「マイ・ブックショップ」では、とくに主人公の女性(書店の店主)が老紳士やアルバイトの女の子に薦める本が「たんぽぽのお酒」(日本初刊1971)や「ジャマイカの烈風」(同1970)ということに共感しました。(後者は女の子に「読書はキライでも、これは読まなくちゃダメよ」とまで言ってます。)
私ヌルボは、それらの本を1971年から刊行された晶文社の<文学のおくりもの>というシリーズで読みました。そのラインナップといい装丁といい、とても魅力的で、全28巻のうち10冊くらいは読んだかも・・・。第1巻「たんぽぽのお酒」の作家ブラッドベリは「火星年代記」か「何かが道をやってくる」あたりから読んでいましたが、第2巻「まっぷたつの子爵」のイタロ・カルヴィーノは初めて知りました。ほどなくして高校の教壇に立つようになり、多くの生徒たちに熱っぽく(!)紹介したものです。このシリーズの企画・編集に当たった方たちには、今も「ありがとう!」と言いたいです。
この映画の舞台は1959年のイギリスということで、日本での翻訳書刊行とはそれなりの年差があるかも。しかし今確認したらナボコフの「ロリータ」英語版は1955年、日本で河出書房から翻訳が出たのは1959年だから、この本についてはそんなに大きな差でもないか。いずれにしろ、イギリスと日本という国を隔て、また半世紀を超えて伝えられる文学の感動を味わいました。あ、「ジャマイカの烈風」が世に出たのは1929年とのことだから、90年前のことなんですねー・・・。
▸「ナディアの誓い」は、先に「バハールの涙」を観ていてよかったです。重なる部分もあり、そうでないところもあり・・・。
違うのは、ISIL(イスラム国)にどう対するか、という点。それにしても、基本的なことなのに理解しがたいのが「なぜ多くの人がイスラム国に惹かれるのか?」ということ。関係記事(→コチラ等)も読んではみましたが、肝心なところがよくわかりません。現時点では支配地域はずいぶん狭まったようですが、今後の見通しはどうなのでしょうか?(わからないことばかり。)
▸<令和>の漢字を韓国語で読むと<영화(ヨンファ)>で、<映画>と同じ読み。<栄華>も。それがどうした?・・・って、それだけ。
★★★ NAVERの人気順位(4月2日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(2) グリーンブック 9.62(4,894)
②(-) RBG 最強の85才 9.60(40)
③(3) カペナウム 9.59(2,518)
④(4) ボヘミアン・ラプソディ 9.43(39,046)
⑤(5) ヒッチハイク(韓国) 9.33(21)
⑥(8) 漆谷の少女たち(韓国) 9.25(360)
⑦(-) ソニとスルギ(韓国) 9.20(15)
⑧(-) 劇場版恐竜メッカ―ド:タイニーソアの島(韓国) 9.16(1,917)
⑨(-) ダンボ 9.10(1,169)
⑩(10) 証人(韓国) 9.07(11,226)
②⑦⑨の3作品が新登場です。
②「RBG 最強の85才」は、ニューヨークのユダヤ系の家に生まれ、1993年クリントン大統領政権下で任命されて以来現在も最高裁判所判事を務める85歳の女性ルース・ベイダー・ギンズバーグ(通称“RBG”)の半生を映し出したドキュメンタリー。日本では、3月22日から若い頃(1970年代)の彼女を主人公にしたドラマ「ビリーブ 未来への大逆転」が公開されています。(韓国未公開) 韓国題は「루스 베이더 긴즈버그 : 나는 반대한다(ルース・ベンダー・ギンズバーグ : 私は反対する)」。日本公開は5月10日です。
⑦「ソニとスルギ」は、韓国のドラマ。18歳の女高生ソニ(チョン・ダウン)は友人たちの関心を引くために嘘をつきはじめます。ところが、彼女の小さな嘘がもとである友人が自殺してしまいます。深い罪悪感を感じたソニは、自分のことを誰も知らない土地でスルギと名を変え、模範生として新しい人生を歩み始めますが・・・。原題は「선희와 슬기」です。
⑨「ダンボ」は、日本でも3月29日から公開されています。韓国題は「덤보」です。(「ドンボ」ねー。) そういえば、この作品でも例の旭日旗論議がありましたね。(→コチラ参照。)
【記者・評論家による順位】
①(1) 顔たち、ところどころ 8.86(7)
②(3) 女王陛下のお気に入り 8.20(10)
③(5) 映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(日本) 7.50(6)
④(6) コールド・パシュート 7.50(2)
⑤(7) 顔たち(韓国) 7.40(5)
⑥(8) カペナウム 7.33(9)
⑦(-) 川辺のホテル 7.33(3)
⑧(9) グリーンブック 7.29(7)
⑨(-) Us/アス 7.22(9)
⑩(10) 運び屋 7.20(5)
⑦⑨の2作品が新登場です
⑦「川辺のホテル」は、ホン・サンス監督の新作。やっぱりキム・ミニが出演してます。川辺のホテルにただで泊まり込んでいる詩人ヨンファン(キ・チュボン)は、何となくこの先長くない気がして、長い間会っていなかった2人の息子をホテルに呼びます。一方、若い女性サンヒ(キム・ミニ)がこのホテルに泊まりに来ます。彼女は同居していた男に裏切られ、先輩の女性(ソン・ソンミ)に慰めてもらおうとホテルの自分の部屋に招くのですが・・・。みんな生きるのがつらい中、その川沿いのホテルで一日一日がすべてのように始まり、人々は互いを眺めているばかりです・・・。原題は「강변호텔」です。
⑨「Us/アス」については後述します。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月29日(金)~3月31日(日) ★★★
アメリカのホラー「Us/アス」が1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(38)・・Us/アス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/27・・・・・・・・・・628,646 ・・・・・・・936,431 ・・・・・・・7,899・・・・・・1,132
2(1)・・金(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/20・・・・・・・・・・601,908 ・・・・・2,669,647・・・・・・・22,794・・・・・・1,157
3(新)・・ダンボ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/27・・・・・・・・・・175,819 ・・・・・・・212,836 ・・・・・・・1,716・・・・・・・・797
4(2)・・キャプテン・マーベル・・・・・・・・・3/06・・・・・・・・・・175,465・・・・・・5,540,958 ・・・・・・49,274・・・・・・・・620
5(10)・・イタズラなKiss[台湾版]・・・・・・3/27・・・・・・・・・・118,103 ・・・・・・・172,941 ・・・・・・・1,384・・・・・・・・532
6(3)・・悪質警察(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・3/20・・・・・・・・・・・17,294 ・・・・・・・254,451 ・・・・・・・2,195・・・・・・・・346
7(28)・・サンキス・ファミリー(韓国) ・・3/27・・・・・・・・・・・13,900 ・・・・・・・・26,086・・・・・・・・・204・・・・・・・・400
8(新)・・コレット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/27・・・・・・・・・・・13,640 ・・・・・・・・22,342・・・・・・・・・183・・・・・・・・169
9(40)・・THE GUILTY/ギルティ・・・・・3/27・・・・・・・・・・・10,924 ・・・・・・・・22,091・・・・・・・・・183・・・・・・・・105
10(4)・・偶像(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・3/20・・・・・・・・・・・10,705 ・・・・・・・175,481 ・・・・・・・1,509・・・・・・・・247
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は1・3・7・8・9位の5作品です。
1位「Us/アス」は、(「ゲット・アウト」の)ジョーダン・ピール監督によるアメリカのホラー。アデレード(ルピタ・ニョンゴ)は、夫のゲイブ(ウィンストン・デューク)、そして男女2人の子どもたちと夏の休暇を過ごそうとサンフランシスコの南のサンタクルーズを訪れます。宿泊先は彼女が子供の頃過ごした家。翌日彼らはビーチで友人のタイラー一家と過ごします。ところが、過去にトラウマを抱えるアデレードは、「家族に良くない出来事が起こる」という恐怖に囚われます。夜が更けると、娘のゾラは手をつないでに立っている4人の人影を目撃します。家の中に入って来た4人は、ウィルソン一家とまったく同じ顔をしていました・・・。えっ、この「自分たち」が「自分たち」を襲う・・・!? 韓国題は「어스」です。
3位「ダンボ」は、上述のように日本でも2日遅れの3月29日から公開されています。
7位「サンキス・ファミリー」は、韓国のコメディ。結婚20年目になっても冷めることのない愛を分かち合う熱いカップルのジュノ(パク・ヒスン)とユミ(チン・ギョン)。しかし息子チョロン(チャン・ソンボム)と娘キョンジュ(ユン・ボラ)が成長し、身体的な問題で愛し合うことがとても難しくなってますが、いわゆる<恥かきっ子>の末娘チネ(イ・ゴウン)にとっては、毎晩親の寝室から聞こえてくる<きしみ音>は「家族の幸せ戦線異状なし」を知らせる信号でした。そんなある日、お父さんの友達というきれいなおばさんミヒ(ファンウ・スレ)が隣に引っ越して来ます。ママの火のような誤解(!)が開始されますが、その日の夜から<きしみ音>が停止してしまいます・・・。韓国題は「썬키스 패밀리」です。
8位「コレット」は、英・米・ハンガリー合作のドラマ。「シェリ」「青い麦」等で知られるフランスの女性作家「シドニー=ガブリエル・コレット」(1873~1954)の波乱に満ちた半生を描いた作品です。1890年代のフランス。片田舎で生まれ育ったコレット(キーラ・ナイトレイ)は人気作家のウィリー(ドミニク・ウェスト)と結婚し、パリへ移り住みます。<ベル・エポック>の活気に溢れるパリのサロンで彼女が様々な芸術家たちと交流を深める中、コレットに文才があると気づいたウィリーは、自分のゴーストライターとして彼女に小説を書かせます。彼女が書いた小説はやがて評判になりますが、彼女はは自分が作者であることを明かせない葛藤と、夫の浮気と抑圧に苦しめられることに・・・。ふーむ、70年以上前のメアリー・シェリーの時代のイギリスとさして変わってないのか? 韓国題は「콜레트」。日本公開は5月17日です。
9位「THE GUILTY/ギルティ」は、デンマークのサスペンス。日本ではすでに2月22日公開されています。韓国題は「더 길티」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・グリーンブック・・・・・・・・・・・・・・・・・1/09・・・・・・・・・・4,760 ・・・・・・・419,609 ・・・・・・・・・3,543 ・・・・・・・・・33
2(新)・・神は死ななかった ・・・・・・・・・2018/7/14・・・・・・・・・・2,688 ・・・・・・・・92,133・・・・・・・・・・・718 ・・・・・・・・・10
:暗闇の中の光
3(25)・・RBG 最強の85才 ・・・・・・・・・・・・・・・3/28・・・・・・・・・・2,162 ・・・・・・・・・3,860・・・・・・・・・・・・31 ・・・・・・・・・39
4(3)・・天才作家の妻・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/27・・・・・・・・・・・・760 ・・・・・・・・40,222・・・・・・・・・・・311 ・・・・・・・・・15
5(新)・・ソニとスルギ(韓国) ・・・・・・・・・・・・3/27・・・・・・・・・・・・658 ・・・・・・・・・1,379・・・・・・・・・・・・11 ・・・・・・・・・34
3位「RBG 最強の85才」と5位「ソニとスルギ」の2作品が新登場ですが、いずれについても上述しました。
なお、2位の「神は死ななかった:暗闇の中の光」はキリスト教映画で、昨年7月24日の記事で紹介しました。