月「アイラ」というタイトルで公開され、多くの人々の感動を誘いました。→2012年の記事で書いたように、朝鮮戦争にはトルコの兵士が多数派遣されました。その中の1人スレイマン軍曹が平安南道(現・北朝鮮)の激戦地で闇の森に1人取り残された女の子を発見します。親を亡くしたその5歳の女の子を軍の基地に連れて帰ったスレイマンさんはトルコ語で月の意味する<アイラ(Ayla)>と名づけます。※続くあらすじは→コチラ。 予告編を貼っておきます。時間軸に沿っていませんが、アタマの中で再構成すればわかるのでは?

 <時の流れ>に関連して言うと、スレイマンさんはトルコに帰り、韓国に残ったアイラはその後韓国名になったこともあって共に再会を願いつつもかなわなかったのが、MBCTVの朝鮮戦争60周年の特集企画のための調査で仁川に住むキム・ウンジャさんということが判明。他の多くの元兵士と共に来韓したスレイマンさんとソウル・汝矣島(ヨイド)のアンカラ広場(←知らんかった)で再会するということに・・・。そのTV番組は→YouTubeで丸ごと観られますが、もちろん韓国語(汗)・・・。それでも感動的ですけどね。いろいろ書きましたが、平壌北方の平安南道(現)价川(ケチョン)市の軍隅里(クヌリ)での戦闘のこと等々、知識を仕入れることもできて大収穫の映画でした。ということで、とくに韓国&韓国映画に興味がある方にはぜひオススメなのですが、上映館ヒューマントラストシネマ渋谷の特集上映《未体験ゾーンの映画たち 2019》中の作品で、残すは明日25日の18:55の1回だけとなってしまいました。(シネ・リーブル梅田も25日18:30だけです。)
 ※本作の総合的な紹介・解説記事→コチラ

         ★★★ NAVERの人気順位(4月23日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(-) ビューティフルマインド(韓国)  9.95(60)
②(1) 痛いほど愛する(韓国)  9.82(129)
③(2) 詩人おばあちゃん(韓国)  9.67(137)
④(3) グリーンブック  9.62(5,492)
⑤(4) カペナウム  9.60(2,641)
⑥(5) 僕のワンダフル・ライフ  9.55(1,951)
⑦(6) RBG 最強の85才  9.55(129)
⑧(8) ボヘミアン・ラプソディ  9.43(39,115)
⑨(-) 大物になる奴(韓国)  9.37(1,516)
⑩(7) ザ・ハント ナチスに狙われた男  9.37(35)

 ①と⑨の2作品が新登場です。
 ①「ビューティフルマインド」は、韓国のドキュメンタリー。年齢は10歳~30歳、天才型もいれば努力型もいて、障碍者も健常者も。そんなさまざまなミュージシャンたちが集まって作ったビューティフルマインド・オーケストラ。このドキュメンタリーは、ビューティフル・マインド・ミュージックアカデミーの子供たちの2018年初冬から夏までの活動を時系列順に記録したものですが、とくに定期演奏会をクライマックスにした構成ではなく、子供たち個々の日常を本人や周辺の人たちへのインタビューを活用して追っていき、家庭や学校、社会を見つめるという作品とのことです。原題は「뷰티플 마인드」です。
 ⑨「大物になる奴」については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(2) 女王陛下のお気に入り 8.20(10)
③(3) 魂のゆくえ  8.00(7)
④(-) ラブレス  7.80(5)
⑤(4) コールド・パシュート  7.50(2)
⑥(-) スターリンの葬送狂騒曲  7.40(5)
⑦(5) カペナウム  7.33(9)
⑧(6) 川辺のホテル  7.33(3)
⑨(7) グリーンブック  7.29(7)
⑩(8) Us/アス  7.22(9)

 ④と⑥の2作品が新登場です。
 ④「ラブレス」は、日本では昨18年4月に公開されています。韓国題は「러브리스」です。第70回カンヌ映画祭で審査員賞を受賞した作品ですが、私ヌルボは未見。
 ⑥「スターリンの葬送狂騒曲」も、昨年8月日本公開。韓国題は「스탈린이 죽었다!(スターリンが死んだ!)」。これはおもしろかった! <ぴあ映画生活>の評点が64点とは低すぎ。ジャンルが<コメディ>というのもいかがなものか?

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月19日(金)~4月21日(日) ★★★
           「誕生日」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・誕生日(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・4/03・・・・・・・・・・170,316・・・・・・1,066,318 ・・・・・・・8,896・・・・・・・・878
2(29)・・ラ・ヨローナ ~泣く女~・・・・・4/17・・・・・・・・・・114,532・・・・・・・・161,063 ・・・・・・・1,441・・・・・・・・620
3(3)・・未成年(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・4/11・・・・・・・・・・・52,603・・・・・・・・248,105 ・・・・・・・2,136・・・・・・・・561
4(新)・・大物になる奴(韓国) ・・・・・・・・4/18・・・・・・・・・・・45,908 ・・・・・・・・62,272 ・・・・・・・・・501 ・・・・・・・447
5(13)・・キャプテン・マーベル ・・・・・・・3/06・・・・・・・・・・・43,884・・・・・・5,755,438 ・・・・・・51,114・・・・・・・・223
6(2)・・ヘルボーイ ・・・・・・・・・・・・・・・・・4/10・・・・・・・・・・・41,434 ・・・・・・・311,916 ・・・・・・・2,687・・・・・・・・517
7(4)・・金(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/20・・・・・・・・・・・37,932・・・・・・3,378,083 ・・・・・・28,783・・・・・・・・404
8(28)・・ウォッチング(韓国)・・・・・・・・・4/17・・・・・・・・・・・29,250 ・・・・・・・・46,139・・・・・・・・・390・・・・・・・・484
9(新)・・ノッティングヒルの恋人・・1999/7/03・・・・・・・・・22,685 ・・・・・・・・31,416・・・・・・・・・264・・・・・・・・183
10(6)・・バイス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/11・・・・・・・・・・・22,543 ・・・・・・・121,597 ・・・・・・・1,034 ・・・・・・・・192
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・4・8・9位の4作品です。
 2位「ラ・ヨローナ ~泣く女」は、アメリカのホラー。「死霊館」シリーズ等のジェームズ・ワン監督が中南米に古くから伝わる怪談を基に映画化した作品です。1970年代、夫と死別した悲しみを引きずるソーシャルワーカーのアンナ(リンダ・カーデリーニ)は幼い兄弟の溺死事故に遭遇します。それは白いドレス姿の悪霊<ラ・ヨローナ>のしわざでした。実は、ヨローナにもそんな悪霊になったワケがあるんですけどね。で、その悪霊は、やがてアンナの子供たちにも牙をむきます・・・。韓国題は「요로나의 저주」。日本公開は5月10日です。
 4位「大物になる奴」は、韓国のドラマ。全羅道のある島の村に住むキガン(ソン・ホジュン)とキスン(ナム・ボラ)兄妹、そして母のスノク(キム・ヘスク)。負けん気は人一倍強いやんちゃ息子キガンは、「オモニ、俺がどんな奴になって帰ってくるか見てろよ」と無謀な成功だけを夢見て家を出ます。ところが結局彼は犯罪者に転落し、死刑を宣告されてしまいます。政府は厳正な法律の執行を理由に死刑執行を発表します。いつ死ぬか分からない不安と恐怖の中で自暴自棄になるキガンの元に、ある日読み書きのできなかったオモニから生まれて初めて手紙が届きます。「世の中がどんなに悪く言っても、私はあなたを愛しています。私はあなたのオモニです。」・・・。キガンがどんな罪を犯したのかわかりませんが、実話に基づいた物語とのことです。原題は「크게 될 놈」ですが、「大物になる」という意味と、「人間として成長する」という2つの意味が込められているとのことです。
 8位「ウォッチング」は、韓国のスリラー。タイトルの<ウォッチング>が、そのまま本作のキーワードです。ある日ヨンウ(カン・イェウォン)は会社の地下駐車場で拉致されます。そこに数多く設置されているCCTVは、必ずしも犯罪から身を守ってくれるとは限りません。場合によっては恐怖を感じさせる<視線>にもなります。彼女は自分に差し迫って来るそんな監視の目を避け、必死の脱出を試みます・・・。原題は「왓칭」です。
 9位「ノッティングヒルの恋人」は、
ジュリア・ロバーツとヒュー・グラントが共演した1999年のロマンチック・コメディの再上映。韓国題は「노팅 힐」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・イタズラなKiss[台湾版] ・・・・・・・・3/27・・・・・・・・・15,076 ・・・・・・・419,084 ・・・・・・・・・3,424 ・・・・・・・・225
2(新)・・さまよえる地球[流浪地球]・・・・・4/18・・・・・・・・・11,018 ・・・・・・・・13,573・・・・・・・・・・・116 ・・・・・・・・178
3(新)・・ラブレス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/18・・・・・・・・・・2,132 ・・・・・・・・・4,175・・・・・・・・・・・・33 ・・・・・・・・・47
4(2)・・ロマン(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/03・・・・・・・・・・1,413 ・・・・・・・・71,822・・・・・・・・・・・546 ・・・・・・・・・34
5(3)・・魂のゆくえ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/11・・・・・・・・・・1,303 ・・・・・・・・・8,906・・・・・・・・・・・・70 ・・・・・・・・・32

 2・3位の2作品が新登場です。
 2位「さまよえる地球[流浪地球]」は、中国のSF大作。2015年に「三体」でヒューゴー賞(長編小説部門)を受容した劉慈欣の同名小説の映画化作品です。(えっ、「SFマガジン」2008年9月号に日本語訳が載っているって!?) 以下あらすじ。近い将来、太陽系は消滅の危機を迎えます。原因は太陽のヘリウム・フラッシュそして赤色巨星化。地球は零下70度の異常気象と、木星との衝突という危機に直面します。全世界連合政府が立てた計画は、宇宙船で脱出? そんなものじゃない。巨大エンジンを作って地球ごと太陽系に最も近い(4.2光年)恒星プロキシマ・ケンタウリまで逃げようというのです。主舞台は中国で、人々は地下都市で生活していましたが、地上の世界を見たくて抜け出した少年(チウ・チュウシャオ.屈楚蕭)と少女(チャオ・ジンマイ.趙今麦)が偶然そんな地球を救う作戦に関わることになります・・・。今年の春節で記録的なヒットとなったことは、→朝日新聞
でも報じられました。Netflixが本作の配信権を獲得し、世界190ヵ国で配信するとのことですが、もう観られるのかな? 日本でも一般劇場公開してほしいんだけど・・・。韓国題は「유랑지구(流浪地球)」です。
 3位「ラブレス」は、上述のように日本では昨年公開されています。