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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [4月12日(金)~4月14日(日)]

2019-04-17 11:24:48 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸ドキュメンタリーの秀作「沖縄スパイ戦史」は昨年7月ポレポレ東中野を皮切りに各地で公開され、近所のシネマ・ジャック&ベティでも9月に1週間上映されていましたが、つい見逃がしてしまいました。そしてやっと、神奈川での最後の上映日の12日あつぎのえいがかんkikiまで足を運び、なんとかすべりこみで観てきました。で、十分以上にその甲斐がありました。見逃してしまったのは、ずっとタイトルの意味がのみ込めなかったのが一因です。そもそも、この映画のキモの、沖縄戦で15、6歳の少年たちが本土からやって来た陸軍中野学校出の2人の青年大尉を隊長として組織された護郷隊の一員として<スパイ教育>等を受け、米軍と戦って多くの犠牲者を出したこと等々、知らなかったことがあまりに多かったからです。(→ウィキペディアには「800~1000人の少年が防衛召集され、そのうちの162人が戦死した」とある。) 知らなかったと言えば、米軍が上陸しなかった波照間島の島民たちが日本軍の命令ですべての家畜をした上で西表島に強制疎開させられ、そしてマラリアに集団罹患して多くの命が失われたことも・・・。※ウィキペディアの<戦争マラリア>の項目参照→コチラ
 また、このようなテーマ設定から綿密な取材まで、三上智恵・大矢英代両監督の本気度!を強く感じました。三上智恵監督のこれまでの仕事はウィキペデア等にありますが、率直に恐れ入ってしまいます。
 そんなわけで、本作が<キネマ旬報ベスト・テン2018>の→<文化映画ベスト・テン>で第1位に選ばれたことは、遅ればせながら十分ナットク。

▸あつぎのえいがかんkikiではもう1作、<ぴあ映画生活>で平均評点80点という「デイアンドナイト」を鑑賞。「実直な父親の自殺をきっかけに秋田に帰郷した主人公が・・・昼と夜、表と裏、善と悪、人間の持つ二面性に振り回されるうちに・・・」といった作品で、監督はじめ若い制作陣の意欲は買えるのですが、その<善vs悪>をめぐる物語の主軸の1つというのが会社の不正を内部告発するか、会社と社員のためにそれを隠匿するか、という問題には「異論あり」です。私ヌルボ思うに、それを二者択一の問題としたらダメなんで、そこからより<妥当な>方策を考えるのがオトナの考え方ではないかと・・・。ましてや、<正義>を標榜する人物が暴力をふるったりとか、もう1つの主軸のように、ある<善>を実現するために誰の目にも明らかな犯罪までやっちゃうとなると、それは<アナタだけの独善的な正義>になっちゃうわけで・・・などと言うと、この映画の骨格からなくなってしまうかな? ただ30代の藤井監督もそれなりには承知の上か? 監督自身「この映画をもし50歳の方や80歳の方が撮ったとしたら、きっと解釈が変わってくるなと思っています」と語っているし・・・。と言っても、やっぱり世代のギャップはここかしこに感じてしまいました。

         ★★★ NAVERの人気順位(4月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 痛いほど愛する(韓国)  9.82(108)
②(-) 詩人おばあちゃん(韓国)  9.68(136)
③(3) グリーンブック  9.62(5,432)
④(4) カペナウム  9.60(2,611)
⑤(5) 僕のワンダフル・ライフ  9.55(1,926)
⑥(2) RBG 最強の85才  9.55(106)
⑦(-) ザ・ハント ナチスに狙われた男  9.48(21)
⑧(6) ボヘミアン・ラプソディ  9.42(39,090)
⑨(7) ロマン(韓国)  9.38(377)
⑩(8) 漆谷の少女たち(韓国)  9.27(370)

 ⑦「ザ・ハント ナチスに狙われた男」は、ノルウェーの歴史ドラマ。ナチスに支配されていた1943年のノルウェーが舞台の、史実に基づいた作品です。スコットランドで訓練された12人のノルウェー人レジスタンスが、ドイツ軍の航空管制塔の破壊を目的にノルウェーに潜入します。しかし彼らはドイツ軍に見つかってしまい、11人は捕まりますが、唯1人逃亡した男がヤンでした。英題の「The 12th Man」と韓国題「12번째 솔저(12番目のソルジャー)」はまさにそういう意味です。何とか生き延び、ノルウェーの情報を知らせようと、ヤンは極寒の中ひたすら中立国スウェーデンへの脱出をめざします。親衛隊将校は何が何でも彼の逃亡を阻止しようとしますが、ノルウェーの住民たちは命の危険を冒してヤンを助けます・・・。日本では一般の劇場公開はなく、DVDのみのようです。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(2) 女王陛下のお気に入り 8.20(10)
③(-) 魂のゆくえ  8.00(7)
④(4) コールド・パシュート  7.50(2)
⑤(5) カペナウム  7.33(9)
⑥(6) 川辺のホテル  7.33(3)
⑦(7) グリーンブック  7.29(7)
⑧(8) Us/アス  7.22(9)
⑨(9) 運び屋  7.20(5)
⑩(10) COLD WAR あの歌、2つの心  7.17(6)

 ③「魂のゆくえ」が今回の新登場です。イーサン・ホーク主演のドラマ。日本でも韓国から1日遅れの4月12日から公開されています。韓国題は原題のままで「퍼스트 리폼드(first reformed)」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月12日(金)~4月14日(日) ★★★
           セウォル号事故から5年目を迎えた遺族たちを描く「誕生日」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・誕生日(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・4/03 ・・・・・・・・・・231,087 ・・・・・・・761,765 ・・・・・・・6,401・・・・・・・・865
2(45)・・ヘルボーイ ・・・・・・・・・・・・・・・・4/10・・・・・・・・・・155,584・・・・・・・・220,245 ・・・・・・・1,918・・・・・・・・726
3(44)・・未成年(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・4/11 ・・・・・・・・・・113,981 ・・・・・・・141,591 ・・・・・・・1,241・・・・・・・・673
4(3)・・金(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/20 ・・・・・・・・・・・93,466・・・・・・3,302,792 ・・・・・・28,157・・・・・・・・563
5(1)・・シャザム! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/03 ・・・・・・・・・・・58,786 ・・・・・・・636,971 ・・・・・・・5,577 ・・・・・・・・581
6(16)・・バイス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/11・・・・・・・・・・・55,767 ・・・・・・・・77,388・・・・・・・・・665 ・・・・・・・・241
7(新)・・ペット・セマタリー ・・・・・・・・・4/10・・・・・・・・・・・54,932 ・・・・・・・・87,134・・・・・・・・・763 ・・・・・・・・548
8(4)・・Us/アス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/27・・・・・・・・・・・48,780・・・・・・1,450,905 ・・・・・・12,382・・・・・・・・411
9(新)・・ペパーミント・・・・・・・・・・・・・・・4/11・・・・・・・・・・・42,931 ・・・・・・・・52,093・・・・・・・・・443・・・・・・・・213
10(59)・・ファイブ・フィート・アパート・・4/10・・・・・・・・・41,484 ・・・・・・・・67,395・・・・・・・・・594・・・・・・・・457
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・3・6・7・9・10位の6作品です。
 2位「ヘルボーイ」は、マイク・ミニョーラによる同名のアメコミを映画化したSFアクション。第2次世界大戦末期、敗色濃厚のドイツ軍は形勢逆転のため怪僧ラスプーチンの提案によりある計画を企てます。それは魔術の儀式で、その結果地獄から召喚されたのが悪の申し子ヘルボーイでした。彼らのもくろみはブルーム教授等アメリカ軍に阻止され、ラスプーチンは魔界に吸い込まれていきます。そしてヘルボーイはブルームの下で育てられ、教授の設立したBPRD(超常現象捜査局)のエージェントとして活躍します。ところがラスプーチンが復活し、その魔の手がヘルボーイとBPRDに伸びてきます・・・。韓国題は「헬보이」。日本公開は今秋とのことです。(いやあ、荒唐無稽にもほどがあるなあ(笑)。)
 3位「未成年」は、韓国のドラマ。同じ高校2年のジュリ(キム・ヘジュン)とユナ(パク・セジン)が学校の屋上で会います。最近ジュリのお父さんテウォン(キム・ユンソク)とユナのお母さんミヒ(キム・ソジン)の間に起きたことを知ったジュリは、何とか自分のお母さんのヨンジュ(ヨム・ジョンア)には知られないように収拾しようと思ってユナに会ったのです。ところがユナは大人のことには関わりたくないという考え。その時、ジュリが落としたケータイを手にしたユナは、たまたまかかってきたヨンジュの電話を取って、その対話の中でヨンジュの知らなかった秘密を暴露しまいます。それを見たジュリは茫然としてしまいますが・・・。原題は「미성년」です。
 6位「バイス」は、日本では6日早く4月5日公開されています。韓国題も同じく「바이스」です。
 7位「ペット・セマタリー」(仮)は、スティーヴン・キング原作のホラー。1989年と92年に「ペット・セメタリー」の1・2が公開されていますが、今作はそのリメイク。(<セマタリー>と正しい英語になっていないのは原作のまま。これはキングのミスではありません。) 突然の事故で娘エリーを失ったクリード(ジェイソン・クラーク)は、死んだペットが生き返るというペット墓地に娘を頼むことになります。すると、やがてエリーは戻ってきます。ところが、どこか別の<何か>になって。エリーは恐ろしい恐怖の物体となって、家族の息の根を止めにやって来たのです・・・。韓国題は「공포의 묘지(恐怖の墓地)」です。
 9位「ペパーミント」(仮)は、アメリカのアクション&スリラー。平凡な主婦のライリー(ジェニファー・ガーナー)は、娘の10回目の誕生日の日に麻薬組織員たちの銃撃により目の前で夫と娘を亡くします。衝撃から目覚めたライリーは証人席で犯人を挙げますが、腐敗した裁判官は彼らを放免します。その町では警察官も犯罪組織と癒着していたのです。5年後、銃撃事件と関連のある人物が1人2人と殺害され、マスコミと警察は巨額の金と共に姿を消したライリーを犯人と指摘しますが・・・。韓国題は「아이 엠 마더(アイ・アム・マザー)」。日本公開は未定です。
 10位「ファイブ・フィート・アパート」(仮)は、アメリカのドラマ。いわゆる難病モノですが、嚢胞性線維症というのがあるのですね。ところが、この患者は接触感染のリスクを低減するため常に他者から6フィートの距離を保たなければならないのです。ということは、キスはもちろんハグもできません。17歳の女の子ステラ(ヘイリー・ルー・リチャードソン)はその患者で、人生のほとんどを病院の中で過ごしてきました。そんな彼女は、同じ病気のウィル(コール・スプラウス)と出会い、2人は恋に落ちます。手を握ることもキスをすることもできない彼らですが、ある日勇気を出して病院外への初デートを決心します。しかし、ステラは突然息をできなくなってしまいます・・・。韓国題は「파이브 피트(ファイブ・フィート)」。日本公開は未定です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(10)・・魂のゆくえ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/11・・・・・・・・・・2,896 ・・・・・・・・・5,426・・・・・・・・・・・・45 ・・・・・・・・・54
2(2)・・グリーンブック・・・・・・・・・・・・・・・・・1/09・・・・・・・・・・1,868 ・・・・・・・427,728 ・・・・・・・・・3,600 ・・・・・・・・・18
3(1)・・私の小さな詩人に・・・・・・・・・・・・・・・4/04・・・・・・・・・・1,841 ・・・・・・・・・8,872・・・・・・・・・・・・71 ・・・・・・・・・43
4(3)・・RBG 最強の85才 ・・・・・・・・・・・・・・・・3/28・・・・・・・・・・1,219 ・・・・・・・・・8,805・・・・・・・・・・・・69 ・・・・・・・・・25
5(新)・・ザ・ハント ナチスに狙われた男・・4/11 ・・・・・・・・・・999 ・・・・・・・・・1,240・・・・・・・・・・・・・9 ・・・・・・・・・44

 1位「魂のゆくえ」・5位「ザ・ハント ナチスに狙われた男」が新登場ですが、いずれについても上述しました。
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